国内女子ツアー13戦目「エリエールレディス」が明日から4日間の日程で開催される。来週の年内最終戦「リコーカップ」は出場資格が限られているため、多くの選手は今週が最終戦となる。そんな試合に挑むツアールーキー高木優奈に、プロゴルファー・中村修が注目した。

強気だが周りへの気遣いもできる

1998年生まれ、黄金世代の高木優奈選手は、昨年のプロテスト合格はなりませんでしたが、ステップアップツアー「ANAプリンセスカップ」に優勝したことでTP単年登録の資格を得てQT(予選会)を43位で終え今季の出場資格を勝ちとっています。

今季の成績を見ると、9試合のうち5試合で予選を通過。10位タイになった「NEC軽井沢ゴルフトーナメント」が最上位です。

そんな彼女を、樋口久子 三菱電機レディスで見かけました。156センチの小柄な体から繰り出されるドライバーの飛距離は230から240ヤードほど。「キレのあるショットで攻めるタイプのプレースタイルだな」という印象を持ちました。

気になってスタッツを調べてみると、フェアウェイキープ率83.33%、パーオン率64.8%とショット力の高さを表しています。ショートゲームのスタッツが上がってくれば上位で戦えるだけの力は十分にあるように思います。

画像: ツアールーキーとして奮闘する黄金世代の高木優奈(写真は2020年の三菱電機レディス 写真/姉崎正)

ツアールーキーとして奮闘する黄金世代の高木優奈(写真は2020年の三菱電機レディス 写真/姉崎正)

では、そのスウィングを見ていきましょう。手元はあごの下よりもボール寄りにセットしていて、ややボールから離れた位置で構えています。そうすることで軌道はややフラットな軌道になりやすくなります(画像A左)。

トップの位置はコンパクトでフェースの向きは空を向くシャットな使い方。コンパクトなトップから飛距離を得るにはたとえばジョン・ラームのように体の強さが不可欠ですが、高木選手のスウィングからも体幹の強さが感じられます(右)。しっかりとしたトレーニングを積んでいるのでしょう。

画像: 画像A:ボールからやや離れたアドレス(左)でトップの位置はコンパクトでフェースが空を向くシャットな使い方(右)(写真は2020年の三菱電機レディス 写真/姉崎正)

画像A:ボールからやや離れたアドレス(左)でトップの位置はコンパクトでフェースが空を向くシャットな使い方(右)(写真は2020年の三菱電機レディス 写真/姉崎正)

画像Bの左、切り返しを見ると下半身が先行し上半身は開かずにしっかりと体幹部で捻転差ができています。そして地面を踏み込むことで下半身から回転力を得てクラブを加速させています。お尻がボール方向に近づくことなく懐の広いインパクトは非常に効率に優れたお手本になります。

お尻が前に出ると手元の通り道が狭くなりフェースが開きやすくなりますので、打つ前に高木選手のこのインパクトの形に体を動かしてから実際にスウィングすると効果があるはずです。

画像: 画像B:下半身が先行した切り返し(左)からお尻がボール方向に近づかず体とヘッドが引っ張り合い懐の広い効率的なインパクト(右)(写真は2020年の三菱電機レディス 写真/姉崎正)

画像B:下半身が先行した切り返し(左)からお尻がボール方向に近づかず体とヘッドが引っ張り合い懐の広い効率的なインパクト(右)(写真は2020年の三菱電機レディス 写真/姉崎正)

普段からとにかく明るい性格で強気な姿勢の持ち主ですが、師事する三觜喜一コーチがサポートする選手を集めたイベントなどでは、うって変わって周りへの気遣いができると、チーム三觜と関わりのある最新理論「ジェイコブス3D」アンバサダーの松本タスクさんが教えてくれました。

「高木優奈プロのスウィングは米女子ツアー選手並みの効率いいスウィングをしています。切れ味のあるアイアンショットが強みです。レギュラーツアーに慣れて持ち前の明るく強気な性格を出せれば、成績もついてくると思います」(松本)

「エリエールレディス」では、成長著しい高木優奈選手に注目したいと思います。

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