男子ツアー「ダンロップフェニックス」で取材中の週刊ゴルフダイジェストのツアー担当・ケンジロウが注目したのは最難関と言われる10番ホールの攻略法。プロたちはどう攻める?

こんにちは、ケンジロウです。今週はダンロップフェニックスに来ております。チャーター便に乗ってプロと一緒に宮崎まで移動してきました。宮崎はほんと暖かいですね。毎日半そでで過ごしておりますよ。

今年のフェニックスはだいぶスコアが出ていますよね。例年よりラフが短く、雨の影響もあってかグリーンで球も止まりやすい。さらに気候も暖かいのでみな半そでで快適にプレーしています。スコアが出るような条件がそろっているのでしょう。リーダーズボードには赤い数字ばかりが目立っています。

そんな中でも、なかなかバーディがとれない難しいホールがあるんです。皆さん何番ホールだと思いますか? それはインコースのスタート、10番ホールです。

初日を終えて、10番ホールはパー4の中で2番目に難しいホールでした。プロの平均スコアは4.12。なかなかバーディは難しいですね。ちなみに2017年には、もっとも難しいホールに輝いています。そのときの平均スコアは4.231でした。

画像: フェニックスオープンの超難関!10番ホールのヤーデージブック

フェニックスオープンの超難関!10番ホールのヤーデージブック

何が難しいって、まずは「距離が長い」ということ。475ヤードもあって、通常はパー5で営業していますからねぇ、それをパー4でやるって、やっぱりプロってすごいわ。

ドライバーで280ヤード打ったとしても、200ヤード近く2打目が残ります。さらにグリーンは傾斜がきついので、高い球で止めないといけないんですね。

もうひとつやっかいなのが、300ヤード地点にある左サイドの木です。これがいい感じに“通せんぼ”していて、ドライバーが飛ぶと、2打目が狙えなくなるんです。ですからスプーンでティショットを打つ選手が多い。

画像: 10番ホールのティショットをスプーンで打った星野陸也

10番ホールのティショットをスプーンで打った星野陸也

このホールが苦手と言った星野陸也に事前に電話で話を聞いていたので、その中身をご紹介します。

「10番はいつもボギー打ちやすい鬼門のホールなんですよ。フェアウェイにある左の木が、すごく狭く感じさせます。木にかかりたくないから、スプーンか5番ウッドを持ってだいたい270ヤードぐらいに刻みます。狙いは右のバンカーの左サイド。そこからドローで打っていって、フェアウェイのセンターへ運ぶのがベストルート。それでだいたい200ヤード近く残ります。ちなみにアゲンストだとドライバーでいくのですが、ドライバーでもそのぐらい残ります。ティショットがうまくいっても、ピンが奥だと止めづらい。手前半分が下っていて奥は下っているいやーなグリーンなんですよね。特に左奥ピンのときはもうバーディは諦めます(笑)」

初日、10番ティの後ろで、インスタ―トのプロたちのティショット定点観測していたのですが、プロの攻め方は実にいろいろ。

画像: 石川遼も10番ホールのティショットでスプーンを選択していた

石川遼も10番ホールのティショットでスプーンを選択していた

石川遼はティグランドの左端に立ち、スプーンをチョイスして、右に打ち出してフックに近い球でフェアウェイセンターへ。

池田勇太はティグランドの右端に立ち、ドライバーを持ってフェアウェイ左サイドの“通せんぼツリー”狙いで打ちました。フェードする予定だったのでしょうが、結果はそのまま木の方向に行ってしまいました(そこからバーディを獲ったから凄いです)。

アマチュアの中島啓太は左の木よりさらに左の林側を向いてドライバーを持ち、林からフェードさせてフェアウェイ中央にランディングさせました。朝イチいきなり林の方向を向いて打つのって嫌ですよね。それでもフェアウェイに着弾したのを見た中島は、ケロっとした顔をして、2打目地点に歩いていきました。ショットの調子がいいんでしょうね。

そして星野陸也はと言うと、事前に電話で聞いた話の通り、スプーンを持って右のバンカーからドローボールを打ち見事フェアウェイをとらえていました。

もしデシャンボーが招待選手でこの試合に出ることがあったら、おそらく左の木は軽々と越えてくるんだろうな……と想像してしまいました。

まさにショット力が試されるフェニックスの10番ホール。週末のテレビ観戦では、注目してみてくださいね。優勝争いを左右するホールになりそうですよ。

発売中の週刊ゴルフダイジェスト(12/1号)にも星野陸也が語るフェニックスの攻略法が出ているので合わせてご覧ください。

写真/姉﨑正

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