ミスショットやミスパットからスコアを崩すことはプロでもよくあること。そんなとき、失敗した自分を責め、自分で自分を追い込んでしまってはいないだろうか。プロも指導するメンタルコーチ池努が、パフォーマンスを上げるマインドセットを教えてくれた。

「ミスしてはいけない」という考えが自身のメンタルを追い込んでしまう

プロゴルファーをはじめ多くのアスリートをサポートさせていただく中で、アスリート達を知らず知らずのうちに苦しめているマインドセット(考えや信念の事)があります。

それが「(本番での)ミスはしてはいけないものだ」「(本番での)失敗はダメなものだ」というマインドセットです。ゴルフに限らず多くのアスリートは試合本番でミスをしたらそのミスを否定しさらに自分を責めがちです。

「なんでいつもこうなるんだ」「次もミスしたらどうしよう」と考えることでイライラや不安な感情につなげてしまっています。そして、そのイライラや不安な感情でプレーをしていてはなかなか良いパフォーマンスにもつながりません。あなたも練習ならできているショットやアプローチ、パットがラウンドでなかなか出せないときに自分の失敗を責めてはいないでしょうか。

画像: 「ミスはしてはいけないもの」という考え方をしていると自分で自分のミスを責めてしまい、メンタル面からパフォーマンスにも悪循環が生まれてしまうと池は言う(写真はイメージ)

「ミスはしてはいけないもの」という考え方をしていると自分で自分のミスを責めてしまい、メンタル面からパフォーマンスにも悪循環が生まれてしまうと池は言う(写真はイメージ)

上達する気持ちが強い人ほど練習を頑張ります。そして気合を入れて本番にのぞみます。その状態で出たミスを簡単には許せないことは当たり前のことです。このようにゴルフに対してストイックに考えるゴルファーほど自分のミスを責める傾向にあり、この「失敗はダメなもの」というマインドセットが自分のメンタルを追い込んでいる可能性が高いのです。

失敗はダメなものなのか?

上記にも書いたように多くのゴルファーはコンペやラウンドでの失敗に対して「ミスはしてはいけない」「失敗してはダメ」とネガティブなとらえ方をしがちです。そして、ミスが起こった時にそのミスをした自分を責めます。「なぜ練習でできたことができないんだ」と。しかし、本当に、本当にミスはダメなものなのでしょうか?

ここでプロアスリートに私が勧めているマインドセットを紹介します。ここが今回の記事の最大のポイントです。それは「失敗は学びである(失敗は学習だ)」というマインドセットです。これは言葉だけ読むと「なんだそんなことかよ」とチープに思われがちなシンプルな表現ですが、本当に重要なマインドセットですし、この「失敗は学び」というマインドセットを無意識に使えているゴルファーは非常に少ないです。

人は上手くいかないことから学びを得てそれを改善するための方法論を思考し、思考錯誤することで成長していきます。今回も成功、明日も成功、明後日も成功というように成功が続いても人は成長することがきません。なぜなら人は成功した時に「なぜうまくいったのか」という成功要因を考えることを苦手としているからです。

たとえば、苦手な朝イチのティショットが成功したとしてその成功要因を分析することはあまりありませんよね。しかし、ティショットが失敗したときには「なぜ曲げてしまったのだろう」と真剣に考えますよね。このように私たちは失敗をしたときこそ、悔しさなどから真剣に失敗の要因を振り返ります。そして、その失敗から「学ぶ」ことで改善や成長につなげていくのです。

「失敗はダメなものだ→失敗は学びである」とマインドセットをアップデートすることができればミスに一喜一憂することは減り、「なぜミスばかりするんだ」と自分を責めることも減少します。そして、健全なメンタリティーでゴルフを継続することができメンタルのパフォーマンスは安定します。そして、ミスから学び、それを成長に変えていくというサイクルを少しでも自分のものにすることができれば失敗はあまり怖くなくなりますし、ミスをすることも前進だと思えるようになるものです。

ただこの失敗へのマインドセットとして注意点としてあげたいのが無理に「失敗はチャンスである」ととらえる超ポジティブ思考です。試合本番で痛いミスをしたときに「チャンス」とはなかなか思えないというアスリートが大半です。無理なポジティブシンキングでは本番では通用しないことが多いです。それより「失敗は学びだ」と考える方が、すっと心に染み込むゴルファーが多いです。ぜひご自身のメンタル改善に活かして頂ければ幸いです。

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