「よくアマチュアゴルファーの方から『厚着していると体が回らない』『打ちづらい』という声を聞きますが、そう感じるのは手打ちしている証拠。僕は薄着でも厚着でも打ちづらいと感じません。それは腕を振らずに体を使って打っているので、むしろ厚着していたほうが腕が固定されて打ちやすいくらいなんですよ」（中井学、以下同）
中井いわく「スウィング中に動かすのは股関節、肩甲骨、背骨といった、本来そこまで回らない部分」であるため、厚着をしてもその可動域は制限されない。そのためスウィングに大きな影響はないという。
冬こそ練習するべきと中井はいうが……一体どういうこと？（撮影／渡部義一）
だからこそ、「厚着している状況を逆手に取ってほしい」と中井は言う。
「厚着はゴルフスウィングを再構築するためのひとつの方法と考えてもらいたいんです。わきにタオルを挟んで打つのはプロもよくやる効果的なドリルですが、あれと同じ状態みたいなものですから。動きにくい分無理やり体を動かすのではなく、窮屈な状態のまま、ハンドファーストに打つ、ミート率を上げるといったことを意識して、ヘッドスピードを上げる以外の練習をメインにしていくことをオススメします」
そのうえで練習するクラブは「ショートアイアンがいいでしょう」と中井はいう。
「ショートアイアンはハンドファーストに当てるイメージが作りやすく、正しい動きをすると、打感も、球の飛び方も変わるので『気付ける』点が増えるんです。ドライバーのような長いクラブは、寒さでボールの反発が落ちるため、どれだけ正しい動作で打てていても飛距離が落ちていると感じてしまうため、力んでしまいやすい。だからこそ、正しい動作をしたら『正しいですよ』と教えてくれるショートアイアンで練習することが重要なんです」
「厚着」と「ショートアイアン」。このふたつにこだわって、この冬は練習してみてはいかがだろうか？
