PGAツアー「マヤコバゴルフ・クラシック」でツアー通算2勝目を挙げたビクトル・ホブラン。そんなホブランが上達のために今年取り組んだこととその成果を語った。

今年最後のPGAツアーの公式競技「マヤコバゴルフ・クラシック」が終了し、23歳のビクトル・ホブランが逆転優勝。フェデックスカップランキングで3位、世界ランキングでも15位に浮上した。

今年の2月下旬に行われた「プエルトリコオープン」では、最終日・最終ホールで6メートルほどのバーディパットを沈めてPGAツアー初優勝を飾ったが、ノルウェイの新星ホブランは今回またしても最終日・最終ホールで3.5メートルほどのバーディパットを沈め、猛追するアーロン・ワイズを1打差でかわし、早くも2勝目達成である。

画像: PGAツアー「プエルトリコオープン」を制したビクトル・ホブラン(写真はGetty Images)

PGAツアー「プエルトリコオープン」を制したビクトル・ホブラン(写真はGetty Images)

「今日はたくさんいいショットもあったし、バーディも取れていたけど、それでも1日中すごく緊張していた。いいスタートを切れたのは良かったね」

彼がアマチュアだった2018年、今大会に推薦出場のチャンスを与えられ、PGAツアーデビューを果たした。その時は1打差で予選落ちし、翌年にプロ入りした際も1打差で予選通過できなかったが、3度目の正直でついに優勝。リベンジが叶ったのだ。

同世代のホアキン・ニーマンがアマチュア時代に「グリーンブライヤー」の試合に初めて推薦してもらい、プロ入り後にその大会で優勝を遂げた、というホブランと似たような話があるが、プロゴルファーには“コースとの相性”という要素の他に、“土地の縁”や“、初めてPGAツアーで回ったコースだ、という”思い入れの強さ”というものも大きくプレー中の心理に影響するのかもしれない。

さて、今年は新型コロナウイルスの影響でツアーが中断するなど、ゴルフ界に与えた影響も大きかったが、ホブラン自身はさほど影響を受けなかったのだという。彼の米国の自宅は、大学在学中からオクラホマ州にあるが、同州のゴルフ場は閉鎖されることはなく、オクラホマ州立大時代のルームメイト達とほとんど毎日ゴルフをしていた。彼曰く「コロナで中断中は、むしろ得るものが大きかった」とさえ語る。

彼はツアー中断中に、栄養学にも興味を持つようになり、「食事」に対する考え方や内容、摂り方を変えた。YouTubeを何度も見ながら、今、流行りの食事法なども試したそうだが、最終的には「何を食べるべきか」を研究した結果、脂肪摂取量を抑え、プロテインを少し摂るという基本的で真っ当な方法をとることにした。そして1日に2食ではなく、何度も少しずつ食べる、という方法に変えたという。

「以前、例えば7時スタートの時は、12時まで一切食べなかった。食べたり食べなかったりと中途半端に絶食するようなことをしていたんだ」

ホブランの変化は他にもある。コーチのジェフ・スミスと数ヶ月前から「目いっぱい、20分間全力でスイングして球を打つ」という練習法を試みた結果、スイングスピードが速くなり、飛距離が出るようになったという。しかも、彼の契約先のクラブ(ピン)のニュードライバーは、打ち方次第でさらに飛距離が出るということも発見した。

「フェースの下の方で打つと、前のモデルよりも飛距離が出るんだ。仮にミスショットしても、下の方で打つとかなり飛ぶんだよ」

グリーン周りの小技についても今年の夏に取り組んだ結果、改善が見られるようになった。

30~40ヤードのアプローチを、通常のインターロッキンググリップではなく、ベースボールグリップ(10フィンガーグリップ)で握るようにしたところ、「クラブヘッドのリリースがもっと自然にできるようになった」ことで思い通りに寄せることができるようになったという。

さらにグリーン上では「エイムポイント」(アダム・スコット達が数年前から行っているグリーンの傾斜を読むための方法)を数ヶ月前から採用し、正しくラインを読めるようになったことでカップインの確率も高まった。

「前は自分の目だけで見て読んでいたけど、あまりライン読みは上手くはなかったんだ。ストローク自体はいいから、もしラインが正しければバーディを取るチャンスもたくさんあったと思うが、実際はうまく入らなかったんだよ。エイムポイントをヒューストンオープンから始めたけど、ボールがどこに転がるか、またどこでグリーンの目が切れるのかなどがわかるようになったよ」

「ゲームのすべての部分において、よくなっている」と語るホブラン。来年早々にはカパルア・プランテーションで開催の、優勝者だけが参加できる「セントリー・トーナメント・オブ・チャンピオンズ」が、4ヶ月後にはプロ入り後初の「マスターズ」が控えており、このまま好調が持続すればおもしろい展開になるだろう。狭くてソフトなグリーンのコースが好きだ、という彼は、ショットの精度の高いゴルフを身上としているが、同世代のコリン・モリカワのように難易度の高いコースセッティングで開催されるメジャー初優勝も夢ではない。

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