今シーズン公式戦2勝を挙げ大きく飛躍した原英莉花。ショット力、ショートゲームに勝負強さまで身につけ成長した。全米女子オープンに挑む原英莉花のスウィングにプロゴルファー中村修が注目した。

最終日の平均ストローク2位

今シーズンの原選手は開幕戦の「アース・モンダミンカップ」を首位と2打差の5位タイで終えますが次戦の「NEC軽井沢トーナメント」、「ニトリレディス」と2戦連続で予選落ちします。オフの間に積んだ最終日まで戦い抜ける体力をつけるためのトレーニングによって体のキレが増し、本来はドローの持ち球がフェードになって苦しんだと「日本女子オープン」優勝後の会見で話しました。

その後持ち前のドローボールが復活し小祝さくら選手との激闘の末「日本女子オープン」を制しました。パッティングのストロークを見直したこと、アイアンをやさしく距離の出るモデルに変えたことなど様々な改善がつながった勝利となりました。

画像: 日本女子オープン、LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップと2つの公式戦で勝利し賞金ランク3位で2020シーズンを終え全米女子オープンに挑む原英莉花(写真は2020年のLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 写真/岡沢裕行)

日本女子オープン、LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップと2つの公式戦で勝利し賞金ランク3位で2020シーズンを終え全米女子オープンに挑む原英莉花(写真は2020年のLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 写真/岡沢裕行)

その後、最終戦の「LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」で初日から首位を譲らない完全優勝を果たしたところを見ても、初優勝を挙げた昨年からさらに一皮むけ強い選手になった印象づけました。ショット、アプローチ、パットすべてに弱いところがなく、そこに勝負強さまで手にしたという印象。

スタッツを見てみると決勝ラウンドの平均スコア、最終ラウンドの平均スコアともに2位と勝負強いゴルフを身につけたことが確認できます。飛距離をアドバンテージに攻めるゴルフを信条とするスウィングを見てみましょう。

まずアドレスを見ると、手足が長い173センチの長身を生かした大きな構えです。ボールの位置はやや左。頭の位置はクラブヘッドよりもやや右にあり、始動で右サイドに重心を移動することから右に軸を取るタイプのスウィングだということが見て取れます。

画像: 画像A:身長の高さを生かした高く大きな構えでボール位置は左寄り頭はヘッドよりもやや右に置く(左)、右に重心を移動しながら始動する(右)(写真は2020年のLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 写真/岡沢裕行)

画像A:身長の高さを生かした高く大きな構えでボール位置は左寄り頭はヘッドよりもやや右に置く(左)、右に重心を移動しながら始動する(右)(写真は2020年のLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 写真/岡沢裕行)

トップでは右ひざの上にくるくらい頭の位置が移動しますが(画像B左)、切り返し以降はその位置にキープされていて、左への移動も最小限です。右に軸を取りながらその軸をキープしてスウィングしていることが見て取れます(画像B右)。フェースの向きはトップで空を向くシャットフェース気味。早い段階でクラブを閉じて、そのままインパクトに向けて下ろしてきています。

画像: 画像B:トップで頭の位置は右ひざの上に位置し(左)、その位置をキープしたまま切り返す(右)(写真は2020年のLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 写真/岡沢裕行)

画像B:トップで頭の位置は右ひざの上に位置し(左)、その位置をキープしたまま切り返す(右)(写真は2020年のLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 写真/岡沢裕行)

インパクトでも頭の位置は左に突っ込むことなくビハインド・ザ・ボールを守っています(画像C左)。そして大きくて長い伸びやかなフォローへと振り抜いています。頭の位置が低くなるくらい前傾角もしっかりキープされていてほれぼれする大きなフォローです(画像C右)。インパクトで右手を押し込んだあとフォローではしっかりと右手が左手の上になっていますが、この右手の使い方のヒントをニトリレディスの写真から見つけましたので紹介します。

画像: 頭を右に残しビハインド・ザ・ボールを守り(左)、大きく伸びやかなフォローに振り抜く(右)(写真は2020年のLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 写真/岡沢裕行)

頭を右に残しビハインド・ザ・ボールを守り(左)、大きく伸びやかなフォローに振り抜く(右)(写真は2020年のLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 写真/岡沢裕行)

ニトリレディスではゴルフ専門メディアはコロナの影響により入場制限があり各社のカメラマンではなく代表撮影で写真を共有していました。そのときに原選手がボールを投げるポーズをしていました。右手の使い方を見てみるとボールを投げた後手のひらが外側を向くように右腕が内側にねじられていることが見て取れます(画像D)。グリップの握り方にもよりますが、この右手の使い方がしっかりとボールをつかまえ、インパクトゾーンの長い伸びやかなフォローにつながる使い方になっています。

画像: (画像D)ボールを投げるときの右手の使い方がボールをつかまえインパクトゾーンを長くする(写真は2020年のニトリレディス 写真/代表撮影上山敬太)

(画像D)ボールを投げるときの右手の使い方がボールをつかまえインパクトゾーンを長くする(写真は2020年のニトリレディス 写真/代表撮影上山敬太)

全米女子オープンはテキサス州のチャンピオンズGCのサイプレスクリークコースとジャックラビットコースを使って予選ラウンドが行われます。シビアなピン位置が予想されますが、難しいセッティングでもスコアを作ってくるのが欧米ツアーの選手たちです。日本を代表する選手に成長した原英莉花選手がどんなプレーを見せてくれるのか非常に楽しみな週末になりそうです。

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