2019年のプロテスト合格者が出場する「JLPGA新人戦 加賀電子カップ」が12月10日から2日間の日程で開催されている。寒空の中奮闘する14名の新人たちの戦いの模様をプロゴルファー・中村修がレポート。

首位は3アンダーの山下美夢有

2019年のプロテスト合格者が出場する新人戦ですが、昨年は制度改正のため開催されずに、2020年12月の開催となりました。会場となるグレートアイランドGCの気温は9.5度で雨がぱらつくコンディションの初日となりました。

海外からのプロテスト通過者や全米女子オープンに出場する選手は欠席のため出場したのは14名です。前日のインタビューでは、どの選手もいい成績を残し来年につなげたいというコメントが聞かれましたが、初日を首位で終えたのは2001年8月生まれの山下美夢有選手(3アンダー)。1打差の2位は同じく2001年10月生まれの西郷真央選手、2打差の3位はセキ・ユウティン選手と続きます。

画像: 「JLPGA新人戦加賀電子カップ」の初日を3アンダーで首位の山下美夢有、1打差2位の西郷真央、2打差3位のセキ・ユウティン(左から)(写真/JLPGA)

「JLPGA新人戦加賀電子カップ」の初日を3アンダーで首位の山下美夢有、1打差2位の西郷真央、2打差3位のセキ・ユウティン(左から)(写真/JLPGA)

山下美夢有選手は出場選手中唯一のノーボギーで安定感抜群の内容でした。とくに目を引いたのは197ヤードと距離のある17番パー3のティショット。5Wを持って距離をコントロールしながら1ピン少しの距離に乗せ、続く18番でもセカンドショットをコントロールショットでピン手前にナイスオンさせていました。

今季はレギュラーツアーに13試合出場し賞金ランク53位と奮闘する中で、コントロールショットの重要性を感じ、練習していると会見で話してくれました。しっかりと自分のモノにしている印象でしたのでポイントを聞いてみるとこんな答えが返ってきました。

「コントロールしようとするとゆるみやすくなるから、コンパクトなバックスウィングとコンパクトなフィニッシュをしっかり取るようにしています」(山下)

ゆるまずコンパクトに打つコントロールショットで、明日の優勝に期待がかかります。

2位の西郷真央選手は今季初戦で5位タイ、2戦目でも5位と上々過ぎる滑り出しをしましたが後半には予選落ちも続くなど短かかったシーズンでも好不調がありました。ツアーが終わってから師事する尾崎将司さんの私邸、通称「ジャンボ邸」に行き今シーズンの報告すると「ボロボロになっとるやないか」と厳しい言葉を受けながらもシーズン開幕当初はできていた切り返しからの下半身の使い方を教えてもらったとラウンド後の会見で話してくれました。

そして3位のセキ・ユウティン選手は飛距離が少し落ちてきていたので上半身、腕を大きく使うように調整してきたといいます。寒がりで寒さは苦手としながらもしっかりスコアを作ってきています。

3名ともQTランク上位の資格で2020-2021年ツアーを戦う選手たちです。山下美夢有選手は13試合(賞金ランク53位)、西郷真央選手は14試合(賞金ランク33位)、セキ・ユウティン選手も12試合(賞金ランク50位)とレギュラーツアーに出場し賞金ランクを見ればしっかりと結果を残しています。

4位以降には田中瑞希、安田祐香、宮田成華といったツアーでも馴染みのある選手が控えています。既にテスト通過した翌年から活躍し全米女子オープンにまで出場する選手もいますが、今大会の上位選手も来年以降ツアーを盛り上げる存在になることは間違いないと思います。

明日の最終日、生涯で一回しか出場できない新人戦を制するのは誰になるのでしょうか。楽しみです。

This article is a sponsored article by
''.