異例の12月開催となった全米女子オープン。20年のゴルフ界を締めくくる今年最後のメジャーで渋野日向子が輝いた。首位に1打差の2位タイの好スタート。しぶこが見せた心からの笑顔、久々だなぁ。

19人出場している日本勢のなかでトップに立ったのはこの日サイプレスクリーク(以下CC)で3アンダー68をマークした渋野。今大会は日照時間の問題もあり予選ラウンドはCCとジャックラビット、2つのコースで行われているが、メイン会場つまり難しいほうのCCで納得のプレーを見せた渋野はラウンド後達成感を滲ませた。

画像: 海外メジャー「全米女子オープン」初日をトータル3アンダーで回り、現在2位タイの渋野日向子(写真はGetty Images)

海外メジャー「全米女子オープン」初日をトータル3アンダーで回り、現在2位タイの渋野日向子(写真はGetty Images)

「久しぶりに最後までのびのびできたな、と思います。思った通りに打てたショットが何回もあったので、そこは収穫だな、と」と声を弾ませた。

スタートホールの10番ではティショットが「思ったより右に飛んで」バンカー。「バンカー練習してないなと思ったけれど、1番いい上りのラインに乗ってくれた」とツキもあり、それ以降は落ち着いてプレーできた。

もっともセッティングが難しいといわれる全米女子オープンだけにフェアウェイは狭くスコアメイクに苦しむ選手も多かったが、渋野がフェアウェイを外したのは2ホールだけ。「ロングアイアンを持ってもユーティリティを持っても振れていた」と持ち味のショット力を存分に発揮した。

「攻めているつもりはなかったけれど、行ってみると思ったよりいいラインについていた。微妙なパットも入ってくれたし、ラインの読みも距離感も良かった。大きなミスはなかったですね」とほぼ満点のゴルフに「よくこんなスコア出せたな」と本音もチラリ。

昨年日本勢として42年ぶりに全英女子オープンでメジャータイトルを獲得しスマイリングシンデレラと呼ばれ脚光を浴びた。そのときはまさに無欲の勝利。海外初チャレンジで予選を通ればいいと思っていたら勝ってしまったのだが、今回は立場がまったく違う。

メジャーに勝ってからは良くも悪くもゴルフニュースのトップは渋野。常に注目され好奇の目に晒され辟易としたこともあっただろう。スウィング改造に着手し試行錯誤を繰り返した年でもあった。

だが彼女は全米女子の舞台で本来の持ち味であるややフラットな軌道でグリップの位置を低く保ちながら、フィニッシュまで伸び上がらない本来のスウィングを取り戻したように見える。それが彼女にとっては「気持ちよかった」のかもしれない。

好発進とはいえまだ初日。残り3日何が起きるかわからない。だが本人はその辺もしっかりとわかっている。

「明日は悪天候(の予報)なのでどうなるかわからない。明日(落とすかもしれない)の分、3つ稼げたので耐えていきたいです」と笑顔を見せた。自分のプレーをすれば結果は自ずとついてくる。渋野の笑顔にはそんな達観した思いが表れているような気がする。

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