全米女子オープンは最終日が延期となり、決着は明日(渋野は日本時間14日午後11時25分ティオフ)に持ち越しとなった。日本人として初めてのメジャー2勝目へ。偉業に向かう渋野日向子の3日間のプレーぶりを、他の上位選手と比較してみた。

まずは、渋野のここまでの主要スタッツを見ていこう。以下だ。

フェアウェイキープ率:76.1%(32/42)
平均飛距離:242.00ヤード
平均パット数:30
パーオン率:74.0%(40/54)
サンドセーブ率:50%(3/6)

画像: 全米女子オープンで単独首位に立っている渋野日向子(USGA/Simon Bruty)

全米女子オープンで単独首位に立っている渋野日向子(USGA/Simon Bruty)

一見どの数字も悪くない、あるいは良いように見えるが、ポイントは、この数字は「どの程度いいのか」だろう。そこで、現在渋野を追う3人の選手、すなわち1打差2位タイのエイミー・オルソン、そして3打差3位タイのキム・ジヨン、モリヤ・ジュタヌガーンと比較してみることとした。

画像: 1打差2位タイのエイミー・オルソン(写真左、USGA/Chris Keane)、3打差3位タイのキム・ジヨン(写真中、USGA/Chris Keane)と、モリヤ・ジュタヌガーン(写真右、USGA/Jeff Haynes)

1打差2位タイのエイミー・オルソン(写真左、USGA/Chris Keane)、3打差3位タイのキム・ジヨン(写真中、USGA/Chris Keane)と、モリヤ・ジュタヌガーン(写真右、USGA/Jeff Haynes)

それが以下。ちなみに、各項目名の横の数字は渋野日向子の数字だ。

【フェアウェイキープ率】76.1%
エイミー・オルソン:57.1%
モリヤ・ジュタヌガン:69.0%
キム・ジヨン:64.2%

【平均飛距離】242.0ヤード
エイミー・オルソン:256.0ヤード
モリヤ・ジュタヌガン:232.0ヤード
キム・ジヨン:258.0ヤード

【平均パット数】30
エイミー・オルソン:28
モリヤ・ジュタヌガン:29
キム・ジヨン:27

【パーオン率】74.0%
エイミー・オルソン:70.3%
モリヤ・ジュタヌガン:66.6%
キム・ジヨン:59.2%

【サンドセーブ率】50%
エイミー・オルソン:50%
モリヤ・ジュタヌガン:75%
キム・ジヨン:100%

こうして見てみると、際立つのが渋野のドライバーの安定感だ。オルソン、キムに比べると15ヤードほど飛んでいないが、その分フェアウェイキープ率は74%と非常に高い。

3日目はフェアウェイにランディングしたボールがランが出ず、ボールに泥がつく様子も見られたが、最終日にフェアウェイキープしたボールがしっかりランも稼げて泥もつかないとなると、渋野のドライバーの安定感が活かせるかもしれない。

そして、素晴らしいのがティショットの安定感をパーオン率の高さにつなげているセカンドショットの安定感。3日目こそ61.1%とやや低いが、トータル74.0%はフィールド全体の2位。ショットはキレている。

一方で、平均パット数は4人のなかで唯一30という数字になっている。パーオン率が高いため致し方ない部分もあり、初日は30パットで「68」という素晴らしいスコアを出しているが、3日目は32という数字になっていて、やや多い。3日目にややタッチが合ってないように見られたパッティングを、順延により修正することができれば、渋野の優勝への“最後のピース“がハマるということになるかもしれない。

最後に、上位4選手のボギーより悪いスコアの数を数えてみよう。

渋野:7個(7ボギー)
オルセン:8個(7ボギー、1ダブルボギー)
キム・ジヨン2:7個(5ボギー、2ダブルボギー)
モリヤ・ジュタヌガン6個(4ボギー、2ダブルボギー)

見ての通り、唯一ダボを叩いていないのが渋野。ティショットが安定していることにより、悪くてもボギーという安定したプレーができている。

ドライバー、セカンド、アプローチ、バンカーショット、パター……全米女子オープンで重要でないショットはひとつもなく、選手には総合力と耐え抜くメンタルが求められるが、データ上からは渋野に欠けたものは見つからない。なにより、彼女がリーダーボードの一番上にいるのがその最大の証拠。運ではなく、実力でその位置に渋野日向子は立っている。

世界の頂点に再び立つ。その準備はできている。

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