タイガー・ウッズが息子のチャーリーくんとタッグを組んで出場したことが大きな話題となった非公式試合「PNC選手権」を制したのは、ジャスティン・トーマスとその父。レジェンドたちとその家族が集まった試合を制したトーマス親子と、タイガー親子の接点とは!?

1995年以来、「ファーザー&サン・チャレンジ」として毎年この時期に実施され、現在は「PNC選手権」と名前を変えて開催されているPGAツアーの非公式試合。今年はジャスティン・トーマスと父のマイク・トーマス組が初出場で初優勝を遂げた。

通常、プロが父親で、娘や息子とペアを組んで出場するのが主流だが、今回は父と息子(プロ)が組んで出場し、優勝した初めてのペアとなった。優勝賞金は2000万円。初出場で初優勝は、レイモンド・フロイド(1995年)、スチュワート・シンク(2013年)、アンヘル・カブレラ(2017年)に続き、4組目となる。

画像: PNC選手権でが初出場、初優勝したジャスティン・トーマス(右)と父のマイク・トーマス(左)(写真はGetty Images)

PNC選手権でが初出場、初優勝したジャスティン・トーマス(右)と父のマイク・トーマス(左)(写真はGetty Images)

「今回は人生のなかでも重要なハイライトであり、今年の変な1年の中でもっともノーマルなひと時だった。本当に楽しかったね。父が今日はすばらしいプレーをして、たくさんパットも決めてくれたので、僕もやりやすかったよ」(ジャスティン・トーマス)

「世界ランク3位がパートナーだったから、よかったよ。僕たちのコンビは本当に最高だったと思う」(マイク・トーマス)

父マイクは、全米ゴルフ協会(PGA)に属するケンタッキー出身のティーチングプロであり、ジャスティンにとっては人生で唯一のコーチ。今でもトーナメント会場に同行し、息子のスウィングチェックをこまめに行っている。

マイクの父(つまりジャスティンの祖父)もまたPGAのティーチングプロであり、かつて全米オープンなどにも出場。アーノルド・パーマーやベン・ホーガン、サム・スニードらと同じフィールドで戦ったこともあった。レジェンドたちとの戦いの話をジャスティンは祖父から何度も聞いたというが、彼は「祖父から何度同じ話を聞いても、遮ったことは1度もないよ。祖父の話は全部ボイスメールに残しているんだ」という。

ジャスティンはそんなゴルフ一家に生まれ育ったサラブレッド。彼のゴルフの才能は、このように父からの家系から受け継がれている。

幼少の頃から父にスウィングの基礎を叩き込まれ、父が働くハーモニーランディングCCに連れて行ってもらっては、メンバーたちの理解や協力もあって思い存分練習に明け暮れた。祖父や父からは常に「ドライバーやアイアンショットよりも、ショートゲームを磨きなさい」と言われ、実際、祖父も父もショートゲームが得意だという。ジャスティンの常に上位に顔を出す手堅いプレーは、父と祖父の教えの賜物だと言えるだろう。

さて、試合のほうは、他のチームが皆、アマチュア(ジュニア)とのペアリングなので、父もプロというトーマス親子が優勝するのは当然の結果と言えるが、それでもビジェイ・シン&カス・シンのチームに1打差まで追い込まれ辛勝だった。

2日間競技のうち、初日はタイガー・ウッズ&チャーリー・ウッズ組とのラウンド。11歳のチャーリーが、公の場で父と一緒にプレーするということで、今大会一の注目を集めていたが、タイガーファミリーとJTファミリーは、フロリダの自宅が近いということもあり、親しいゴルフ仲間でもある。普段から「メダリスト」(タイガーの所有するコース)で一緒にプレーすることも多いため、チャーリーにとっては回りやすいプレーイングパートナーだったと言えるだろう。

父マイクは土曜日の午後、パッティンググリーンでチャーリーと1ドルをかけてパッティング合戦を行い、チャーリーに負けたそうだ。マイクがフロリダにいる時は、ジュニアゴルファーたちの指導も行っており、その生徒の中にチャーリーもいる。天才タイガーのセンスと才能を受け継ぎながら、ジャスティン・トーマスが叩き込まれてきたショートゲームの技術を身につけているチャーリー。TVやSNSで披露された彼のショット、パットは11歳のものとは思えないと評判だったが、ひょっとして、父の偉大な記録を更新していくのは、愛息子なのかも!?

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