気に入っているアイアンでも、使っているうちにある日突然上手く打てなくなることがある。そんな症状が出たゴルフ女子S子がマイアイアンを工房に持ち込んでみると……なんとそもそもスペックがまったく合っていなかった!? 衝撃の一部始終をレポート。

こんにちは、ゴルフ記者・S子です。

いきなりですが、みなさんはクラブのフィッティングをされたことありますか? 通常、フィッティングっていうとクラブを買うときに受けるというイメージがありますが、最近では使っているクラブが自分に合っているかどうかを診断する意味でも、定期的にフィッティングを受けるべき、という意見もあるみたい。

そこで、最近どうも調子が悪いアイアンが自分に合っているのか、改めて工房で診断してもらうことにしましした!

ちなみにS子が今使用しているアイアンは某中古ショップで購入したもので、ヘッドはミズノのJPX DCフォージド、シャフトはMCI50(R)にリシャフトされていたもので、6番からPWの5本をバッグに入れています。買うときにフィッティングを受けたわけではないのでバッチリ自分に合ってるかどうかはわかりませんが、気に入ってかれこれ1年ほど使用しています。

今回S子のフィッティングをしてくれたのは千葉県の練習場「リトルグリーンヴァレー船橋」内にある工房「ユニバーサルゴルフ船橋」のクラブフィッター・菅野崇(かんの・たかし)さん。菅野さん、よろしくお願いします!

「まずアイアンの流れを見ていきましょう。まずは、簡単な見分け法のひとつとしてグリップエンドを合わせてピッチングから6番アイアンまで並べたとき、シャフトのロゴが同じ位置にくるかどうかをチェックします。これがキチンと並んでいるのが理想ですが、見てわかるようにS子さんのアイアンはロゴの位置が均一に並んでいません。使いづらいなと感じる番手がありませんか?」

画像: クラブを並べてみるとシャフトのロゴの位置がバラバラ……。これが番手によって振り心地が変わってしまう理由のひとつなのだとか

クラブを並べてみるとシャフトのロゴの位置がバラバラ……。これが番手によって振り心地が変わってしまう理由のひとつなのだとか

むむ、たしかにあります! とくに8番アイアンは振りづらいなと思うことがあったけど、腕の問題かと思っていました(もちろん腕の問題もあると思うけど)! さらに「クラブ間の重量差もバラバラです」と菅野さん。

「ピッチングから重量を測ってみると、PW392グラム、9番386グラム、8番377グラム、7番370グラム、6番が364グラムで、クラブ間の重量差は6グラム、9グラム、7グラム、6グラムと、9番アイアンと8番アイアンのクラブ間の重量差だけが大きいですよね。クラブ間の適正重量差はゴルファーによって違いますが、一番大事なのはクラブ間の重量差が均一であること。だけどS子さんのアイアンの場合そうなっていないので、距離が安定しない、ミート率が低いという状況になりやすいかもしれません」

画像: バランスを確認しつつ、何度も調整してくれた菅野さん

バランスを確認しつつ、何度も調整してくれた菅野さん

な、なるほど! ここまではS子のアイアンの流れを数値的に見てもらいましたが、全然いいところがない(泣)。これはもちろんクラブが悪いということではなく、前のオーナーが自分でリシャフトをした可能性などが考えられるようです。キチンとした工房で組みつけをしていれば、このようなことは起きないですよね。

そのあとも、バランスが「C2.5」と極端に軽いことでヘッドが効いておらず、せっかくのRシャフトのなのにSシャフトなみに硬い状態で使っていることも判明……。

S子控えめに言ってかなりショックです。もちろんミスは多かったし、距離も安定しているかと言われたら全然そんなことないけど、練習すればなんとかなる! と思っていました。でもS近くの硬さがあるなんて……打てるわけがないですよね~(トホホ)。

でもヘッドもシャフトも気に入っていて、予算的にもクラブを買い替えるのは避けたい(無理)……。菅野さん、どうしたらいいのでしょうか?

「ヘッドに仕事をさせてあげられるようにしたいですね。グリップを軽くしてヘッドを効かせましょう。グリップを軽くした分、総重量をそこまで重くせずに、ヘッドに鉛を貼ってあげれば、さらにバランスを効かせることができますし、そうするとシャフトのしなりも感じられると思います」

なるほど~! でもグリップと鉛だけでそこまで変化するのでしょうか?「9番アイアンだけ調整して試してみましょうか」と菅野さん。

「今差さっていたグリップは45グラムでしたので、10グラム軽い35グラムのグリップを使います。これだけでも先ほどよりヘッドが効いている状態ですが、さらにヘッドに鉛を8グラムほど足して、重さを感じて振れるように調整します」

そうして菅野さんが調整してくれた9番アイアンはバランスがC2.5からC7に! 女性向けのアイアンはC2くらい、男性のアイアンはD0くらいが一般的なようですが、S子はレディースだと物足りず、男性用だとハード。ちょうどその中間にしてくれた、っていう感じです。

画像: グリップを軽くした分、鉛を貼って調整した結果、ヘッドの重みもしなりも感じられるようになりました!

グリップを軽くした分、鉛を貼って調整した結果、ヘッドの重みもしなりも感じられるようになりました!

実際に打ってみるとその変化は明らか。スウィング中にヘッドがどこにあるのかが分かるようになったんです! しかもトップではシャフトのしなりを感じることができ、インパクトでヘッドが戻ってくるから打っていて気持ちがいいですし、今まではトップのミスが多かったけどそれも少なくなった気がします。早速ラウンドで試してみましたが、距離のバラツキが少なくて、アイアン本来の役割をしてくれたという印象でした!

クラブを替えたわけでも、リシャフトしたわけでもないのに、ここまで変化するなんて! ていうか、せっかくのヘッドの性能もシャフトの性能も引き出せていなかったことがショック……申し訳ない……。

というわけで、アマチュアも「調子悪いな〜」と思ったらクラブのお医者さんに見てもらうべきなんだなと再確認しました! 次はクラブ全体のフィッティングをしてもらおう! と心に決めたS子なのでした。

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