昨年アマチュア世界ランキング1位に輝きツアーでも活躍したアマチュアの中島啓太。そのインパクトの形は、世界NO.1プレーヤーであるダスティン・ジョンソンにそっくり! 一体なぜ?

2020年は男子ツアーの三井住友VISA太平洋マスターズで3位、ダンロップフェニックスで8位タイと、プロの試合でも連続で上位につけるなど、着実に力をつけてきている2000年生まれで現在日本体育大学2年の中島啓太。現在世界アマチュアランク1位に君臨する、新たなスター候補だ。

その中島のインパクトと、ダスティン・ジョンソンのインパクトを並べてみると面白い。見た目にそっくりなのだ。中島啓太のコーチを務める岩本肇は言う。

画像: ダスティン・ジョンソン(左)と中島啓太(右)のインパクト画像は驚くほどよく似ている(写真/姉崎正)

ダスティン・ジョンソン(左)と中島啓太(右)のインパクト画像は驚くほどよく似ている(写真/姉崎正)

「ブライソン・デシャンボーもそうですが、小手先を使わない“体打ち”のインパクトです。飛距離を出すというよりも、ボールをコントロールするためのスウィングですね。日本人では少ないインパクトだと思います」(岩本)

ゴルフ歴が長い人の中には、このような体が開き、右肩が下がった形を「やってはいけない動き」と習った人もいるのではないだろうか。それが今では世界のプロとアマの1位選手両方が取り入れているのだから面白い。プロゴルファー・中村修は言う。

「私がゴルフを習った30年前は、下半身は先行するものの上半身は開かず、体の正面で腕を振ってフェースを返して打つというスウィングが主流で、このような体を開いて打つ打ち方は、ドラコン選手やジョン・デーリーのような飛ばし屋だけのものでした」(中村)

中村によれば、この打ち方は「簡単にいうと野球のバットスウィングでティアップしたボールをフルスウィングする感覚」だという。野球のボールを木製バットでスタンドまで運ぶための、ホームランバッターのイメージだ。

「ただ、その動きをゴルフでやると、普通はインパクトでフェースが開いて当たります。そこで、ストロンググリップで握ったり左手首を手のひら側に折る掌屈を入れてフェースがスクェアに当たるように工夫しているのが現代の選手たちの特徴ですね」(中村)

このようなスウィングになる背景には、やはり道具の進化がある。ドライバーのヘッドが大型化し、重心距離が長くなり、スウィング中のフェースの開閉がしにくくなる中で、飛距離とコントロールを求めた結果、主流となっていったスウィングというわけだ。

そして、中島啓太だけでなく同じくアマチュアながら昨年ツアーで活躍した河本力(日本体育大3年)や杉原大河(東北福祉大3年)ら多くの選手が同じインパクトで飛ばしているという。

画像: 300ヤードを越える飛距離を優に叩き出す河本力(左)と杉原大河(右)(写真は2020年の日本オープン 写真/姉崎正)

300ヤードを越える飛距離を優に叩き出す河本力(左)と杉原大河(右)(写真は2020年の日本オープン 写真/姉崎正)

「世界レベルのゴルフを目指す中でこのインパクトにたどり着いたのだと思います。フェースさえ開かなければばこの振り方が一番力が力が加えられますから」(中村)

まるでホームランバッターのようなスウィングで飛距離を出せる選手が国内ツアーを席巻する日は近いと中村。日本の男子ゴルフ界にも、新たな波が押し寄せようとしているのかもしれない。

(2021年2月3日 13:39 訂正し写真を差し替えました)

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