ドライバーのヘッドが大型化し、ルールの上限である460CCがスタンダードになって久しい。大型化したことでメリットを受けるゴルファーがいる一方で、ヘッドを返しにくい、振りにくいと感じるゴルファーもいる。この問題……一体どうすればいい?

ドライバーのヘッドサイズを大きくすることでヘッドの慣性モーメントの値も大きくなり、多少芯を外してもボールは曲がらなくなった。曲がらないヘッドを背景に、鍛えた肉体を駆使してハードにヒットして遠くに飛ばすのが世界のトップのスタンダード。

……なのだが、大型化することでヘッドの操作性の目安となる重心距離の数値は大きくなり、アマチュアゴルファーのなかには前よりボールがつかまりにくくなったと感じる人がいるのもまた事実だ。

そのためメーカーは、スウィング中のヘッドの返りやすさの目安となる重心角が大きくなるように設計することで、大型化にともなうつかまりにくさを解消している。同じ大型ヘッドでも、「つかまる大型ヘッド」と「つかまらない大型ヘッド」があるわけだ。

東京・二子玉川にあるフィッティングスタジオ「ゴルファーズメディアラボ」の店長、佐野好太氏は計測した「重心距離」と「重心角」のデータから、人気ドライバーをマッピングしている。

図1は佐野氏が作成した、重心距離の長さを縦軸、重心角を横軸にしたマップ。重心距離が短く重心角も大きいモデルはヘッドが返りやすく、重心距離が長く重心角も小さいモデルはヘッドが返りにくいことを表している。

画像: 図1:佐野店長作成のドライバーの重心角と重心距離の相関図

図1:佐野店長作成のドライバーの重心角と重心距離の相関図

図には、2005年、2010年、2015年のドライバーの平均値も記載されている。それを見ると、ドライバーの重心距離が年々長くなっているものの、重心角は大きくなっているという。佐野氏は言う。

「ドライバーにおいてやさしさとは、球の上がりやすさ、芯を外した際の飛距離の落ち込みや曲がりの少なさといったこと。それを追求すると、慣性モーメントを大きくする方向になります。しかしそうすると重心距離の数値は大きくなり、ヘッドが返りにくく、つかまりが悪くなる弊害もありました。そこでヒール寄りにウェートを配置して重心角を大きくし、ヘッドを返しやすくするドローバイアスを採用するヘッドが増えてきているんです」(佐野店長)

最近はヘッドの構造的な進化が進み、異素材を組みわせることでより自由な重心設計を行えるようにドライバーは進化している。そのため、同じ460CCヘッド、同じプロ使用モデルであっても、その味付けはかなり違うということがある。

メーカーがひとつのヘッドに2タイプ、3タイプと違うモデルを用意するのも、フェースの返しやすさと密接に関わっている。その結果自分のスウィングのタイプに合わせたモデル選びやすくなったとも言えるが、同時に合わないクラブは徹底的に合わない、ということにもなりかねない。

最新クラブの選び方は自分のスウィングとつかまりの度合いを合わせること、ぜひ、頭の片隅にいれておこう。

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