スライスに悩むゴルファーもいれば、フックに悩むゴルファーもいて、その原因は千差万別。そんなゴルファーの悩みに対し、気鋭のプロコーチ・目澤秀憲は「まずはアドレスからチェックしていきましょう」と言う。目澤に聞く「新しい時代のゴルフの基本」、第13回は「スライサーのためのアドレス講座」だ。

アドレスの姿勢を見直そう

スライスの原因は、ターゲットに対してクラブの軌道がアウトサイドインのカット軌道であること。それにプラスして軌道に対してフェースが大きく開いていること。結果、ボールの回転軸が右に傾き、ボールは大きく右に曲がり、飛距離も出ない。

頑固なスライスに悩むゴルファーは、「まずアドレスの姿勢を見直してほしい」と目澤は言う。

「アドレスでの体の向きや体の傾きは、クラブの軌道に大きく影響を与えますから、まずはそこをチェックしましょう。まずチェックしてもらいたいのは肩のライン。というのも、ゴルフのグリップは左手よりも下に右手を握るので、右腕が左腕よりも上になることで右肩が前に出やすく、肩のラインが左を向きやすいからです」(目澤)

その状態からテークバックすると、画像Aのようにトップでは体が左に傾きやすくなり、ダウンでは頭がボールより左に突っ込んでしまうような、極端なカット軌道でインパクトを迎えてしまいやすくなってしまうと目澤は言う。

画像: 画像A 左右の肩のラインが平行で右肩、右腕が前に出た状態(左)から始動するとトップでは左肩が下がり、体の軸が左に傾いてしまう(中)、その結果インパクトでは頭は左に突っ込み、アウトサイドインのカット軌道になってしまう(右)

画像A 左右の肩のラインが平行で右肩、右腕が前に出た状態(左)から始動するとトップでは左肩が下がり、体の軸が左に傾いてしまう(中)、その結果インパクトでは頭は左に突っ込み、アウトサイドインのカット軌道になってしまう(右)

ではどうすればいいのか。チェックすべきは、正面から見た場合の両方の「高さ」だ。

「右手が下になるわけですから、右肩が左肩よりも少し下がっていることが自然な構えです。こうすることで右肩は前に出ることもなくなりますし、上半身と下半身の向きも揃います。正しい姿勢から始動することが、スライスを防ぐ第一歩なんです」(目澤)

画像Aの、右肩が前に出たアドレスは右肩と左肩の高さに差がない。一方、画像Bの正しいアドレスでは右肩が左肩に対して下がっているのがわかる。右手が下にくる分だけ、右肩は下がった状態で構えるのが正解なのだ。

画像: 画像B 正しいアドレスは右肩は左肩よりやや下がる(左)、体の軸は傾かずにバランスの取れたトップ(中)からボールよりも頭は右に

画像B 正しいアドレスは右肩は左肩よりやや下がる(左)、体の軸は傾かずにバランスの取れたトップ(中)からボールよりも頭は右に

アウトサイドインのクラブ軌道を改善しようとするなら、アドレスから見直してみることが重要。まずは両肩の「高さ」から、チェックしてみよう。

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