ブライソン・デシャンボーが破壊的プレーで憧れのアーノルド・パーマーの冠トーナメント=アーノルド・パーマー招待でシーズン2勝目を飾った。大男が感極まって瞳を潤ませるなかここ4年優勝から遠ざかっているジョーダン・スピースは完全復活間近のようだ。

「朝思ったんだ。10番までパープレーでいって11番、12番のティショットがフェアウェイなら勝てるんじゃないか、ってね」。フロント9が2バーディ、2ボギーのイーブンパー。10番もパーをセーブし11番&12番は本人の目論見通りフェアウェイキープに成功。そこまではシナリオ通りだった。

「でも上がり4ホールで5、5、4、5(3ボギー)。そこが誤算。でも今日は1日中すごく良いゴルフができた。2月の上位争いのときよりずっと調子も内容も良い。ただグリーン上で思い通りのパットを打ったのにカップの左に蹴られ右に蹴られ……。外れそうと思ったパットが入ってこれは入る、
と思ったパットが入らなかった。なんだか変な感じだった」(スピース)

1月のファーマーズインシュランスオープンで予選落ちに終わった時点で世界ランクは92位。翌週のウェイストマネジメントフェニックスオープンで予選落ちならトップ100陥落の危機だった。

画像: 今大会4位タイフィニッシュしたジョーダン・スピース(写真は2020年のファーマーズインシュランスオープン 撮影/姉崎正)

今大会4位タイフィニッシュしたジョーダン・スピース(写真は2020年のファーマーズインシュランスオープン 撮影/姉崎正)

しかしフェニックスオープンで3日目終了時点でトップタイ。2017年の全英オープン以来となるツアー通算12勝目に期待がかかった。しかしブルックス・ケプカに逆転を許し4位タイ。それでも「自分が正しい方向に進んでいるのを実感した」と手応えを口にした。

続くAT&Tペブルビーチプロアマでも優勝争い。54ホールを終え単独トップ。だがここでも最終日に同じ年のダニエル・バーパーに勝利をさらわれ4位タイと勝てなかったが世界ランク62位まで盛り返していた。

初参戦となったアーノルド・パーマー招待。最終日は首位に2打差の4位タイからスタート。難コンディションに各選手がスコアメイクに苦しむなか少しでも伸ばせば4年ぶりの優勝に手が届くはず……だった。

「ショットが切れていて思い通りのラインに飛んでくれた。パットがもう少し決まっていれば75なんてスコアにはならなかったんだけどね。でも今日みたいなゴルフができれば本当に近い将来素晴らしいことが待っていそうな気がする」

肝心な終盤4ホールで3つスコアを落とし今回も4位タイと優勝をたぐり寄せることはできなかった。だが確実にその瞬間は近づいている。

「ダメかと思ったときに奇跡を起こす。それがジョーダン(・スピース)という男。これからもっともっと勝つはずだよ」と朋友バーガーはいう。このままコンスタントに上位争いを続けていけばきっと当たり前のようにスピースが勝つシーンが見られるはずだ。

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