近年はドライバーの飛距離性能の進化が著しいが、「やはり飛びを重視するぶん、他のクラブとの振り心地はそろいにくい。スコアを追求するなら、“飛び系3番ウッド”という選択肢も大いにアリですよ」というのは、業界屈指のギアオタクでクラブフィッターの小倉勇人。詳しく話を聞いてみよう。

ビッグドライブを狙うドライバーよりも他のクラブとの振り心地を揃えやすい

みなさんこんにちは、ギアオタク店長の小倉です。今回はとあるクラブを打ってみて率直に感じたことをお話したいと思います。

そのクラブとは、マスダゴルフの「FBLチタン フェアウェイウッド」の3W。長さは43.25インチ、ヘッド体積も223ccと大型。番手ラインナップは3番のみですが、ロフト角は13.5度と15度の2種あり、私が試打したのはロフトを立たせた13.5度モデルです。

画像: マスダゴルフ「FBLチタン フェアウェイウッド」の13.5度モデル(撮影/小倉勇人)

マスダゴルフ「FBLチタン フェアウェイウッド」の13.5度モデル(撮影/小倉勇人)

30年ほど前なら2W(ブラッシー)、最近ではミニドライバーなんて呼ばれそうなスペックですね。実際、テーラメイドが2019年に発売した「オリジナルワン」というミニドライバーには13.5度がラインナップされていました。同じくテーラーメイドの2021年モデル「SIM2フェアウェイウッド」にも“ロケット3(13.5度)”なる通常の3番(15度)よりもロフトを立たせた仕様のモデルがあります(日本では残念ながら未発売です)。

ロフトが立っていることで、芝から打つとライナー性の弾道で高さは出ませんが、距離は出しやすいですしつかまりが抑えられるので左のミスを軽減できるメリットがあります。もちろんデメリットもあります。クラブが長いため、芝の上からではシビアなボールコンタクトを求められます。さらにどのくらいランが出るかの計算が難しく、かなり使いどころが限られるクラブです。

ところがこのクラブをティアップして打つととてもやさしいのです。平らなライからティアップして好きな高さにボールを設定できるため、ボールの上がりにくさやシビアなボールコンタクトは気にしなくて良くなりますし、ドライバーと比べてヘッドは小さいとはいえ、クラブが短いおかげでとてもボールをとらえやすいのです。私はドライバーの長さを45インチにしているので、飛距離差もさほど大きくなく、狭いホールのティショットなどにピッタリ。あまりの良さに買っちゃいました!

以降コースによって既存の3Wと使い分けているのですが、ティショットで多用していると「もうこの3Wだけで良いのでは?」と思う時があります。

現代のドライバーは飛距離性能を追求するためヘッドは大きくなり、長く、軽くと独自の進化をしています。そのおかげでどんなゴルファーでも、楽により遠くへ飛ばせるようになりました。

しかし3W以下のクラブは様々な進化はしていますが、クラブの長さやヘッドサイズは大きくは変わっていません。3W以下のクラブは、芝の上から一定のエリアを”狙う”ためのクラブなので飛距離ばかりを追求しても意味がないからです。

そのためドライバーとそれ以外のクラブには振り心地の差が生まれています。もちろんその差をできるだけ作らないように工夫してクラブを組むことは可能ですが、飛距離を重視すればするほど、他の”狙う”クラブとの差は生まれやすくなってしまうわけです。

だったらスコアを追求する方は、大きな飛距離は望めないが他のクラブとの振り心地が揃いやすく、ミスのしにくいクラブのほうが良いのかなと。もちろん多少曲がってもティショットを飛ばしたほうがスコアになる場合もありますし、小さめのヘッドが苦手という方もいるでしょう。あくまでスコアマネジメントのひとつとしてありだなと。

今度ティショットをその3Wしばりでプレーして勝手に検証してみようと思います。普段の私は、楽しさ重視なので狭いホールでもガンガンドライバー振り回しますから、3Wを持っても振り回して曲げそうですけど(笑)。

画像: MAX312ヤード!!飛ばし屋タレント・ユージがドラコン挑戦! 師匠・高島早百合が教えた「吹けスライス」解消法【ユージ ドラコン挑戦#1】 youtu.be

MAX312ヤード!!飛ばし屋タレント・ユージがドラコン挑戦! 師匠・高島早百合が教えた「吹けスライス」解消法【ユージ ドラコン挑戦#1】

youtu.be

This article is a sponsored article by
''.