ギアライターの高梨祥明がゴルフクラブ選びの基礎知識を解説する短期集中企画。その6回目は、最新クラブの選び方。自分にとって飛ばせるクラブを選ぶためのポイントは?

最新クラブの開発テーマは、プラスではなく、マイナスを減らすこと

ゴルフクラブの進化とは、飛び性能の向上にあるといっていいが、モデルチェンジのたびに飛距離アップをうたうゴルフクラブ市場の中で、自然に育ってしまった誤った道具観みたいなものがある。それが「自分は飛ばせないゴルファーだが、このドライバー(クラブ)ならボールを遠くへ飛ばしてくれる」という道具に対する期待感、依存心である。

画像: 最新クラブの選び方は、自分にあったクラブ選ぶことでエネルギーロスをなくし自分の出力通りの飛距離を獲得できる(写真/三木宗徳)

最新クラブの選び方は、自分にあったクラブ選ぶことでエネルギーロスをなくし自分の出力通りの飛距離を獲得できる(写真/三木宗徳)

確かに様々なゴルフクラブを打ち比べてみると、安定して飛距離が出やすいモデルとそうでないモデルがあることがわかる。狙ったエリアに運びやすいもの、そうでないものもある。結果を見れば、飛ぶ道具、飛ばない道具がありそうに思えるのも無理はない。

しかし、基本的にはボールを遠くへ飛ばしているのは「自分自身」である。最新ゴルフクラブだからといってエンジンが搭載されたわけではないし、高反発フェースにしたからといってパワーが増幅されるわけではない。クラブを変えて超遠くへボールを飛ばしたのも自分、これまでのクラブであまり飛ばせていなかったのも自分なのだ。

では、最新ゴルフクラブの進化とは何なのか? それは“効率のアップ”、“エネルギーロスを抑える”ための技術革新、最新構造(テクノロジー)である。

自分の出力を上げるために、「やすい」クラブを探しに行こう

例えば、近年のトレンドである高慣性モーメント化。これはフェースのセンター以外でボールを打ってしまってもヘッドがブレないために初速ロスやバックスピンを増すことなく、遠くへボールを飛ばせるというものである。

肉厚分布をスーパーコンピュータで解析して作られた広域反発フェースも、本来なら初速が落ちてしまうエリアで打ってしまっても最も初速が速い点に近いスピードが出せるようになっています、ということだ。

もともとなかった何らかのパワーを生み出し、ボールを遠くに飛ばしているわけではないのである。それは1のパワーを0.8以上に保てます、くらいのこと。決して、1が2になるわけではない。マイナスを減らすことで、結果(飛距離)をプラスにしていこうという考えだ。

我々ゴルファーが念頭においておきたいのは、俺は飛ばないと思っている人ほど、エネルギーロスが大きく「飛ばせていない(マイナス大)」可能性が高いということだ。そういう人ほど、現在合っていないゴルフクラブを使っている可能性が高く、クラブを替えることで大きく飛ばせる(プラス)可能性がある、ということだ。合っているクラブを見つけるということは、自分が持っているエネルギーを、ロスなくボールに伝えやすいということなのである。

・振りやすい重さ
・振りやすい長さ
・構えやすい大きさ

巷で人気がある・なしではなく、自分にとって「扱いやすい」ゴルフクラブを探してみてはいかがだろうか? 飛ばしのテーマは、エネルギーロスを減らすことである。

・重すぎる(軽すぎる)
・長すぎる(長すぎる)
・大きすぎる(大きすぎる)

過ぎたるものでは効率悪く、スピードは上がらない。他の人が飛ばせている道具は万能で、それこそエンジンが付いているような感覚に陥ってしまうが、そんな都合の良いクラブは存在していないのだ。飛ばせている人(たとえばプロゴルファー)は、自分に合ったクラブを選ぶことで、無駄なエネルギーロスを抑えて、自分の出力(エンジン)どおりの飛距離を獲得しているわけである。

「振りやすい」「扱いやすい」は人によって異なる。自分のエンジン出力を効果的に引き出すために、先入観なく、人気に頼らず様々な仕様の試し、身の丈に合った自分だけの道具を見つけていただきたい。振りやすく、安定してヘッドスピードが上げられる仕様を見つけることができれば、最新ヘッドの構造が当たりどころによるエネルギーロスを最小限にとどめ、あなた自身の飛ばし力をボールに伝えてくれるはずである。

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