ベストスコア「72」のサッカー元日本代表の鈴木啓太が、アプローチの達人・伊澤秀憲に弟子入り。左足下がりのライから、スピンをかけて止める高難易度のアプローチに挑戦した。

鈴木:伊澤さんのレッスンを受けて、スピンって条件さえ揃えればかかるんだなってわかり、自信が湧いてきました。そこで、もう少し難しい所からもチャレンジしてみたいです!

画像: ゴルフ好きの元サッカー選手・鈴木啓太(右)が、アプローチ上達を目指して伊澤秀憲プロ(左)に弟子入り!

ゴルフ好きの元サッカー選手・鈴木啓太(右)が、アプローチ上達を目指して伊澤秀憲プロ(左)に弟子入り!

伊澤:わかりました。では難しいライからやってみましょうか。今回は、一番スピンを掛けづらい「左足下がり」のライからのスピンショットに挑戦してもらいたいと思います。状況としては、ライは左足下がり。ホール本来のピンポジよりも難易度の高い、ペットボトルを置いた位置(写真Aの赤丸)を仮想のピンポジとして狙ってみましょう。ボールからの距離はある程度近めで、キャリーさせてから仮想のピンポジまでは下り傾斜になっていますね。普通に打つとどこまでも転がっていきそうな設定です。

画像: 写真A:左足下がりのライから、ペットボトルを置いた位置(画像の赤丸)を狙って打つことに。ボールからの距離が近く、かつ下り傾斜で止まりづらい設定だ

写真A:左足下がりのライから、ペットボトルを置いた位置(画像の赤丸)を狙って打つことに。ボールからの距離が近く、かつ下り傾斜で止まりづらい設定だ

鈴木:え、ちょっと待ってください……。これは止められる気がしませんよ。

伊澤:もちろん、この状況からギュッ! と止まるスピンを打つというのは無茶振り感がありますよね。でも、ちょっとでもスピンが入るところまでいけたら合格点かなと思うので、早速やっていきましょう。

鈴木:お願いします!

伊澤:まずスピンの入ったアプローチショットを打つ場合の注意点は2つ。【1】フェースを開く、【2】フックグリップで握ることです。これは左足下がりのライからでも同様です。さらに左足上がりのライの場合は、ダウンブローに打つのがポイントになりますよ。まずは一度挑戦してみましょうか。

――鈴木の1球目は、ダフリ気味に入ってピンを大幅にオーバーしてしまう。

鈴木:何がいけなかったんだろう……?

伊澤:一番の原因は「体の向き」なんです。

鈴木:えっ。今、僕はちょっと開いて構えましたけど。それがダメなんですか?

伊澤:鈴木さんは目標に対してやや左を向いていますよね。

画像: 鈴木はスタンスが目標より左側を向くオープンスタンスで構えていた。これがダフリとオーバーの原因だと伊澤は指摘

鈴木はスタンスが目標より左側を向くオープンスタンスで構えていた。これがダフリとオーバーの原因だと伊澤は指摘

鈴木:はい。でもフェースを開いていて、球はやや右方向に向かって飛んで行くから、それを差し引けば左を向いていいんじゃないんですか。

伊澤:そうなんですけど、でも、グリップをフックに握っている場合はフェースを開いていてもあまり右には行かないんです。だから左を向かなくてもいいんですよ。

鈴木:あ、なるほど。

伊澤:体を目標に向かって左に向けて(オープンに)構えると、ピンは視界の右に来ますよね。逆に、目標に対して体を右に向けて(クローズに)構えると、目標は視界の左側に見えます。

鈴木:はい、そうですね。

伊澤:では、体を左に向けて右にある目標に対して打った場合、ヘッドはどう動くかというと?

鈴木:あ、下から上に、あおるように打ちやすいです。

伊澤:そうですよね。逆に、ピンに対して右に体を向けて構えて打つとヘッドは上から下に動きます。つまり、ダウンブローに打ちやすくなるわけです。つまりこれが、左足下がりでも上から下に打ちやすく、スピンがかかりやすい構え方になります。

画像: 目標に対してクローズスタンスに構えて打つことでダウンブロー軌道になりやすい。すると左足下がりのライからでもスピンの掛かったアプローチが打ちやすいと伊澤は言う

目標に対してクローズスタンスに構えて打つことでダウンブロー軌道になりやすい。すると左足下がりのライからでもスピンの掛かったアプローチが打ちやすいと伊澤は言う

鈴木:そうだったのか。もう一度打ってみます……あれ、今ちょっとスピン掛かりましたよね。

伊澤:スピンも入ったし、先ほどのようにボールの手前をダフっていませんでしたよね。

鈴木:たしかに。

伊澤:今のはスウィングというより、【1】オープンフェース、【2】フックグリップ、【3】クローズスタンス、この3つによって出た結果なんですよ。

鈴木:普段フェースをオープンをした時にもスクェアグリップで握っているので、無意識に体も左を向いて開きたくなっちゃってましたね。

伊澤:もちろんそういう打ち方もあるんですけど、でもスピンを入れたい場合は、フェースを開き、フックグリップにして、若干クローズスタンスにしたほうが、クラブが外側からダウンブローに入ってくるのでスピンは掛かりやすくなります。

鈴木:なるほど。

伊澤:もしフェースを開いた状態でピンに対して体を右に向けるのに抵抗感がある場合は、普段より右足だけ少し後ろに引いて構えると、右を向いている感じがないのに、クラブは上から下に振れる体勢を作れますよ。

画像: 体を右に向けると違和感がある人は、いつも通りに構えてから右足を少しだけ背中側に引いて構えるのがオススメだという

体を右に向けると違和感がある人は、いつも通りに構えてから右足を少しだけ背中側に引いて構えるのがオススメだという

――伊澤のアドバイスを受けて鈴木が挑戦するも、今度はダフってしまう。そこで伊澤が一度、激スピンでギュッと止まるお手本ショットを見せると「ちょっと分かった感じがする」と何やら閃いた様子で再チャレンジ。すると今度はスピンがかかり、わずかにオーバーしたものの下り傾斜のピンに対し見事な寄せに成功した。

伊澤:今のショット、1球目とは明確に違う部分がありました。鈴木さん、スタンス幅を狭くしましたよね?

鈴木:はい。左足下がりはスタンスを広げて構えないといけないという意識があったんですけど、クローズにしてスタンスを狭くして構えると、当たる感じがしたんですよね。

画像: 左足下がりではスタンスが広い(左)と体を回しづらく、ボールの手前を叩いてダフリの危険がある。スタンスを狭める(右)ことで体を回しやすくなり、しっかりとボールにコンタクトできるという

左足下がりではスタンスが広い(左)と体を回しづらく、ボールの手前を叩いてダフリの危険がある。スタンスを狭める(右)ことで体を回しやすくなり、しっかりとボールにコンタクトできるという

伊澤:完璧です! 難しいライって構えを安定させたくてスタンスを広めに取りがちなんですが、そうすると体を回しづらいんですよ。そして、体が回らないとヘッドはボールの手前を叩きやすくなります。

鈴木:どうしてですか?

伊澤:ダウンスウィングでヘッドの重さを感じて打った時に、ヘッドはボールの手前に落ちてきますから、体の回転がなければ当然ボールの手前を叩きますよね。でもスタンスを狭くしておけば体を使いやすくなるので、ヘッドの重さを感じて打った時に、ヘッドの落下と体の回転を合わせることでボールにピタッとコンタクトすることができるんですよ。

鈴木:なるほど。

伊澤:今回、左足下がりのライからスピンで止めるという難易度の高い打ち方に挑戦してもらいましたけど、ポイントは全部で4つ。【1】フェースを開く、【2】フックグリップ、【3】ややクローズスタンス、そして【4】スタンスを狭くする、です。最後の狭いスタンスは、教える前に僕のショットを見て盗まれていましたね(笑)。

鈴木:そうですね(笑)。今回もありがとうございました!

取材協力/葉山国際カンツリークラブ

画像: アドレスを変えれば左足下がりも寄る⁉アプローチの達人・伊澤秀憲プロが元サッカー日本代表・鈴木啓太に教えた「アドレスの考え方」 www.youtube.com

アドレスを変えれば左足下がりも寄る⁉アプローチの達人・伊澤秀憲プロが元サッカー日本代表・鈴木啓太に教えた「アドレスの考え方」

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