ゴルファーは結果がすべて。強ければなんでもいい、という時代もあった。しかしいまは違う。PGAツアーがコース上のパフォーマンスとは別にファンやスポンサーの関心を集めた人気選手に特別ボーナスを支給する制度を開始した。

米ゴルフウィーク誌をはじめとしたメディアの報道によると今年1月からツアーは「プレーヤー・インパクト・プログラム」を導入しており、年末に総額4000万ドル(約43億円)をトップ10に入った選手の順位に応じて支給するというのだ。ちなみに1位には800万ドル(約8億6000万円)のボーナスが付与される。

人気を評価するというのはやや漠然としているように思えるが、プレーヤー・インパクト・プログラムにはきちんとした判断基準がある。

グーグルでの検索回数と人気、ニールセン(テレビ視聴率)での露出度、好感度を数値化したQ評価、SNSやデジタルチャンネルでの露出度、メディアへの露出度、それにフェデックスカップポイントが加味される。

この条件を当てはめると、たとえばタイガー・ウッズがマスターズで復活優勝を飾った2019年の上位はタイガー、ローリー・マキロイ、ブルックス・ケプカ、フィル・ミケルソン、リッキー・ファウラー、ジョーダン・スピース、ジャスティン・トーマス、ジャスティン・ローズ、アダム・スコットらが入る。

画像: 人気度を評価しトップ10の選手にボーナスを支給するPGAツアーのプレーヤー・インパクト・プログラム。現在事故によって試合出場が叶わないタイガー・ウッズにもボーナス支給の可能性は十分ある(写真は2020年のファーマーズインシュランスオープン 撮影/姉崎正)

人気度を評価しトップ10の選手にボーナスを支給するPGAツアーのプレーヤー・インパクト・プログラム。現在事故によって試合出場が叶わないタイガー・ウッズにもボーナス支給の可能性は十分ある(写真は2020年のファーマーズインシュランスオープン 撮影/姉崎正)

今年のマスターズでメジャーの連続出場が途切れスランプに陥っているリッキー・ファウラーは好感度、知名度、コマーシャルでの露出の多さなどからトップ10入りする可能性が高い。当然言動すべてが話題になるブライソン・デシャンボーも有力候補のひとりだろう。

タイガーが登場する以前は海外の有名選手たちが「日本に来れば稼げる」とばかり続々と国内ツアーにやってきたもの。しかしタイガーがデビューし1997年のマスターズで優勝し新時代の扉を開いたことでPGAツアーの放映権料が格段にアップ。いまでは優勝賞金がほぼすべての試合で1億円を超え年間王者には10億円を超すボーナスが支給される“金満ツアー”になった。

「タイガーはなにがあろうとリストの1位でなきゃ」というのはケプカ。「我々が高額賞金をかけてこうしてツアーで戦えるのも、ゴルフが人気スポーツになったのもタイガーのおかげ。ほとんどの選手がここでプレーしている理由がタイガーなんだから」

自動車事故で自宅療養中のタイガーもトップ10入りする可能性はゼロではない。

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