国内女子ツアー「フジサンケイレディスクラシック」の最終日は1打差の2位からスタートした稲見萌寧が逆転で21年4勝目を挙げた。プロゴルファー・中村修が強すぎる稲見萌寧のプレーを解説。

2021年は8戦で4勝!

アップダウンの大きい傾斜にあごの高いアリソンバンカー、速くて芝目のあるコーライグリーンが待ち受ける川奈ホテルGC富士コースをもってしても、好調の稲見選手は止められませんでした。2位に3打差をつけての優勝は2021年に入って8試合で4勝目。2020-2021シーズンを通じては5勝目です。

オフからのキックボクシングのトレーニングによってドライバーの飛距離を伸ばし、体力面も強化されたことで、疲れがピークのはずでも月間3勝を挙げる強さを見せつけました。

画像: 国内女子ツアー「フジサンケイレディスクラシック」 を制した稲見萌寧(撮影/矢田部裕)

国内女子ツアー「フジサンケイレディスクラシック」 を制した稲見萌寧(撮影/矢田部裕)

それだけではありません、アイアンやUT、FWのキレも素晴らしくミスショットらしいミスショットが見当たりません。仮にグリーンを外しても外す場所がいいから大ピンチにならず、しっかりと寄せて好調なパットてパーをセーブし、スコアを崩しません。

元々パーオン率が高くショット力に定評がありましたが、そこにパッティングの好調さが加わって盤石のプレースタイルができあがっています。稲見選手のキャディを何度も務める先崎洋之プロキャディは彼女のストロングポイントに「縦の距離感」を挙げていますが、コーチを務め今週はキャディとして稲見選手をサポートした奥嶋誠昭コーチは絶対音感ならぬ「絶対距離感」を持っていると話します。

「彼女の“絶対距離感”はジュニア時代、『北谷津ゴルフガーデン』のショートコースを回り込んで作り上げたもの。アプローチは打った瞬間に1ヤード大きい、1ヤード短いと分かりますし、ショットは2ヤード刻みから、長い番手でも5ヤード刻みで打ち分けられます」(奥嶋)

シミュレーター上で距離を打ち分けられる技術ではなく、グリーンの状態やボールのライ、高低差、風の読みなどの見極めとスウィングの強度をマッチさせるという”絶対距離感”は、ジュニア時代からの1日10時間という練習量によって身についたもの。それが彼女のゴルフを支えています。

稲見選手は、永久シード(30勝)を目標に掲げています。27歳285日での達成という不動裕理選手の記録にあと25勝ですが、今年で22歳になる稲見選手が5年後にどこまで勝利数を伸ばしているのか、今から楽しみです。

初優勝から2週連続優勝を狙った山下美夢有選手は単独2位、最終日に7アンダーで追い上げた小祝さくら選手は5アンダーで追い上げた古江彩佳選手らとともに3位タイで終え、着実に賞金を積み重ねています。毎週熱い戦いが繰り広げられる女子ツアー、次戦の「パナソニックオープンレディース」は現地からリポートをお届けします。お楽しみに。

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