「ほけんの窓口レディース」で今シーズン初優勝を遂げた大里桃子。その手に握られていた“ちょっと長いパター“に注目したゴルファーも多かったのではないだろうか? パッティングに苦しんでいた大里が手にし、優勝をつかんだ魔法の杖の正体は?

大里がパターで悩むようになったきっかけは、初出場だった2018年LPGAツアーチャンピオンシップ リコーカップ。アプローチで30センチに寄せたパットを外したことで、「あれ?」となったのがはじまりだったようだ。

さらに、その翌年の開幕戦・ダイキンオーキッドレディスのスクランブル方式のプロアマで、同組のアマチュアが次々と1メートルを外すと、最後に打った大里も外してしまったことで、「それ(1メートル)以下のパットがなんか気持ち悪く」なってしまったのだという。

イップスの症状が出始めたことで、グリップ(握り方)やパターなど、様々な工夫を凝らしてきたと大里。そして2021年に入り、復調のきっかけをつかむ。ピンのツアー担当である篠塚翔太氏は言う。

「大里プロは『B60』という型が好きで、VAULT 2.0 B60というパターを使用していただいていましたが、なかなか調子が上向きにならず、悪いときの症状も顔を覗かせていました。そこで、Tポイント(Tポイント×ENEOSゴルフトーナメント)から気分転換に『TYNE4』に変えたんです」

このヘッド交換によって劇的に調子が上向くことはなかったが、この新しいヘッドをベースにグリップを変え、シャフトを変えとテストを繰り返すうち、「中尺」という選択肢が候補に挙がってきたのだという。

そして、最終的に落ち着いたのが、中尺まではいかず、通常の長さのなかでもっとも長い36インチ。そして、パターを3インチ長くしたことが大里に変化をもたらす。

画像: 試行錯誤の結果、36インチと長めのパターにたどり着きパッティングが復調。ほけんの窓口レディースで優勝を果たした大里桃子(写真は2021年の「ほけんの窓口レディース」 撮影/大澤進二)

試行錯誤の結果、36インチと長めのパターにたどり着きパッティングが復調。ほけんの窓口レディースで優勝を果たした大里桃子(写真は2021年の「ほけんの窓口レディース」 撮影/大澤進二)

変えたばかりのヤマハレディースオープン葛城では予選落ちを喫するものの、翌週の富士フイルム・スタジオアリス女子オープンで昨年6月以来のトップテン入りを果たすと、そこから2試合続けて予選をクリアし、直近3試合での2位、2位タイ、優勝という“爆発“へとつなげた。大里本人は、「パターの長さも変えて気持ちもリセットできました」と述べている。

さて、こうなると、自分でもこのちょっと長いパターを試してみたくなるのがアマチュアゴルファーというものだろう。パターの長さというと33インチ、34インチあたりが一般的だが、前出の篠塚氏は36インチをアマチュアが使うメリットについてこう教えてくれた。

「長いパターですと、前傾角度が浅くなりますので視野が広がり、ラインや距離感がつかみやすくなります。また、ストロークが安定しない人は、ヘッドばかり動かそうとして手が動いてない場合があります。パターが長いとパター全体を動かす形になりますので、スムーズにストロークがしやすいと思います。ただ、長さはパッティングの再現性に影響するので、ぜひフィッティングを受けて、ご自身に合う長さを使っていただきたいですね」(篠塚)

あくまでも「合う人に合う」ということが前提となるが、パットに悩んでいるのなら36インチを試してみる手はあるかも。

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