5月20日から開催される2021年のメジャー第2戦「全米プロゴルフ選手権」。プロゴルファー・中村修が注目したのはマスターズを2位で終えたウィル・ザラトリス。細身の体から300ヤードを越えるドライバーショットを放つスウィングを解説。

2020-2021シーズンはトップ10入り6回

ウィル・ザラトリスはアーノルドパーマーをOBに持つ名門ウェイクフォレスト大出身の24歳。大学を中退し2018年にプロ転向後は、下部ツアーで揉まれ2020年の全米オープンで6位に入りレギュラーツアーへとのし上がります。

2020-21シーズンではトップ10が6回。これはブライソン・デシャンボーやザンダー・シャウフェレと並び全体の4位タイ。松山英樹選手が優勝した「マスターズ」で2位に入ったことでこの選手を知ったという方も多いかと思いますが、実は初優勝がもっとも期待される選手の一人です。現在の世界ランクは30位となっています(2021年5月19日現在)。

画像: 2021年のマスターズで松山英樹に次いで2位で終えたウィル・ザラトリス(写真は2021年のアーノルドパーマー招待)

2021年のマスターズで松山英樹に次いで2位で終えたウィル・ザラトリス(写真は2021年のアーノルドパーマー招待)

細身ですがバネがあって188センチの長身から放つドライビングディスタンスは306.5ヤード(23位)を誇り、パーオン率も70.23%(13位)と高くショットメーカーであることがデータから見て取れます。そんな彼のスウィングをじっくり見てみましょう。

ボール位置がスタンスの中央寄りに見えますが、斜め正面からの画像になるので、そこは考慮せずに進めます。オーソドックスなアドレス(左)から細いピアノ線を弾く前のようなバネのあるトップ(右)が印象的です。右のひざを不動にして、下半身が回り過ぎないように右の股関節で受け止め上半身をしっかりねじっています。

画像: 画像A オーソドックスなアドレス(左)からバネのあるトップ(右)でエネルギーを溜める(写真は2021年のアーノルドパーマー招待)

画像A オーソドックスなアドレス(左)からバネのあるトップ(右)でエネルギーを溜める(写真は2021年のアーノルドパーマー招待)

画像Bの左では、切り返してから左腕が体の遠くに位置しており、入射角がゆるやかなインパクトに向かう準備が整っています。画像B右のインパクト手前の画像では、右の肩を下げるように右サイドの側屈をいれながら左ひざを伸ばし、蹴り上げる力を回転力に変換。体の動きを止めずにフォローに向けて一気に振り抜きます。クラブヘッドが低い位置からややアッパー軌道でボールをとらえていることも見て取れます。

画像: 画像B 左腕が伸び入射角のゆるやかなインパクトゾーンへと向かう切り返し(左)から右肩を下げるように右サイドの側屈を入れ左足を蹴り上げて回転力に変換する(右)(写真は2021年のアーノルドパーマー招待)

画像B 左腕が伸び入射角のゆるやかなインパクトゾーンへと向かう切り返し(左)から右肩を下げるように右サイドの側屈を入れ左足を蹴り上げて回転力に変換する(右)(写真は2021年のアーノルドパーマー招待)

思い切って振り切るスウィングは、マスターズを見ていて気持ちいいものでした。全米プロゴルフ選手権の会場となるキアワ島オーシャンコースは7876ヤードのシーサイドコースで、かなりタフなコンディションになることが予想されますが、飛距離のあるザラトリスなら、昨年の覇者、コリン・モリカワのように若くしてメジャー初優勝を挙げる可能性も大いにあります。

週末は松山英樹、星野陸也、金谷拓実選手の日本勢3名とともにそのプレーを楽しみにしたいと思います。

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