「ヨネックスレディスゴルフトーナメント」の最終日、最終ホールまでもつれた三ヶ島かなとのマッチレースを制したのは笠りつ子。5年ぶりに勝利を挙げたプレーの模様をプロゴルファー・中村修がレポート。
画像: 5年ぶりの通算6勝目を挙げた笠りつ子(写真は2021年のヨネックスレディスゴルフトーナメント 写真/有原裕晶)

5年ぶりの通算6勝目を挙げた笠りつ子(写真は2021年のヨネックスレディスゴルフトーナメント 写真/有原裕晶)

最終日を9アンダーと首位でスタートした笠りつ子選手と7アンダー2位から追いかける三ヶ島かな選手の一騎打ちの様相を呈した今年のヨネックスレディス。

6番、11番ホールで互いにバーディを取り合うなど、スタート時の2打差に変化がないままプレーは進んでいきます。笠選手は初日からここまでノーボギーの安定したプレー。それに対して初優勝を目指す三ヶ島選手はピンを果敢に攻めますが、惜しいパットが続きます。

試合が動いたのは13番。三ヶ島選手がバーディを奪います。そして18番パー5、2オンを逃すもアプローチをOKに寄せて、ついに9アンダーにまでスコアを伸ばします。

笠選手がスコアを伸ばせば勝ち、パーならばプレーオフというなか、2オンした笠選手は24メートルのイーグルパットを4メートルショートしてしまいます。しかしこの4メートルのバーディパットを決め、2016年のニトリレディス以来の6勝目を飾りました。

ピンを攻め続けた三ヶ島選手のプレーと安全にホールを消化する笠選手のプレーぶりは対照的でしたが、終始安定したリズム、テンポで崩れることなく3日間ノーボギーのプレーで完全優勝を果たしました。

「単純なことで呼吸だったり、自分のペース、呼吸から歩くスピードだったり、ミスしたあとのペースだったり、そういうのを心がけてやっています」と優勝会見で話した笠選手。プレッシャー下でプレーのリズムをキープするためにいかに呼吸が大切かを教えてくれるプレーでした。

画像: 最終ホールまで優勝争いを続け2位で終えた三ヶ島かな(写真は2021年のヨネックスレディスゴルフトーナメント 写真/有原裕晶)

最終ホールまで優勝争いを続け2位で終えた三ヶ島かな(写真は2021年のヨネックスレディスゴルフトーナメント 写真/有原裕晶)

2010年からシード権を保持し2018年にはシード権を手放しますが2019年に復活シード、その後しばらくツアーをお休みし2020年のアース・モンダミンカップから復帰。それから1年弱、様々な経験を乗り越えつかんだ優勝はサポートし続けた周囲への恩返しにもなったことでしょう。

惜しくも2位となった三ヶ島選手ですが、2年前から青木翔コーチに師事し、ドローからフェードに球筋を変えたことで意図した球筋と逆方向に曲がる逆球が出なくなっていました。優勝争いの中でしっかりとピンを攻めることができていましたので、この調子を維持すれば初優勝も遠くないと思いました。

最終日に伸ばせはしませんでしたが、同じく最終組でプレーした飛ばし屋の山路晶選手、8バーディノーボギーで3位になった菅沼菜々選手、4位タイで終えた山城奈々、岸部桃子選手など、女子ツアーにはまた続々とニューフェースが現れています。引き続き、注目していきましょう。

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