「宮里藍サントリーレディス」で4年ぶりの優勝を飾った青木瀬令奈。プロゴルファー・中村修がそのスウィングを解説。

平均飛距離は218.03ヤード

青木瀬令奈選手は153センチと小柄で、飛距離も今季のスタッツを見ると218.03ヤードとシード選手の中でもっとも飛ばない選手のうちの一人です。しかし、オフの練習を取材したことがあるのですが、ミート率が高くほぼミスショットはせずに正確なショットを何度でも繰り返せる再現性にはとても驚きました。

ショットの正確性が持ち味ですが、優勝した「宮里藍サントリーレディス」でもフェアフェイキープ率は全体の6位、パーオン率も全体の7位でしたし、最終日においてはフェアウェイを外したのは1度だけですべてのホールでパーオンしていました。フェースの芯でとらえる感覚やスウィングの再現性の高さは天性の感覚にプラスして積み重ねた練習量がベースにあることは間違いありません。

画像: 正確なショットを武器に宮里藍サントリーレディスを制した青木瀬令奈(写真は2021年の宮里藍サントリーレディス 写真/姉崎正)

正確なショットを武器に宮里藍サントリーレディスを制した青木瀬令奈(写真は2021年の宮里藍サントリーレディス 写真/姉崎正)

そんな青木選手のスウィングを見てみると、まずやや体を起こしたアドレスから、テークバックはクラブを縦に上げトップの位置は手元が頭よりも高いアップライトな位置におさまります(画像A左右)。少しアドレス時よりも伸び上がるようにテークバックすることで後で地面からの反力を利用するための準備も整っています(画像A右)。

画像: 画像A バランスの良いアドレス(左)から、クラブを縦に上げ手元の高いアップライトなトップ(右)をとる(2021年のTポイント×ENEOSトーナメント 写真/大澤進二)

画像A バランスの良いアドレス(左)から、クラブを縦に上げ手元の高いアップライトなトップ(右)をとる(2021年のTポイント×ENEOSトーナメント 写真/大澤進二)

アップライトなトップからクラブを立てて下ろすのではなく、切り返しで左サイドへ重心を移動するタイミングで手元が下がりややフラットな位置に、同時に左手のひら側に手首が折れる掌屈の動きも見られます(画像B左)。これはボールをつかまえる動きです。

切り返し以降は、手先を使わずに体幹部分や下半身を積極的に使ってボールを押し込むようにインパクトしていきます。このように、切り返しでは重心の移動、それ以降は体幹や下半身を使うことで、タイミングがズレにく再現性の高いスウィングを作り上げています。

画像: 画像B 重心を左に移動するタイミングで手元が低くなりフラットな位置からダウンスウィングに入る(左)、下半身を積極的に使って体幹を使ってボールを押し込むようにインパクトする(右)(2021年のTポイント×ENEOSトーナメント 写真/大澤進二)

画像B 重心を左に移動するタイミングで手元が低くなりフラットな位置からダウンスウィングに入る(左)、下半身を積極的に使って体幹を使ってボールを押し込むようにインパクトする(右)(2021年のTポイント×ENEOSトーナメント 写真/大澤進二)

若手が台頭しいつまで続けられるかわからない選手生命を考え、モチベーションが低下していたなかで、キャディも務める大西翔太コーチと二人三脚で、課題に取り組み積み重ねてきた成果が4日間大会での優勝です。今シーズンも、まだまだ活躍してくれることでしょう。

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