「スピンで“ギュギュッ”と止める」や「“バシッ”と打つ」など、擬音語、擬態語などで物事の状態や動きを表現する「オノマトペ」は、ゴルフにおいても一般的に用いられている。オノマトペをレッスンに活かしているという北野正之プロによれば「ドーンやバーンなどをかけ声にインパクトすると結果が良くなる」というが、それってホント? シングルハンディの腕前を持つイラストレーターの野村タケオが実際に試してみた。

みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。僕はゴルフ雑誌からいろいろとスウィング理論やグラブの情報などを得て、それを自分のゴルフに役立てています。ゴルフ雑誌って、いろんな記事が載っているので、その中から自分の心に響いた記事を試してみることにしているのですが、たま~に「そんなの効果あるの~?」的な記事が載っていることもあるんですよ。

週刊ゴルフダイジェスト7/6号にも”「オノマトペ」でゴルフが変わる”という「そんなの効果あるの~?」的な記事が載っていました。オノマトペ? いったいどういうことなんでしょうか? さっそく試してみることにしました。

画像: 「ドーン」や「バーン」など、かけ声を出しながらインパクトすると結果が良くなる!? 週刊ゴルフダイジェスト2021年7月6日号で紹介されていたショットのコツを実際に試して検証した

「ドーン」や「バーン」など、かけ声を出しながらインパクトすると結果が良くなる!? 週刊ゴルフダイジェスト2021年7月6日号で紹介されていたショットのコツを実際に試して検証した

そもそも「オノマトペ」というのは擬音語、擬態語などで物事の状態や動きを表現すること。「コツっと打ったボールがコロコロと転がってキュキュッと止まる」みたいな表現ですね。たとえば「コツっと打つ」と「バシッと打つ」ではインパクトのイメージが変わってきませんか? こういう音の表現の違いで体の動きのイメージが変わることをゴルフの上達に応用しましょうということなんです。本当にそんなことでショットが良くなったりするんですかね?

この「オノマトペ」をレッスンに活かしているという北野正之プロによると、まずはインパクトで声を出すことが第一歩なのだとか。「ドーン」でも「バーン」でもいいので、自分の好きな言葉で声を出してみてくださいということでした。

インパクトに合わせて声を出すことが大事なのですが、アマチュアの多くはインパクト後に声が出る人が多いそうです。そうなると、いわゆる振り遅れになっているということなので、スライスが出やすいインパクトということです。逆にインパクトの前に声が出てしまう人は、打ち急ぎ傾向にあり、引っかけやフックになることが多いそうです。インパクトと声が合ってくると、フェースの向きが安定し、ミート率も上がってくるのだとか。

さっそくコースで試してみました。僕はなんとなく「ダーン」というのが気持ちよかったので、「ダーン」で打つことに。練習場とかで試すこともなく、いきなりラウンドでやってみたのですが、実は1発目からかなりのナイスショット。目標よりも少しだけ右に出ましたが、ほぼストレートで、弾道もちょうど良く、飛距離も出ました。正直言って、ここまで効果があるとは思わなかったので驚きました。

その後も数ホール試しましたが、ミスショットは一度もなし。全体的に少しだけ右に出る傾向はありましたが、スライスはしないので、右フェアウェイか、ちょいラフくらい。途中で「ダーン」から「ダンッ」に言葉を変えてみたのですが、僕的にはこっちのほうが出球が真っすぐに出ました。

イメージ的には「ダーン」のほうがフォローが大きくなるような気がしましたね。「ダンッ」だと、インパクトで叩いていくイメージが強く、よりインパクトに力が込められる気がしました。

言葉を伸ばしたほうがいいのか、短くしたほうが良いのかは、その人のスウィングタイプによって違うと思います。スウィンガータイプの人は「ダーン」みたいに伸ばすほうが合いそうだし、ヒッタータイプの人は「ダンッ」と短くしたほうがイメージが出やすいかも。上体が突っ込み気味の人なんかは「ダーン」と伸ばせば、突っ込まずに大きく振れるようになるかもしれません。予想以上にスウィングのイメージが変わるので、これは試して見る価値があると思います。

画像: (左)普通に打ったときのフィニッシュ。(中・右)インパクトで「ダーン」と声を出すとインパクトが強くなり、振り切りも良くなります。結果フィニッシュは少し形が悪くなるものの、ボールに体重が乗り飛距離も伸びました

(左)普通に打ったときのフィニッシュ。(中・右)インパクトで「ダーン」と声を出すとインパクトが強くなり、振り切りも良くなります。結果フィニッシュは少し形が悪くなるものの、ボールに体重が乗り飛距離も伸びました

インパクトで声を出すことで、スウィングのイメージが変わること以外にも良い効果があると思いました。まず、スウィングの細かいこととかを考えなくなること。どうテークバックを上げようとか、トップの形がどうとか、そういうことを考えなくなります。インパクトに合わせて声を出すことを考えていると、そのことに集中するので、余計なプレッシャーを感じなくなるんですね。

もう一つ、アマチュアはダウンスウィングで息を止める人が多いらしく、声を出すことで息を吐きながらダウンスウィングできるようになるんです。息を止めてしまうと、体に力が入ってしまい、ヘッドスピードが落ちるんです。息を吐きながらダウンスウィングができると、脱力状態が作れてヘッドスピードが上がるということです。

「オノマトペ」をアプローチとパットでも試してみました。アプローチはいろんなライから打つことが多いので、言葉のイメージも多くなります。「カツッ」と打ったり「ドスッ」と打ったりというインパクトのイメージもあるし、「スッ」と振るとか「シュパッ」と振るなんていうイメージもあります。

柔らかい球を打ちたいときは「スッ」と振る感じが僕にはシックリ来ました。素振りのときに「スッスッ」と言いながら振って、実際に打つときも「スッ」と言いながら打つと、いいテンポで打てました。ピッチエンドランなんかは「カツッ」というのがなかなか良かったですが、少しトップ気味に入るイメージが出てしまうので、ライによっては「コツッ」とかもいいかもしれません。「コロコロ」というような転がりのイメージまで出せると完璧なのでしょうが、そこまではなかなか難しいです。

パットではインパクトで「トン」というイメージが僕には良かったかな。インパクトが緩む人は短めの言葉がいいでしょうね。逆にパンチが入ってしまう人は「スー」というような長めの言葉が良さそうです。

画像: アプローチでは「シュッシュッ」と声を出しながら素振りをして、そのまま同じように打つと、いいテンポのまま打てました

アプローチでは「シュッシュッ」と声を出しながら素振りをして、そのまま同じように打つと、いいテンポのまま打てました

最初は「そんなの効果あるの~?」と思っていた「オノマトペ」でしたが、予想以上にいろいろと効果があって驚きました。自分がイメージしやすい言葉が見つかれば、かなりショットが良くなる効果も期待できそうです。また、シチュエーションごとに言葉を変えることで、いろんなショットにも対応できそう。みなさんも騙されたと思って一度試してみることをおすすめします!

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