クラブセッティングを考える際に意識しておきたい要素のひとつが、重量フロー。「短くなるにつれて重く」と重量フローが整えられていないと、スウィングにも影響が出てしまいます」というのは、業界屈指のギアオタクでクラブフィッターの小倉勇人。詳しく話を聞いてみよう。

こんにちは、ギアオタク店長の小倉です。先日、アベレージ向けゴルファーに向けた某モデルを試打させていただきました。そのモデルは非常に軽量でパワーのない方でも楽に振り切れる、まさにアベレージゴルファーが楽しくプレーするのにピッタリのモデルでした。

その次の日はお休みでゴルフの予定が入っており、とくに意識することなく1番ティを迎えました。するとどうでしょう……クラブが上手く振れないのです。フィニッシュまで振り抜けないというか、クラブが非常に重く感じてしまい、結局その日はボロボロでした。

原因は前日に試打させていただいた試打クラブです。正確にはこういったことは起こりうることだと認識していたのですが、その調整を怠った自分の責任です。

自分に起こった現象はシンプルです。普段自分が使っているクラブよりはるかに軽いクラブを慣れるまで振ってしまったため、自分のクラブを重く感じるようになってしまったのです。この状態にならないようにいつも試打などのお仕事を頂いたあとは、自分のクラブで素振りや実際に球を打つことで感覚をリセットさせていたのですが、今回はそれをしませんでした。こういった現象は、個人差はあると思いますが誰にでも起こるはずです。一晩ぐらいじゃ消えない場合もあります。

このお話、「そんなに自分以外のクラブを触ったり打ったりしない」と他人事のようにとらえている方も多いと思いますが、すでにみなさんが知らないうちに経験している可能性がとても高いお話なんです。それはみなさんのキャディバッグの中で起きています。短いクラブほど徐々に重くなる、いわゆる重量フローが適切でないとこの現象が簡単に起こってしまうのです。

画像: 重量フローが適正でないとクラブごとに振り心地が変わってしまい、スウィングの再現性にも影響すると小倉氏

重量フローが適正でないとクラブごとに振り心地が変わってしまい、スウィングの再現性にも影響すると小倉氏

ドライバーはカスタムモデルのシャフトを装着しているけどFWは純正のままなど、様々なケースが考えられますが、いずれにせよクラブの重量フローが適正でないとバッグの中に重く感じるクラブと軽く感じるクラブが混在することになり、スウィングの再現性に大変大きな影響を及ぼします。

この現象の怖いところは上手く打てているクラブがあっても一度重さの感じ方が異なるクラブを振ってしまうとその上手く打てていたクラブにも影響を与えてしまうこと。それくらい適正な重量フローはミスを減らすうえで重要なことなのです。

重量フローは理論によって異なりますが、私はドライバーからUTまでは半インチ短くなるごとに5~6グラム、UTからウェッジまでは半インチごとに6~7グラム重くなるのが適正だと考えています。ゴルファーそれぞれの適正な重量を明確にするにはそれなりのチェックが必要ですが、バッグの中の重量フローを適正にすることは誰にでもできます。

重量フローの適正なセッティングであれば、少なくともミスの傾向は揃えることはできますので、予想外のミスは減らせるでしょう。クラブの重量は一般的な家庭にある測りでも計測できますので、ゴルフの調子がいつもバラバラな方は、一度計測してみてはいかがでしょうか。

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