世界アマチュアランキング1位の中島啓太が念願の「日本アマチュア選手権」を制した。悪天候の中でも崩れずにコントロールできたスウィングをプロゴルファー・中村修が解説。

日本アマチュアゴルフ選手権は最終日がスタートしたものの悪天候のため中止になり、3日目まで10アンダーで単独首位に立っていた世界アマチュアランク1位の中島啓太選手が念願の初優勝を飾りました。

画像: 日本アマのタイトルを手にした世界アマチュアランク1位の中島啓太(写真は2021年の日本アマチュアゴルフ選手権 写真/矢田部裕)

日本アマのタイトルを手にした世界アマチュアランク1位の中島啓太(写真は2021年の日本アマチュアゴルフ選手権 写真/矢田部裕)

中島選手はツアーで見るたびに体も大きくなり飛距離も伸ばしています。ツアー関係者によると、最近の飛距離は計測器で測るとキャリーで300ヤードを越えることが当たり前になっているそうです。

アマチュアで世界ランク1位というと、かつてはロリー・マキロイやリッキー・ファウラーがその座に座り、日本人では松山英樹、金谷拓実の両選手と中島選手しかなったことがない、いわば世界レベルのゴルファーであることを証明する称号。そのスウィングを見てみましょう。

画像Aを見るとスタンスも広すぎずバランスの取れたオーソドックスなグリップ、アドレスです(左)。右のトップの画像では、右の腰を後ろに引くように回しながら左のお尻をターゲットに向けるように回転させています。このことによってダウンで左サイドに踏み込む準備を整えています。

画像: 画像A:オーソドックスなアドレスから、左のお尻をターゲット方向に向けるようにバックスウィング(写真は2021年の東建ホームメイトカップ 写真/有原裕晶)

画像A:オーソドックスなアドレスから、左のお尻をターゲット方向に向けるようにバックスウィング(写真は2021年の東建ホームメイトカップ 写真/有原裕晶)

画像Bの左を見ると、インパクトの前から左ひざが伸びてかかとが浮いていることがわかります。ダウンの早い段階で左足を踏み込み、そして伸ばす動きを使って、効率よくクラブを加速させています。左足はピンと伸びていますが、頭の位置が高くなりません。しっかりと前傾角がキープできた、ミート率の高いスウィングであることが見て取れます。

画像: 画像B:プレインパクトの段階で左ひざが伸び、かかとが浮いている。それでいて頭の位置は低いままであることで、クラブを加速させつつミート率も保っていることがわかる(写真は2021年の東建ホームメイトカップ 写真/有原裕晶)

画像B:プレインパクトの段階で左ひざが伸び、かかとが浮いている。それでいて頭の位置は低いままであることで、クラブを加速させつつミート率も保っていることがわかる(写真は2021年の東建ホームメイトカップ 写真/有原裕晶)

スウィングは非常に素晴らしい。コースマネジメントもナショナルチーム仕込みで緻密。それでいて、普段の生活にも余裕が見られるというからすごい。なんでも、その日のうちにやるべきことは午前中で終わらせ、ゴルフの練習も100球程度。あとの時間で他スポーツを楽しんだりもしているそうです。

生活にメリハリをつけ、自分がコントロールできることはしっかりコントロールする姿勢が身についているのでしょう。

画像: 悪天候の中でも2日目に63とスコアを伸ばし日本アマのタイトルを手にした(写真は2021年の日本アマチュアゴルフ選手権 写真/矢田部裕)

悪天候の中でも2日目に63とスコアを伸ばし日本アマのタイトルを手にした(写真は2021年の日本アマチュアゴルフ選手権 写真/矢田部裕)

世界アマチュアランク1位、日本アマのタイトルを引っさげて、8月には全米アマに挑む中島選手。そのプレーが今から楽しみでなりません。

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