女子ツアー「GMOインターネット・レディース サマンサタバサ グローバルカップ」は若林舞衣子がツアー4勝目を挙げた。そんな彼女のセッティングに注目してみると、4本のUTのうち28度のみスチールシャフトを採用している。一体なぜ?アマチュアゴルファーにも参考になる?

「GMOインターネット・レディース サマンサタバサ グローバルカップ」は、野澤真央とのプレーオフを制した若林舞衣子ツアー4勝目をあげた。若林は先週の試合でも堀琴音とプレーオフを戦っており、2戦連続でプレーオフというタフな状況だった。

ちなみに若林はそれ以前には、2008年の「クリスタルガイザー レディスゴルフトーナメント」で古閑美保とプレーオフを戦い、そのときは惜しくも敗れている。「日本ハムレディスクラシック」はなんと、13年ぶりのプレーオフだったのだ。選手寿命の長いゴルフならではのレア記録だと言えそうだ。

若林は2007年プロ合格で、同期には服部真夕や青山加織などがいる。入れ替わりの早い昨今の女子ゴルフではベテランの部類と言えるだろう。この十数年で女子ゴルフは若年化が進み、その影響もあってか、かつてよりもずっとパワーゴルフ化が進んでいる。ドライバー飛距離が250ヤードを超える選手もそれほど珍しくなく、飛距離でアドバンテージを取る選手が増えてきている。

画像: 今大会を制した若林舞衣子。4本のUTのうち28度のみスチールシャフト「N.S.PRO ZELOS8 HB R」を使用している(写真は2021年のGMOインターネット・レディース サマンサタバサグローバルカップ 撮影/姉崎正)

今大会を制した若林舞衣子。4本のUTのうち28度のみスチールシャフト「N.S.PRO ZELOS8 HB R」を使用している(写真は2021年のGMOインターネット・レディース サマンサタバサグローバルカップ 撮影/姉崎正)

若林はドライビングディスタンス227.5ヤード(※7月18日現在)。飛ばないわけではないのだが、現在のツアーの現状を考えると、やはり飛距離でアドバンテージは取れない。そのため、2打目以降で使用する長いクラブ、FWやUTが重要になる。若林はアイアンを7番までしか入れておらず、その上にUTを4本入れている。このあたりの番手で、高さと距離をしっかりと打ち分けていくのがスコアメイクの生命線だ。

面白いのは4本のUTのうち、上の3本はカーボンシャフト(フジクラ『MCH 60R』)で、28度の6UTのみスチールシャフト(日本シャフト『N.S.PRO ZELOS8 HB R』)を装着している点だ。これはアイアンがスチールなので、その流れにできるだけ近づけたいという意図が推測できる。

同じフィーリングで打ちたいという理由で、UTとアイアンのシャフトをなるべく揃えるという発想はわかりやすい。しかし、そう単純にいかないのがゴルフクラブの難しいところだ。形状が大きく異なるUTとアイアンでは、仮に同じシャフトを装着してもスイング中のクラブの挙動が変わってくるのだ。具体的に言うと、より重心が深いUTのほうが、ヘッド後方が下がりやすく、動きが大きくなる。

若林は「一番最初に使ったときに(カーボン装着モデルだと)飛んでいたので、あわせるためにスチールを入れました。アイアンに近い感じにするため」とコメントしている。プロはチップカットや重量調整などの微調整を駆使して、より自分が扱いやすいようにしている。このあたりのこだわりはアマチュアにも参考になりそうだ。

ドライバーは、45.75インチと長めの仕様。ウッドは3Wと5Wの2本。UTは4本、アイアンは4本、ウェッジ2本と各カテゴリーがバランス良く入っていながら、全体としてセットの流れを感じさせるセッティングだ。

【若林舞衣子のクラブセッティング】

1W:ヨネックスEZONE GT 455(9度、REXIS KAIZA-M2 5SR 45.75インチ)
3W:テーラーメイド SIM2 MAX(15度、Speeder NX 50SR)
5W:テーラーメイド SIM2 MAX(18度、Speeder NX 50SR)
3UT:ヨネックスEZONEXPG(19度、 MCH 60R)
4UT:ヨネックスEZONEXPG(22度、 MCH 60R)
5UT:ヨネックスEZONEXPG(25度、 MCH 60R)
6UT:ヨネックスEZONEXPG(28度 N.S.PRO N.S.PROZELOS8 HB R)
7I~PW:ヨネックスEZONE CB 501 Forged(N.S.PRON.S.PRO850NEO R)
52度58度:ヨネックスEZONE W 501
PT:テーラーメイドTPコレクション ハイドロブラスト ジュノ TB2 トラスセンター
BALL:スリクソンZ-STAR ダイヤモンド

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