7月29日から4日間の日程で開催される「東京オリンピック 男子ゴルフ」。日本代表として出場する星野陸也のスウィングをプロゴルファー・中村修が解説。

現在賞金レーストップ。さらに3つのメジャーを経験して総合力がアップした

2020-21年シーズンで3勝を挙げ、目下賞金ランク1位を走る25歳の星野陸也選手。「全米オープン」では現地の最終予選を勝ち上がり本戦でも予選を通過し26位タイで終えました。2021年は全米プロ、全米オープン、全英オープンと3つのメジャーを経験したことで総合力がアップしていることは間違いありません。

星野選手は弾道を操りながらボールをコントロールするタイプ。様々なコースやコンディションを経験することで養われたそのスキルは、改修され戦略性がさらに高まった霞が関CC東コースでも弾道を操りながらピンを攻める姿が見られると思います。そのスウィングを見てみましょう。

画像: 松山英樹とともに東京オリンピックに日本代表として臨む星野陸也(写真は2021年のダイヤモンドカップ 写真/矢田部裕)

松山英樹とともに東京オリンピックに日本代表として臨む星野陸也(写真は2021年のダイヤモンドカップ 写真/矢田部裕)

画像Aの左では、186センチの恵まれた体を生かした大きなスウィングアークが特徴です。まずオーソドックスなスクェアグリップで握り、肩幅よりも少し広いスタンスで構えます。右足と左足の体重配分は、試行錯誤しながら6対4から7対3にしていると4月の関西オープン優勝のコメントで話していました。

目線は残しつつも顔の向きを後方に傾けながらスムーズにテークバックしています。早い段階で背中がターゲットを向いていることからも、手打ちになりにくい始動だといえます。

画像: 画像A 肩幅よりも広いスタンス幅で大きく構え(左)、テークバックでは早い段階で背中がターゲットを向くスムーズなバックスウィング(右)(写真は2021年の関西オープン 写真/岡沢裕行)

画像A 肩幅よりも広いスタンス幅で大きく構え(左)、テークバックでは早い段階で背中がターゲットを向くスムーズなバックスウィング(右)(写真は2021年の関西オープン 写真/岡沢裕行)

そしてトップからの切り返しで打ち急がず、タイミングがいいのが星野選手のスウィングのもうひとつの特徴でもあります。画像B左のトップから右のダウンスウィングに入るまで、打ち急がずに間があることでクラブがスウィングプレーンに乗り、ボールにしっかりとエネルギーを伝えられる軌道へと導いています。

画像: 画像B ZOZOで感じたという世界のトッププレーヤーたちのタイミングの良さを取り入れ、トップからダウンへの間を作ることで安定したオンプレーンの軌道でスウィングできる(写真は2021年の関西オープン 写真/岡沢裕行)

画像B ZOZOで感じたという世界のトッププレーヤーたちのタイミングの良さを取り入れ、トップからダウンへの間を作ることで安定したオンプレーンの軌道でスウィングできる(写真は2021年の関西オープン 写真/岡沢裕行)

画像B右のように手先からではなく体の左サイドを使って切り返しすことで、一瞬手元がターゲット方向とは逆方向に動き、大きな半径を描いてボールへと向かいます。

体の左サイドで切り返したことにより画像Cの左ではヘッドスピードを加速する距離が確保されると同時に、ゆるやかな入射角でボールに向かう軌道にヘッドが乗ってきます。そして画像B右のインパクトでは、しっかりとボールにエネルギーを伝えるインパクトができています。このあと低く長いインパクトゾーンから大きなフォローへとつながっていきます。

画像: 画像C  186センチの恵まれた身長を生かした大きなアーク(左)から体幹を使いボールにしっかりとエネルギーを伝えるインパクトへとつながる(写真は2021年の関西オープン 写真/岡沢裕行)

画像C  186センチの恵まれた身長を生かした大きなアーク(左)から体幹を使いボールにしっかりとエネルギーを伝えるインパクトへとつながる(写真は2021年の関西オープン 写真/岡沢裕行)

「ZOZO(チャンピオンシップ)で見たトッププレーヤーたちはスウィングのタイミングがよくて、ボールがあると思っていないようで、スウィングする中にボールがある」にように見えたと以前語っていた星野選手。

世界を見て感じたことをしっかりと吸収し、自分のゴルフに取り入れて成長した姿を見せてくれています。松山英樹選手に続いて世界の舞台に羽ばたこうとする星野選手が東京オリンピックでどんなプレーを見せてくれるのか、引き続き注目していきます。

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