ここ一番のラウンドで思うように結果を出せない原因は、技術面ではなくメンタル面にあることも多い。「とくにパフォーマンス低下を招きやすい、3つの思考習慣があるんです」というのは、プロも教えるメンタルコーチ・池努。対処法も含めて、詳しく話を聞いてみよう。

ゴルファーの心を乱す3つの思考習慣とは?

ゴルファーの悩みの多くは試合本番やコンペ本番でのパフォーマンス低下にあります。その本番でのパフォーマンスの低下につながっている心理的要素に、以下の3つの思考習慣があります。

【1】WHY思考
【2】他者への愚痴
【3】アンコントロール思考

画像: メンタル面によってプレー時のパフォーマンスも左右される。ポジティブにプレーするためには普段の思考習慣から気を付けたいと池氏は言う

メンタル面によってプレー時のパフォーマンスも左右される。ポジティブにプレーするためには普段の思考習慣から気を付けたいと池氏は言う

試合本番で「なかなかミスから切り替えられない」「流れが悪くなると止まらなくなる」「ポジティブなメンタルでプレーできない」などの課題がある方はこの3つの思考習慣を見直すことでハイパフォーマンスにつながるメンタルの状態へつながるかもしれません。では具体的に、それぞれどのような思考なのかと、そういった思考に陥らないための対処法を見ていきましょう。

WHY思考

まずはWHY思考です。ゴルファーのパフォーマンスが下がりミスが増えるとどうしても「なぜ? なんで?」と自己対話することが多くなる傾向があります。「なぜミスばかりするんだ?」「なぜ本番ではパターが決まらないの?」「なんで練習通りいかないんだ?」と。

この「なぜ? なんで?」の問いへの基本的に「自分のダメなところ」ばかりです。「なぜ結果がでないんだ?→自分は能力がない……」などのマイナス要因です。そしてWHYが増えてくるとマイナス要因ばかりが頭を埋め尽くし良いイメージが浮かばなくなります。

この場合の解決策はWHAT・HOW思考をすることです。「なぜうまくいかないんだ?」ではなく「次の一打では何が必要?(WHAT思考)」や「次に一打でどうプレーしていくべき?(HOW思考)」とWHAT・HOWで自己対話をすることでプラスなアイディアや解決策が増えてきます。日頃からWHY思考ではなくWHAT・HOW思考を使っていく習慣を持つことで、試合でもそれらの思考ができるようになってきますよ。

他者への愚痴

2つ目の心を乱す思考習慣は「他者への愚痴」です。ゴルフでも仕事でも自身のパフォーマンスや結果がうまくいっていないときは他者、たとえばコーチやアドバイスをくれた先輩などに対する愚痴のひとつも言いたくなりますよね。

もちろんガス抜きでたまに愚痴ることも大事ですが、それを口にすることが実は自分自身にもっとも悪影響があることを理解しておく必要があります。

というのも、人のメンタル形成において「普段使う言葉」がかなり影響しているんです。「あの人はここがダメ」「あそこが悪い」と他者に対するネガティブワードを使うことは自分自身にその言葉をかけているようなものなんです。人の愚痴を言っている人で心が整理されている人はあまり見かけませんよね。

有名な話ですがタイガーウッズは優勝争いしている相手のパッティングを「外れろ」ではなく「入れ!」と思っているようです。だから自分自身のここぞという場面のパターでもポジティブにプレーできるのかもしれませんね。

アンコントロール思考

3つ目の心を乱す思考習慣はアンコントロール思考です。アンコントロールとは自分がコントロールできないことを指します。自分がコントロールできないことの代表的な3大要因が「過去の結果」「未来の出来事」「他人の性格・評価」の3つです。

私たちはすぐに過去に対して「この番手で打てば良かった」「なぜあのパットラインを選択をしたのか」などと過去を延々と考えてしまうし、未来に対して「曲げてしまったらどうしよう」「こうなったら嫌だ」と不確定な未来に対して不安を感じてしまいます。他者からの評価なども同様ですね。

それらを気にしてしまうのも人間らしさでもありますが、そうは言ってもすべて自分ではコントロールできないことですから、あれこれ思考しすぎてもストレスになるだけです。

当たり前のことではありますが、過去・未来・他人は「コントロールできないことなんだ」と知っていればそれらに振り回されることが減り、自分がフォーカスすべき行動に集中しやすくなります。ぜひアンコントロールへの思考は減らしていきましょう。

いかがだったでしょうか? 今回はゴルファーが見直すべき心が乱れる習慣を3つ紹介していきました。「自分にも該当するな」と感じたことがあればぜひ見直すきっかけにしてみてほしいと思います。

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