世界ランクトップ100圏外の104位と不振が続いているリッキー・ファウラー。成績が悪くても人気は不動だが、ここにきてようやく復活の兆しが見えてきた。東京オリンピック直前のPGAツアー「3Mオープン」初日、目の覚めるようなプレーで暫定トップに踊り出た。

スウィングやスコアではなく、目の前のショットに向き合うようになった

「リンクスは大好き。相性がいいんだ」といって挑んだ前週の全英オープンでは53位タイと上位進出ならず。それでも最終日はベストスコア(タイ)65をマークし噛み合えばビッグスコアがでることを証明したファウラー。

その勢いのまま出場した3Mオープンでは3連続を含む7バーディ(ノーボギー)を奪ってサスペンデッドとなった初日、トロイ・メリットと並び暫定ながらトーナメントをリードした。

「最近手応えを感じている。どん底だったころは神経質なくらいスウィングのあれこれを考えてスコアをまとめることができなかった。でも最近はスウィングのことは考えずとにかくゴルフを楽しむようにした。目の前のショットに向き合ってスウィングやスコアのことは二の次。そういうプレーができるようになったのは良い傾向だと思う」

画像: 3Mオープン初日に7アンダーと首位タイ発進したリッキー・ファウラー(写真は2021年のアーノルド・パーマーインビテーショナル)

3Mオープン初日に7アンダーと首位タイ発進したリッキー・ファウラー(写真は2021年のアーノルド・パーマーインビテーショナル)

ショットもキレていたがインからスタートしたこの日、1番パー4で10メートル近いバーディパットを沈めるなどストロークゲインドパッティング(パットのスコアに対する貢献度)は4.237と神がかり的に絶好調。

「目先のことじゃなく大きなビジョンを描けるようになってきた。そういうポジションに戻ってこられたことがうれしい」

復調の芽が見え始めたのは5月の全米プロゴルフ選手権。マスターズに出場できなかった悔しさをバネにトップ10(8位タイ)に入り「自信が少し戻ってきた」と語っていた。

とはいえ現状は厳しい。15年にプレーヤーズ選手権に優勝し2022-23年シーズンまでのシード権は持っているがフェデックスカップのポイントランクは現在124位でプレーオフシリーズに進出可能なボーダーライン、トップ125ギリギリのポジジョンだ。今大会で優勝すれば44位までジャンプアップし、トップ30のみが出場するツアー選手権への道も見えてくる。

大会前には仲の良いタイガー・ウッズの近況について語りさながらスーパースターの報道官の役割も果たしたファウラー。

「タイガーは1日のほとんどをリハビリに費やしている。僕と同じくらい頑固でゴルフフリークの彼の気持ちはよくわかる。タフな闘いだしこの先の道のりは長いだろう。それでも彼は一心不乱でその闘いに挑んでいる」

だからタイガーは絶対に戻ってくるとファウラーは信じているのだ。タイガー本人は競技復帰の可能性について明言は避けているが、年下の親友ファウラーは不死身の友を支え、刺激を受け、自らも完全復活に向かって歩んでいる。

ツアーで唯一ティーングエリアに登場しただけで黄色い声援が飛ぶファウラー。残り3日間の戦い&今後に注目だ。

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