本日発表となったタイトリストのニューアイアン「T100」「T100S」「T200」「T300」の4モデルをプロゴルファー・中村修と堀口宜篤がさっそく試打! それぞれどのような性能となっているのかたしかめた。

Tシリーズの2021年モデルが登場

タイトリストのTシリーズアイアンの2021年モデルが2021年7月30日に発表となった。Tシリーズは2021年モデルで2代目。ラインナップはT100、T100S、T200、T300の全4モデルとなっている(U505というユーティリティアイアンもラインナップに加わっている)。

ではそれぞれどのような性能となっているのか。プロゴルファー・中村修と堀口宜篤に各モデルの7番アイアンを試打してたしかめてもらおう。

プロ好みの見た目・性能に寛容性を加えた「T100」

まずはT100から見ていこう。ジョーダン・スピースが海外メジャー「全英オープン」の直前にスイッチし、惜しくも勝利は逃したが単独2位といきなり結果を残したことでも話題となったT100は、ツアープロの好みを反映したアイアン。ロフトは7番で34度の設定だ。

「見た目は上級者好みのコンパクトな顔ですね。構えたときのネックからフェースへのラインが、グースまでは行かないけれども少しつかまえてくれそうな感じがします」(堀口)

顔についてはまさにブレードアイアンだが、実は内部のトウ・ヒール部に高比重のタングステンウェートを搭載しており、ツアープロが求める操作性を実現しつつ寛容性も併せ持ったモデルに仕上がっているという。

ではさっそく両者の試打結果を見ていこう。なお、シャフトは日本シャフトと共同開発した純正オリジナルモデル「NSプロ105T」のSフレックスと組み合わせて打ってもらった。

【堀口のT100(7番)の試打結果】
HS38m/s キャリー156Y トータル164Y 打ち出し角18.8度 降下角45.3度 ボール初速49.7m/s スピン量5719回転

【中村のT100(7番)の試打結果】
HS38m/s キャリー154Y トータル158Y 打ち出し角19.8度 落下角47.4度 ボール初速50m/s スピン量6594回転

画像: タイトリスト「T100」アイアン(写真は7番)

タイトリスト「T100」アイアン(写真は7番)

「タングステンウェートを搭載したモデルですが、打感については純粋なマッスルバックのような柔らかさがありますね。前作のT100よりもさらに柔らかくなっていると思います。スピンもかかってしっかり止まってくれるし、打っていて気持ち良いアイアンですね」(堀口)

中村も「少しの打点のズレを許してくれる感じがあり、それでいてちゃんとマッスルバック的な打感があり、手元にインパクトの際のフィードバックも伝わってきます」という。

さらに両者の意見が一致した点は、オリジナルシャフトである「NSプロ105T」の性能だ。

「重量帯的にはNSプロ モーダス3 ツアー105とNSプロ モーダス3 ツアー115の中間にあたる設定で、105Tは手元側にちょっとしなり感があって、ヘッドが戻ってきてくれる感じがあります」(堀口)

シャフトラインナップはNSプロ105TとNSモーダスツアー115の2種。手元系が好きな人はNSプロ105T、先調子系が好みならNSモーダスツアー115、といったように選ぶことができそうだ。

T100に飛距離性能をプラスした「T100S」

続いてはT100Sを見ていこう。こちらはT100のヘッド形状をもとに飛距離性能をプラスしたモデル。7番で32度とT100と比べてややストロングロフト設計になっているが、「見た目自体はT100との違いはないと言って良いくらいです」と堀口。

キャビティ部に搭載された「マッスルチャンネル」なるテクノロジーによって、ボール初速を上げつつもT100アイアンと同レベルの打ち出し角を実現しているという。

画像: タイトリスト「T100S」アイアン(写真は7番)

タイトリスト「T100S」アイアン(写真は7番)

では両者の試打結果を見てみよう。組み合わせたシャフトは「NSモーダスツアー115」のSフレックスとなっている。

【堀口のT100S(7番)の試打結果】
HS38m/s キャリー161Y トータル168Y 打ち出し角19.3度 降下角46.3度 ボール初速50.7m/s スピン量5504回転

【中村のT100S(7番)の試打結果】
HS36.3m/s キャリー151.3Y トータル159.3Y 打ち出し角19.1度 落下角45.5度 ボール初速50m/s スピン量6061回転

「打感はT100と変わらないまま、飛距離が伸びています。これは2度のロフト差の影響もあるでしょうが、注目すべきは降下角が上がっている点。通常ロフトがより立った飛び系モデルは降下角が下がっていく傾向にありますが、T100Sに関しては逆に少し上がっています」(堀口)

降下角はどれくらいランが出るかに影響を及ぼす数値だが、T100Sは「飛距離にやや性能を振りつつも、ランが出過ぎず止まってくれる理想的な降下角を実現できていますね」と中村。「何より、飛距離が少し伸びつつもルックスはT100と同様であるのがすごく良いですね」と評価した。

飛距離性能を高めた中空構造の「T200」

3モデル目はT200。中空構造を採用したツアーディスタンスアイアンという位置づけで、ロフトは7番で31度。

T200に関してもトウ・ヒール側に高比重タングステンウェートを搭載し、重心位置を最適化。バックフェースの形状も「前作のT200と比べてかなりスッキリして、顔も少しコンパクトになりました」と堀口。

コンパクトながら、フェースの広範囲で反発性能を高め、ボール初速が向上するよう設計されているのだという。シャフトはオリジナルの「NSプロ880AMC」のSフレックスを組み合わせて試打を行った。結果は以下の通りだ。

画像: タイトリスト「T200」アイアン(写真は7番)

タイトリスト「T200」アイアン(写真は7番)

【堀口のT200(7番)の試打結果】
HS38m/s キャリー165Y トータル171Y 打ち出し角19.2度 降下角46.5度 ボール初速51.5m/s スピン量5332回転

【中村のT200(7番)の試打結果】
HS37m/s キャリー162Y トータル167Y 打ち出し角19.8度 落下角47.4度 ボール初速51m/s スピン量5530回転

「T100、T100Sと比べると打感は少し弾く感じもありますが、飛び系ということを考慮するとかなり柔らかめの打感です。飛距離がしっかり出ていて、スピン量は前述の2モデルより少し落ちていますが、そのぶん高さが出ているので結果しっかり止まってくれます」(堀口)

中村も「球の高さがしっかり出ていて、T100、T100Sよりも飛距離性能に振っていながら降下角が遜色ないのはスゴイです。しっかりグリーンを狙っていけそうですね。ヘッドもスッキリしていて構えやすいですから、技術はあるけど最近飛距離が落ちてきたなという方にピッタリハマリそう。散らばりが少ないのもいいですね」と評価した。

さらに飛距離性能・寛容性を高めた「T300」

T300は飛距離性能とやさしさに特化したモデル。ロフトは7番で29度と4モデルのなかではもっともストロング設計。ヘッドはミッドサイズでほか3モデルと比べるとやや大きめで、バックフェース部のキャビティも深く抉れた形状となっている。

「ほか3モデルと比べるとフェース長が長くトップブレードも少し厚めで、見た目からもやさしさが伝わってきますね」と堀口。では試打結果はどのように変わるのか。さっそく見てみよう。なお、組み合わせたシャフトはT200と同じく「NSプロ880AMC」のSフレックスとなっている。

画像: タイトリスト「T300」アイアン(写真は7番)

タイトリスト「T300」アイアン(写真は7番)

【堀口のT300(7番)の試打結果】
HS38m/s キャリー170.3Y トータル179.7Y 打ち出し角19.7度 落下角47.6度 ボール初速52.7m/s スピン量5101回転

【中村のT300(7番)の試打結果】
HS38m/s キャリー163.7Y トータル170Y 打ち出し角18.5度 落下角45.4度 ボール初速51.7m/s スピン量5412.3回転

「ストロングロフトなんですが、高さが低くなってより飛んでいるのではなく、高さを出しつつ飛距離性能も両立しているのが大きなポイントですね。降下角が確保されているので、飛び系にありがちな飛ぶけど止まらないといったことが起きづらいですし、それでいて寛容性も高い。技術の進化を感じる1本です」(中村)

堀口も「ミスヒットしてもクラブが助けてくれたのを実感できるくらいやさしいです」と評価。

「打感はT200よりさらに弾き感は増した感じですが、直進性も高くやさしい。アマチュアの方の大きな武器となりそうですね」(堀口)

打点のズレに対する寛容性はT100>T100S>T200>T300と数字の通り。打感の良さも同様の順で弾き感が強くなっているという。なにより両者が驚いたのはヘッド性能もロフト設定も違う4本で、降下角が近い数値にそろえられていた点だ。

「通常ロフトが立ってくるとそのぶん高さが落ちてきてしまいますが、新たなTシリーズに関しては4モデルとも理想的な降下角である45度前後に収まってくれています。ロフトや飛距離性能も異なる4モデルで降下角がしっかり統一されているのを見ると、改めて技術の進化を感じますね」(中村)

4モデルいずれも高さによってしっかり止まるため「どれが自分に合っているのか。その決め方も今までのアイアンとは少し変わってきそうです」と堀口。

「新たなTシリーズは、4モデルいずれも高さが出て降下角の差があまりないので、スピン量の差はあれどどのモデルも止まってくれます。なので単純に顔の好みや自分がアイアンで飛ばしたい距離、そして寛容性、イメージした高さが出ているかを確認して自分に合うモデルを選ぶのが良いのではないかなと思いますね」(堀口)

ボールを操ることがスコアにつながるゴルファーはT100がもっとも“やさしい”モデルとなるだろうし、アイアンも飛んでくれたほうがスコアにつながるゴルファーはT300がもっとも“やさしい”モデルとなる可能性がある。そして、両者の中間には操作性と飛距離を併せ持つT100S、飛びと寛容性、そして見た目のシャープさまでを持つ万能タイプのT200もある。ゴルファーのタイプ、アイアンになにを求めるかによってモデルを選ぶことができるという印象だ。

4モデルいずれもしっかり違いを感じられた新たなTシリーズアイアン。最注目のアイアンとなりそうだ。

画像: タイトリストのニューアイアン「T100」「T100S」「T200」「T300」はどんな性能? プロがさっそく試打してたしかめた youtu.be

タイトリストのニューアイアン「T100」「T100S」「T200」「T300」はどんな性能? プロがさっそく試打してたしかめた

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