東京オリンピック男子ゴルフで金メダルを獲得したザンダー・シャウフェレ。「そのクラブセッティングのなかでも3番ウッドの下に5番ではなく7番ウッドを採用しているのが興味深いです」というのは、業界屈指のギアオタクでクラブフィッターの小倉勇人。詳しく話を聞いてみよう。

3番、7番ウッドともにロフトを立てて使っている

みなさんこんにちは、ギアオタク店長の小倉です。今日は東京オリンピックで見事金メダルを獲得したアメリカのザンダー・シャウフェレについてです。まだ記憶に新しい2021年のマスターズ、松山英樹プロが制覇したメジャートーナメントですがこの時3日目、4日目と同じペアリングで最後まで争ったのがこのシャウフェレでした。

彼のセッティングはいたってシンプルです。トラディショナルな組み合わせと表現しても良いでしょう。

ドライバーにFWを2本、そしてアイアンを4番からPWまで。そしてウェッジを52・56・60度と3本入れています。飛ばし屋らしく、いわゆるユーティリティ的なクラブは入れずにロングアイアンを入れています。

ウッド類に装着しているシャフトは、3本とも日本のグラファイトデザイン社製。ドライバーとFW2本のモデルは違いますが、しなるポイントが近いモデルを使用していて、振り心地の近いモデルをチョイスしているようです。

個人的に興味をそそられたのがFW。多くのプロはFWを2本セットする場合3Wと5Wとなるケースが多いのですが、シャウフェレは3Wと7Wを組み合わせています。

画像: ザンダー・シャウフェレは3番ウッドの下に5番ではなく7番ウッドを採用している

ザンダー・シャウフェレは3番ウッドの下に5番ではなく7番ウッドを採用している

3Wは43.25インチとやや長めに設定し、飛距離を重視した仕様になっていて、7Wは41.5インチと一般的な7Wよりも短めの設定になっているようです。FWの下のクラブは4Iなのでこの7Wのカバーする飛距離ゾーンはかなり広く、彼のプレーのひとつのカギとなるクラブになっているのでしょう。

3Wは15度のモデルを弾道調整機能でロフトを14度に、7Wも20度のモデルを18.8度に変更して使用しています。これは飛距離の調整もあるでしょうが、つかまりを抑える効果を狙っている部分もあるでしょう。

弾道調整機能は、スリーブの作りによって異なりますが、ロフト角などを調整する時にフェース角やライ角など他の要素に影響を与えてしまいます。ロフトを増やす方向に調整するとフェース角やライ角がつかまる方向に引っ張られてしまうことが多いので、あえて7Wのヘッドを選び、ロフトを立てて適正なロフト角を確保しつつ、つかまりを抑えた仕様にしているのかもしれません。

ちょっと短めにして、つかまりを抑えたシャフフェレの7Wは、アマチュアにも効果がありそうな気がします。手頃なヘッドを探して自分も組んでみたいですね!

撮影/服部謙二郎

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