レーザー距離計やスマートウォッチ型のGPS距離計などのデバイスをラインナップするガーミンからレーダー式のコンパクトな弾道計測器「アプローチR10」が発売される。使用した瞬間「これは買いだ!」とすっかり気に入ったプロゴルファー・中村修がレポート。

コンパクト&低価格ながら弾道データとクラブデータ両方計測できる

弾道計測器の進化は、世界のゴルフを進化させたと言っても過言ではありません。その功績は、飛んでいくボールの飛距離、スピン量、打出し角、初速、スピン軸の傾きなどのボールデータに加え、なぜその弾道になったのかの根拠となるインパクトでのクラブのフェース向き、軌道、入射角などのクラブデータを分析できるようになったこと。それにより、どうすれば理想的な弾道が打てるのかの研究が飛躍的に進んだのです。

画像: スマホと連携させボールデータに加えてクラブデータも計測できるガーミン「アプローチR10」

スマホと連携させボールデータに加えてクラブデータも計測できるガーミン「アプローチR10」

さて、弾道計測器は、インドアのゴルフ施設に設置されているシミュレーションゴルフのような移動不可能なモデルと、ポータブルでパソコンやタブレット(スマホ)を利用して練習場やコースでも使用できるモデルに大別できます。

今回ガーミンから発売される「アプローチR10」はポータブルなタイプのなかでも小型のもので、スマホと連携して使うモデルです。

これまでのポータブル式の弾道計測器は大きく250万円以上する上位機種と、30万円以内の手の届きやすい廉価版がありましたが、廉価版ではボールデータは表示されてもクラブデータは表示されず、それが上位機種との大きな差であり価格にも反映されていました。

ところが今回のガーミンアプローチR10では、7万4800円という価格でボールデータとクラブデータの両方が確認できるようになっています。

早速インドアのゴルフスタジオでテストしてみました。スマホに無料アプリをダウンロードし、ボールの後方1.8メートルから2.4メートルの距離に計測器を置いて、スマホと連動させれば準備完了。実際に打って計測した画面の画像Aを見ながら、その機能を説明していきましょう。

画像Aは3枚のスマホ画面をスクショしたものを並べています。一番左の弾道図が示された画面には、キャリー、総飛距離、ターゲットに対する方向のズレの3つのデータがヤードで表されています。

真ん中はクラブデータが中心に表示されています。軌道に対するフェース向き、打ち出し方向、クラブパス(軌道)、フェースの向き、入射角、打出し角といった必要にして十分なデータがわかりやすく表示されています。

そして、右の画面はヘッドスピード、ボール初速を含めた数値がまとめて表示されています。

画像: 左から弾道と飛距離、クラブデータ、ヘッドスピードや初速を含めた数値をまとめた画面

左から弾道と飛距離、クラブデータ、ヘッドスピードや初速を含めた数値をまとめた画面

これらの数値を読み解くことで、自分の上達につなげることができます。たとえば画像A左の弾道を見ると、ターゲットより左に打ち出され左に曲がる弾道であったことが見て取れます。では、どうして左に出て左曲がる球になったのか。その要因となったインパクトでのクラブ軌道やフェース向きの関係が、画像A中からわかります。

画像A中のクラブデータをじっくり見ると、クラブパスが2.8°左と表示されいるのでターゲットに対して2.8度アウトサイドインにクラブが通過していることがわかります。さらに、そのときのフェース向きは2.1度左を向いていることもわかります。つまり、アウトサイドインの軌道でフェースの向きも軌道とほぼ同じくらい左に向いていたのでやや引っかけた弾道になったことが確認できるというわけです。

アウトサイドインの軌道をストレートに近づければ左にズレる幅は少なくなるはずです。フェース向きをクローズからスクエアに近づければ、力強いフェードボールを打てるようになるかもしれません。このように、原因をデータで知ることで対策をたてることができます。

また、これらのデータはクラブフィッティングにも応用できます。たとえば、ドライバーのシャフトを変えて打ってみるとスピン量や打出し角、フェース向きなど変化することが確認できるはずです。クラブごとの飛距離なども、練習場にいながらにして容易に計測できます。

画像: ショットのバラつきを見るための統計画面やスマホの動画機能を使って自動で録画してくれる機能も装備する

ショットのバラつきを見るための統計画面やスマホの動画機能を使って自動で録画してくれる機能も装備する

もちろん上位機種ではパットの計測ができたり、様々な計測項目や表示方法も選択できたりと機能に大きな違いがあります。トラックマンやフライトスコープといった高機能な弾道計測機は、ボールを着弾地点まで追尾することで、風邪などの気象条件によって弾道がどう変化するかも確認できます。

「アプローチR10」にはできないこともありますが、最低限の弾道データとクラブデータの計測ができるのは非常に便利。価格も7万4800円と購入に現実味が湧きますし、コスパを考えたらかなり画期的なことだと思います。「これは買いだ」というのが、私の率直な使用感でした。

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