ラフの抵抗が強いこの時期は、ただ脱出するだけでも難しい。ミスなく脱出するには一体どうしたらいいのか? プロキャディ・伊能恵子から手強いラフからの打ち方と考え方を聞いた。

深いラフから打つのは難しい。多くのゴルファーはそう感じていると思います。私は、その理由は「ラフの深さ」に対して、正しいクラブ選択ができていないことだと思います。

たとえば、シューズが隠れるほどのラフから残り160ヤードという状況。グリーンを狙おうとピッタリの距離を打てる(はずの)6番アイアンを握ると、芝にくわれてシュシュシューと5ヤードほどラフの中を移動しただけ……なんてことにもなりやすい。みなさん実感していると思いますが、6番アイアンのようなクラブはラフから抜けにくいですからね。

画像: ラフから脱出するためには「ラフの深さ」に対して正しいクラブ選択が必要(撮影/増田保雄)

ラフから脱出するためには「ラフの深さ」に対して正しいクラブ選択が必要(撮影/増田保雄)

意識していただきたいのは、「シューズが隠れる長さのラフは6番アイアンだと抜けない」と把握すること。そして、次に同じような状況で繰り返さないようにすることが重要です。同じ状況で「次こそは!」と6番アイアンを握ってしまうとずっと同じことの繰り返しになってしまいますからね(笑)。

6番アイアンで抜けないと把握できれば1番手下の7番アイアンで打つ、と別の選択をすることができる。もちろん7番アイアンでも芝にくわれて脱出できないこともあるかもしれませんが、そしたらもう1番手下の8番アイアンを試せばいい。そうやって「ボールの深さ」に対して「抜けるクラブ選択」の成功体験をふやしていければ経験とともにラフの苦手意識は薄まっていくはずですよ。

同時に、ショートアイアンやウェッジでキレイに脱出できると、ボールとフェースの間にラフの葉っぱが挟まって起きるフライヤーも出てきます。これにしても、「これくらいのラフの感じだとフライヤーしそうだな」ということを、意識して覚えておき、次に活かすのがとても大切なことです。

このように、コースでの経験から自分のなかの情報の引き出し、その中身をどんどん増やしていくことが大事なんです。この時期のラフは難しい!で終わらせるのではなく、色々な選択肢を試すことでゴルフ力は間違いなく上がるはずですよ!

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