コロナの影響で長らく無観客の試合が続いたPGAツアーだが最近はコロナ前を彷彿とさせる大ギャラリーが会場に戻ってきた。声援が選手たちの好プレーを引き出す一方で心ないヤジを飛ばす観客もいる。

デシャンボーへの野次問題、前戦では警備員が出動する騒ぎに

年間王者が決まる最終戦ツアー選手権が開幕し前週のBMW選手権で優勝したパトリック・カントレーが首位。8年連続出場の松山英樹はお疲れモードで最下位。2日目以降の巻き返しを誓っている。

大会前にはPGAツアーのジェイ・モナハンコミッショナーが会見を行いヤジ問題に言及。「選手もギャラリーもお互いリスペクトがなければイベントは成り立たない。今後度を越した罵声やヤジを発したギャラリーには退場、チケット剥奪など厳粛に対処していく」と語った。

BMW選手権ではカントレーとプレーオフを戦ったブライソン・デシャンボーに対して確執が取りざたされているブルックス・ケプカの愛称“ブルクシー”を連呼するギャラリーが続出。プレーオフで敗れた彼に「よくやったよ、ブルクシー」と挑発的な言葉を投げつけたファンにデシャンボーが応酬。警備員が出動する騒ぎとなった。

画像: 現在開催中のPGAツアープレーオフ最終戦「ツアー選手権」。ブライソン・デシャンボーは7打のボーナススコアに加え、初日のプレーではトータル1アンダー。計8アンダーで3位タイにつけている(写真.Getty Images)

現在開催中のPGAツアープレーオフ最終戦「ツアー選手権」。ブライソン・デシャンボーは7打のボーナススコアに加え、初日のプレーではトータル1アンダー。計8アンダーで3位タイにつけている(写真.Getty Images)

そう、ヤジの大半はデシャンボーに向けられたもの。ゴルフ界イチの変人であり天才であり他に類を見ない奇抜な発想で話題を提供してきた彼は注目されるがゆえに批判の対象になることも。

デシャンボーの組には毎週のようにストップウォッチを手にした競技委員がつきスロープレーの警告を受けたり、「ワクチン打たない」発言で世間からバッシングを受けたり。

しかしそんな彼を擁護する選手もいる。デシャンボーの破格の飛びを羨み「真似をしようとしてスウィングを崩した」経験を持つロリー・マキロイだ。

「彼には正直同情している。ブライソンが人と違うことは最初から皆わかっていたことだし、誰かの基準に彼が合わせるべきだとは思わない。人と違うというだけで批判したり阻害されるべきではないと思う」

「過去にはいろいろあったけれど、心根の部分ではいい人間。それなのにあまりにも世間からいろいろいわれて彼自身がきつい態度をとるようになったのが悲しい。彼は世界イチのゴルファーになるためにあらゆる努力をしているだけなのに、毎週のようにゴルフ以外のことで騒がれてしまう。より良くなるために失敗から学んで前に進もうとしているんだからチャンスをあげなくちゃ」

そしてマキロイはこうもいう。

「ブライソン・デシャンボーとして生きるのは大変だ」

ヤジに関してスペイン出身のジョン・ラームはこんな大人の発言をしている。「サッカーならアウェイでものすごいヤジが飛ぶ。99パーセントのファンは温かい声援を送ってくれる。マナー違反はほんの1パーセントにすぎない」

最近のデシャンボーからは確かに笑顔が消えている。問題児と騒がれながら我が道を貫きメジャーチャンピオンになった彼がメンタルにダメージを受けるほど外野がうるさいとは気の毒。デシャンボーはつらいよ?!

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