PGAツアーの2020-21シーズン最終戦「ツアー選手権」はパトリック・カントレーが制し、第15代年間王者に輝いた。前週のBMW選手権ではブランソン・デシャンボーと6ホールに及ぶプレーオフを演じ快勝。フェデックスカップのポイントランク1位で臨んだ最終戦では世界ランク1位のジョン・ラームとのマッチレースを制して栄冠に輝いたが……賞金は「実質0円」!?

ちなみにボーナスは16億5000万円

年間王者を決めるツアー選手権はハンディキャップシステムが採用されている。BMW終了時点のランキング1位が10アンダーからスタート。以下8アンダー、7アンダー、6アンダーと順位によってハンディをもらい26位から30位がイーブンパーからのスタートとなる。

ハンディキャップを生かした“パティアイス”(終始冷静で氷のようにクールな戦いぶりから前週のBMWでついたニックネーム)ことカントレーが最初から最後までトップの座を譲ることなく先頭でゴールしたわけだが、さて、ここで問題。ツアー選手権の優勝賞金はいったいいくらでしょうか?

画像: PGAツアープレーオフ最終戦「ツアー選手権」を制したパトリック・カントレー(写真/Getty Images)

PGAツアープレーオフ最終戦「ツアー選手権」を制したパトリック・カントレー(写真/Getty Images)

まるで携帯会社のCMのようだが、答えは実質「0円」。プレーオフ初戦のノーザントラストで11位に入り20万ドル(2200万円)、2戦目のBMWの優勝で170万ドル(約2億円)を稼いだカントレーの優勝賞金は0円なのだ。

もちろん賞金は0でも全50試合を戦い抜いて1位に輝いたプレーヤーへのボーナスは手厚い。ご存知のようにカントレーは1500万ドル(約16億5000万円)のボーナスを手にしたのだが、2位以下の選手が受け取るボーナスもまた凄い。

2位のラームは500万ドル(約5億5千万円)、3位のケビン・ナには400万ドル(約4億4千万円)が支給され、26位タイの松山英樹が獲得したボーナスはおよそ44万ドルだから5千万円強。ツアー選手権に出場さえすれば最下位(30位/今回は棄権したブルックス・ケプカ)にも39万5千ドル(約4300万円)が付与される。

それだけではない。31位以下の選手にもフェデックスカップのプール金からボーナスの配当があり、31位の李京勲には20万ドル(約2200万円)、70位のフィル・ミケルソンに14万ドル(約1550万円)、シードぎりぎりの125位チェッソン・ハドリーでも1000万円強が支給される。

さらに驚くのが126位から150位までの準シード選手にもボーナスがあること。注目は150位に滑り込んだ小平智だが126位から150位までは同額なので126位のジャスティン・ローズと同じ7万ドル(約770万円)のボーナスをシーズン中稼いだ賞金とは別に手にすることになる。

残念ながら下部ツアーの入れ替え戦で小平は最終戦予選落ちに終わりPGAツアーのフル参戦権を逃したが、150位に入ったことで来季も数試合出場のチャンスがある。宝の山が眠るPGAツアー。小平の挑戦はまだ終わらない。

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