「住友生命Vitalityレディス東海クラシック」の初日は、6バーディノーボギーで大里桃子が首位に立った。稲見萌寧、渋野日向子、古江彩佳の注目組について歩いたプロゴルファー・中村修のレポートをお届け。

九州地方から近づく低気圧の影響で11時半頃から雨が降り始めると風も強くなり15時を過ぎる頃にはかなり強い雨風になるコンディションでした。予報では夜にはさらに強くなり明日の第2ラウンドのスタートを心配する声も出ているようです。

画像: 左から稲見萌寧、渋野日向子、古江彩佳(写真は2021年の住友生命Vitalityレディス 東海クラシック 写真/有原裕晶)

左から稲見萌寧、渋野日向子、古江彩佳(写真は2021年の住友生命Vitalityレディス 東海クラシック 写真/有原裕晶)

難しいコンディションのなか、多くの報道陣を引き連れてプレーしたのが稲見萌寧、渋野日向子、古江彩佳の組でした。

まずは渋野選手のプレーですが、昨日の練習ラウンドをじっくりと見て飛距離も伸びてきていますし、アプローチもウェッジの本数を増やしたことでシンプルに打って寄せられるようになってきているという印象を持ちましたが、実際の試合ではどうなのかが気になるところでした。

結果から申し上げると、ドライバーの飛距離については、風やフェアフェイの狭さもあって少し振っていないように感じましたが、アプローチには成長を感じさせました。上げたり転がしたりスピンをかけたりと、ひとつのクラブで打ち分けるのではなく、ウェッジを増やしたことでよりピン位置に対してシンプルに寄せられるようになっています。

画像: 初日を4バーディ2ボギーのトータル2アンダー7位タイで終えた渋野日向子(写真は2021年の住友生命Vitalityレディス 東海クラシック 写真/有原裕晶)

初日を4バーディ2ボギーのトータル2アンダー7位タイで終えた渋野日向子(写真は2021年の住友生命Vitalityレディス 東海クラシック 写真/有原裕晶)

ラウンド後の会見では「まぐれが多い感じだった」というコメントでしたが、それは17番は6メートルから少し強めのタッチが入ってくれたバーディ、最終18番では103ヤードからのセカンドをショートして13ヤードのアプローチをチップインという内容だったから。2アンダー7位タイは上々の滑り出し。明日以降は思い切り振り切って、のびのびとしたプレーを期待したいですね。

その渋野選手のプレーに対して稲見萌寧選手のプレーはというと、危なげないゴルフで3バーディノーボギーの3アンダー、3位タイで終えています。

例年以上にラフが深く、ファーストカットを越えると一気にボールが見えなくなるほどのセッティングの中、9番では35ヤードのバンカーショットを50センチに寄せてパー。後半の出だし10番でも左のラフからのセカンドをグリーン手前の花道に刻み約40ヤードを寄せてパーで切り抜けるなど、ティショットがラフにつかまってもパーをセーブする技術はさすが。

ショットの調子は週末にかけて徐々に上げていくのが稲見選手のいつものルーティンですが、調子の上がらない予選ラウンドをアプローチとパットでスコアを崩さないゴルフができるところが稲見選手の強さでもあります。

画像: 3バーディノーボギーのトータル3アンダー3位タイで終えた稲見萌寧(写真は2021年の住友生命Vitalityレディス 東海クラシック 写真/有原裕晶)

3バーディノーボギーのトータル3アンダー3位タイで終えた稲見萌寧(写真は2021年の住友生命Vitalityレディス 東海クラシック 写真/有原裕晶)

ラウンド後の会見で渋野選手は、稲見選手の内容を「外してはいけないところに外さない、リスクを背負わないお手本のようなゴルフ」と表現しました。見ていてまさにその通りだと感じましたが、そのベースになっているのがフェード一辺倒のマネジメントとアプローチとパットのショートゲームの安定感にあります。アプローチが上手いので、ラフに外しても無理してグリーンを狙わずにしっかりと寄せてパーでしのぎ、パー5ではグリーン近くからの3打目をしっかり寄せてバーディを奪います。

ショットでもアプローチでもインパクト前後に手先でクラブヘッドを走らせるような動きが入らないので、ヘッドスピードのコントロールが秀逸で距離感が抜群でした。それにプラスしてパッティングも安定していたので最終日に向けてショットの調子が上がって来るとなると、またまた稲見劇場が幕を開けそうな雰囲気が漂います。

最後にディフェンディングチャンピオンで賞金ランク3位の古江彩佳選手ですが、初日はショットに苦しみました。ティショットも良くなかったですしセカンドのアイアンショットも上手くコントロールできず、1バーディ3ボギーの2オーバーで48位タイと出遅れました。

しかし、調子の悪い中でもスコアを大きくは崩さないのが古江選手のゴルフ力。ラフにつかまりながらもアプローチとパットでパーを重ね、耐えるゴルフで予選通過圏内で初日を終えました。ショットが悪かったのでスウィングの感触を確かめながらのラウンドになったと思いますが、17番、18番といいドライバーが打てていましたので明日以降の巻き返しに期待します。

画像: 1バーディ3ボギーのトータル2オーバー48位タイで終えた古江彩佳(写真は2021年の住友生命Vitalityレディス 東海クラシック 写真/有原裕晶)

1バーディ3ボギーのトータル2オーバー48位タイで終えた古江彩佳(写真は2021年の住友生命Vitalityレディス 東海クラシック 写真/有原裕晶)

稲見選手はラウンド後の会見で「(マネジメントはしながらも)狙ったところに打てればマネジメントはいらないというタイプ」と語りました。先週の「日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯」の決勝ラウンドの2日間はまさにそんなゴルフを体現していましたが、2週連続優勝もあるのでは、と感じさせる稲見選手のプレーでした。

シーズン10勝を目指す稲見選手が今週末「9勝目」を達成するのか。目が離せなくなりそうです。

This article is a sponsored article by
''.