ドライバーに関しては長尺・短尺と求める性能に応じて様々なバリエーションがあるが、アイアンではどうだろう。業界屈指のギアオタクでクラブフィッターの小倉勇人が、アイアンの長尺化・短尺化によるメリット・デメリットを考えた。

実はアイアンもここ30年で長尺化が進んでいる

みなさんこんにちは、ギアオタク店長の小倉です。このコラムで何回かお話していますが、現在私はテーラーメイドの300ミニドライバーを44.25インチで組み上げて使っています。現代のドライバーよりも短めに組んだことでとても振り切りやすく重宝しています。そんななか現代のアイアンを短く組んだらどうなるんだろうという考えがよぎりました。

現代のアイアンの長さは、アスリートモデルが7番アイアンで37インチ。一般的なアベレージモデルが37.5インチ。飛距離を追求した飛び系モデルが38インチといったあたりが相場になっています。30年ほど前は7番で36.5インチが一般的でした。ドライバーほど極端ではないのですが、アイアンも昔に比べると長尺化されています。

アイアンは飛距離性能よりも正確性と安定性が求められるクラブなので、クラブを長くすると得られるヘッドスピード増大のメリットよりも安定性低下のデメリットのほうが大きく、今後これ以上アイアンとして長尺化されることはないでしょう。

画像: ドライバーほどではないにせよ、アイアンも昔と比べて長尺化が進んでいると小倉氏。最新モデルもその性能によってシャフトの長さの設定は異なる

ドライバーほどではないにせよ、アイアンも昔と比べて長尺化が進んでいると小倉氏。最新モデルもその性能によってシャフトの長さの設定は異なる

もしこれ以上長尺化されるとすれば、飛距離と安定性を両立させるためにヘッドのミスのへの許容性をさらに高める必要があります。そうなるとアイアンのヘッド形状を維持したままでは実現が難しいため、ウッド型UTのような形状にする必要があります。実はそういったモデルに似たコンセプトを持つクラブは何度か市場に登場しています。ですが定番モデルとして定着はしなかったですね。

では反対にアイアンの長さを短くするとどうなるか。バランスよく組むことが前提にはなりますが、ミート率が高めやすくなり、安定してグリーンを狙う性能が高いクラブになるでしょう。反面飛距離は若干落ちる可能性はありますが、ロングアイアンなどはミート率が上がり、打てなかった番手が打てるようになるかもしれません。

実際にうちのお客様では通常の設定の長さより短くした仕様のアイアンを好まれるお客様が何人かいらっしゃいます。そういった方々に共通する点は「アイアンが好き」というところです。好きなアイアンを全番手できるだけ芯で気持ち良く打ちたいという想いを持つ方が多いので、ミート率を高めるための方法のひとつとして短くすることを提案しています。

150ヤードを9番で狙う! というのも良いですが、4番アイアンを使いこなす! というのも私はカッコイイなと思います。色々なこだわりができるゴルフは本当に楽しいスポーツですよね~!

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