7番アイアンでロフトが25度のものもあれば、35度のものもあるように、もはや番手では飛距離や性能を推し量れなくなっている昨今のアイアン。2018年に自身のメーカー「Jucie(ジューシー)」を立ち上げた設計家・松吉宗之に、ストロングロフト全盛の今、アマチュアはどうアイアンを選ぶべきかを教えてもらった!

飛び系アイアンは「飛距離が落ちてきた上手い人」が使うと真価を発揮する

「大前提として、自分が好きなデザインのものを選ぶことが大事です。もちろん、スウィートスポットが小さいヘッドであれば相応の努力が必要になりますが、好きになれるかが上達に大きな影響は与えると思います」(松吉宗之、以下同)

ゴルフショップに吊るされているバックフェースに一目惚れして、とか、構えたときの顔がカッコいいから、というようにデザインの好みで選ぶことは重要なポイント。ただ、初心者ゴルファーに限っては「飛距離を求めて立っているロフトを選ばないように注意してほしい」と松吉。

「基本的にロフトが立っている飛び系アイアンと言われるものは、上手だけどヘッドスピードが落ちてきた既存ゴルファーが飛ばせるようになるというクラブです。たしかにロフトが寝ているものより立っているほうが飛距離は出ますが、飛距離アップ=やさしいというわけではないのです」

画像: 初心者ゴルファーは「ロフトの寝ているアイアンを選ぼう」と松吉はいう(撮影/中居中也)

初心者ゴルファーは「ロフトの寝ているアイアンを選ぼう」と松吉はいう(撮影/中居中也)

150ヤードを打つのに5番アイアンが必要になってきた、かつて7番で150ヤードを飛ばしていたゴルファーが、以前と同じ7番で150ヤードを狙える。飛び系アイアンはそのような用途で選んだ場合に真価を発揮するということだ。

7番で150ヤードを打てるヘッドスピードのあるゴルファーが飛び系アイアンを使えば150ヤードを9番で狙えるかもしれないが、それにはあまり意味がない。それより下の距離を打つ番手がそのぶん多く必要になるだけだからだ。ゆえに、基本的に若く、ヘッドスピードもある程度あることが想定される初心者ゴルファーにはあまり“必要でない”ということになる。

では初心者ゴルファーは一体どんなアイアンを選ぶべきなのか? 松吉は「なるべく飛ばないヘッドを選んでほしい」と続ける。

「ロフトは寝ているほうがクラブはやさしくなります。だから初心者ゴルファーはなるべく”飛ばないヘッド”を選んでほしいと思います。同じ長さでもロフトが寝ているほうが球が上がってくれるので、無理に球を上げようとしません。そのため、スウィングも崩れにくくなりますから。その上で、打点がバラツキやすくミート率が低いため、慣性モーメントが大きい(ヘッドが大きい)クラブがミスヒットをカバーしてくれるためオススメですね」

ドライバーより9番アイアンのほうが打ちやすいように、飛ばないクラブ、すなわちロフトが寝ているクラブのほうがボールを上げやすく、簡単に感じやすい。初心者ゴルファーならば、ロフトが寝ているクラブのなかで、なるべくヘッドサイズの大きいものを選ぶと、ミスをカバーしつつ、スウィングを磨きやすくなるのだ。

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