ついに開幕した日本開催のPGAツアー「ZOZOチャンピオンシップ」。その最注目選手の一人である松山英樹の練習日の様子を、現地で取材する週刊ゴルフダイジェストのツアー担当・ケンジロウがレポート。

こんにちはケンジロウです。

千葉県の習志野CCに来ております。そう、今週はPGAツアー唯一の日本開催ZOZOチャンピオンシップが行われます。

練習日の水曜日は、雨上がりということもあって、空一面の青空、気持ちいい秋晴れとなりました。一昨年の試合は大雨で10番ホールに水たまりができて異例のコース短縮というのもありましたからね。なんとか最終日まで天気がもってくれると嬉しいですね。

今回の試合の注目選手は、ザンダー・シャウフェレとかコリン・モリカワとかいろいろといますが、日本のファンが待ち望んでいるのは、なんといっても松山英樹でしょう。マスターズで優勝して以来の初の国内での有観客試合ですからね。みなさんの期待が高まっているのは間違いないでしょう。

画像: マスターズを制してから初めての国内での有観客試合に挑む松山英樹。期待が高まる(写真/姉崎正)

マスターズを制してから初めての国内での有観客試合に挑む松山英樹。期待が高まる(写真/姉崎正)

松山選手は前週と前々週の試合に2試合連続で出ていて、ZOZOで3連戦目ということになります。前週アメリカのラスベガスでCJカップを戦い、最終日のプレーが終わったあと日曜日夜にチャーター機でアメリカを経ち、火曜日の早朝に日本に戻ってきたようです。

画像: 金谷拓実、今田竜二、久常涼と練習ラウンドをこなした(写真/姉崎正)

金谷拓実、今田竜二、久常涼と練習ラウンドをこなした(写真/姉崎正)

そして日本に着くや否や早速コース入りし、練習ラウンドを行い、ホールアウト後も打撃練習とパットの練習を行うなど、非常に精力的に動きました。水曜日も朝早く会場に現れて、今田竜二や久常涼らと1ラウンドをこなしました。時差ボケもあるでしょうに、疲れてないんですかね。相変わらず、“非常にタフ”だなという印象を受けました。

画像: 練習ラウンドでは久常涼(左)とコースについて話し合う一幕も(写真/姉崎正)

練習ラウンドでは久常涼(左)とコースについて話し合う一幕も(写真/姉崎正)

私が彼に会うのはオリンピック以来。その間、WGCやプレーオフシリーズなど大きな試合がいくつもありました。そのまま新シーズンも開幕してすでに4試合目。開幕戦こそ6位タイと良かったものの、その後はなかなかいい結果を収めることができていません。果たして彼の状態はどうなっているんでしょうか?

帰国してから二日間、その練習を見ていましたが、球を打っては納得いかない打球が出てうなだれる、そんなシーンを繰り返していました。本人が納得いかない打球の中にはナイスショットもあるように見えるのですが、目指している理想が高いのか、フラストレーションがたまっている様子でした。

本人も練習ラウンドが終わった後の記者会見で以下のように語っています。

「ショットもパットもアプローチもそうですけど、全部が自分の求めているレベルではない。今はマスターズが10としたら1もない状態なので、苦しい戦いが強いられるかなと思います。でも日本での開催ですし、少しでもいいところで回れるように頑張りたいと思います」

その発言をしたあと、練習場に直行し、日が暮れるまで球を打ち、スウィングの調整を行いました。そして打撃練習が終わった後も、日が暮れた練習グリーンでパットの調整をし、最後の1人になるまで球を転がしていました。

画像: 日が暮れるまで黙々と球を打ち調整。試合への意気込みが感じられる(写真/姉崎正)

日が暮れるまで黙々と球を打ち調整。試合への意気込みが感じられる(写真/姉崎正)

今やPGAツアーの看板選手ですからね、疲れていて時差ボケもあるなか、試合前日に1ラウンドしたり、ギリギリまで復調のきっかけを探すために練習する姿は、この試合にかける彼の意地、意気込みが出ている気がしました。

さて、私のハナシはこの辺にして、ここからは“プロの目”から見た松山英樹を解説してもらいましょう。今回は、週刊ゴルフダイジェストの取材として黒宮幹仁コーチを連れてきました。黒宮コーチは女子ツアーで松田鈴英、浅井咲希、宮田成華らを教えるプロコーチ。松山英樹のコーチの目澤秀憲さんと一緒に長らくゴルフダイジェストで連載を担当してもらっています。

実は黒宮コーチは松山英樹と同級生で、2人はジュニア時代、まさにしのぎを削ったライバルでした。黒宮コーチにとって、松山英樹と会うのは「大学3年のときの日本学生以来9年ぶり」(黒宮コーチ)とのこと。久しぶりに見た松山英樹はどのように写ったのか。

画像: 黒宮幹仁プロコーチはジュニア時代、松山としのぎを削ったライバル(写真/姉崎正)

黒宮幹仁プロコーチはジュニア時代、松山としのぎを削ったライバル(写真/姉崎正)

「いい意味で、昔と変わってないなという印象ですね。本人は調子が悪いと思っているみたいですが、もともと持っている質の高い部分は変わってないなと思いました。やっぱり世界ランキング上位のレベルが高い集団の中にいるんだなというのを感じさせます」

その変わっていない部分とは?

「スウィングアークの大きさ、軸の安定感、そしてローテーションが少ないことによる再現性の高さですね。昔からスウィングアークが大きかったですが、やっぱりそれって体が強くないとできないことですからね。そこから無理な変化をしようとして崩れる選手もいますが、でも彼の場合は地道に自分のいい部分の質を上げることをやってきたんだと思います。変わったのは体の大きさだけですかね。ベースを保ちつつうまく体を大きくしてきたんだと思います」(黒宮コーチ)

ZOZOチャンピオンシップ初日、10時20分にスタートした松山英樹。久しぶりの外旋試合、注目してみていきましょう。

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