ダンロップより新たに発売されたゼクシオブランドの12代目「ゼクシオ12」「ゼクシオX」シリーズ。そのドライバーとアイアンを、プロゴルファー・中村修と堀口宜篤が早速試打! どのような性能に仕上がっているのか、たしかめた。

12代目ゼクシオの性能は?

2000年に初代が発売されて以降、“やさしく飛ばせる”クラブの代表格として多くのゴルファーに愛されてきたゼクシオブランド。その12代目が新たに発売された。

12代目も前作に続き2モデル展開。従来のゼクシオシリーズの性能を踏襲し正当進化させた「ゼクシオ12」と、しっかり叩ける性能とやさしさを持ち合わせた「ゼクシオX」というラインナップになっている。

では新たなゼクシオ2モデルのドライバーとアイアンがそれぞれどのような性能になっているのか、プロゴルファー・中村修と堀口宜篤の2名に、試打してレポートしてもらおう。

正当進化した「ゼクシオ12ドライバー」

早速ドライバーから見てみよう。まずゼクシオ12、ゼクシオX両モデル共通で搭載されている新テクノロジーが、クラウン部ヒール側の突起「ActivWing」だ。

この突起が飛行機でいう垂直尾翼、F1カーでいうウイングの役割を果たし、空力をコントロールすることでダウンスウィング時のヘッドのブレを抑制。結果インパクトの打点のばらつきが軽減されるという。

画像: クラウン部ヒール側の突起「ActivWing」によってダウンスウィング時のヘッドのブレを軽減(写真はゼクシオX/メーカー提供)

クラウン部ヒール側の突起「ActivWing」によってダウンスウィング時のヘッドのブレを軽減(写真はゼクシオX/メーカー提供)

また、両モデルが採用しているカップフェース構造も進化。ヘッドに軟らかくたわむ部分と剛性を強めた部分があり、フェース側から「軟・剛・軟・剛」と交互に配置した4層構造「リバウンドフレーム」によって、より反発性能・反発エリアの拡大を実現しているという。

その他に前作にも搭載されていた、グリップエンド側に重量を配置することで振りやすさを高める「ウェイトプラステクノロジー」といった技術も引き続き搭載されている。

ではモデル別に詳しく見ていこう。まずは「ゼクシオ12ドライバー」の構えた印象をプロ2名に聞いてみた。

画像: ダンロップ「ゼクシオ12ドライバー」(写真は10.5度モデル)

ダンロップ「ゼクシオ12ドライバー」(写真は10.5度モデル)

「まずフェース面がかなり大きく見えて、ロフトもしっかり見えるのでつかまえてくれそうな印象を受けますね。ストレートからややフックフェースに見え、安心して球をつかまえられそうなやさしい顔です」(中村)

堀口も「ちょっとアップライトになっていますし、歴代のゼクシオらしさがあります。クラウンの突起「ActivWing」も構えてみるとまったく目立たなくて、違和感がありませんね」と評した。では両名が試打した結果の平均値を見てみよう。なお、ヘッドは10.5度モデル、シャフトは純正の「MP1200」のSフレックスを組み合わせて試打を行った。

【堀口のゼクシオ12ドライバー(10.5度)の試打結果】
HS43.7m/s キャリー227.3Y トータル249.7Y 打ち出し角11.4度 ボール初速62.7m/s スピン量2504.7回転

【中村のゼクシオ12ドライバー(10.5度)の試打結果】
HS43.7m/s キャリー229.3Y トータル247.7Y 打ち出し角15.2度 ボール初速62.7m/s スピン量3054回転

「チタンフェースのゼクシオらしい、良い弾き感で飛ばせますね。今までのモデルよりも打感の柔らかさが増しているように感じます。『もっと右に行くな』というミスヒットでもしっかりつかまえてくれるやさしさがありますし、つかまえてくれるのでドローが簡単に打てますね」(堀口)

中村も「振りやすさは踏襲しつつ、チーピンになってしまうほどでもない、程良いつかまり感で飛ばせます」と評価。また、スピン量に関しても「しっかり考えられています」という。

「ヘッドスピードが遅くて球が上がりにくい人が使うとドロップする危険があるので、スピンが多少入るようになっていて、たしかにそのぶんの安定感はあります。最近の大型ヘッドドライバーでつかまった球が打てないという方には、間違いなくオススメできるモデルですね」(中村)

12と全然違う!? 「ゼクシオXドライバー」

一方の「ゼクシオXドライバー」はというと、「まず構えた際の印象から全然違います」と堀口。

「非常にストレートで、スッキリした見た目なのでスムーズにアドレスに入れますね。何て言えば良いでしょうか、良い意味で“ゼクシオ感”がないモデルと言えます」(堀口)

画像: ダンロップ「ゼクシオXドライバー」(写真は10.5度モデル)

ダンロップ「ゼクシオXドライバー」(写真は10.5度モデル)

中村も「たしかに構えた見た目はゼクシオっぽくないですね」という。

「フェースはわずかにバルジとロールが着きながら、非常にターゲットに向けて構えやすいような感じに仕上がっています。フェース面の仕上げがゼクシオ12とは違っていて、締まってみえます」(中村)

また、既存のゼクシオシリーズと決定的に異なるのが、ネック調整機能を採用している点。ここからも、「ゼクシオX」はただやさしいだけでなく、ある程度実力のあるゴルファーの使用も想定されていることが伺える。

では、10.5度モデルと純正シャフト「Miyazaki AX-2」Sフレックスと組み合わせた際の、両者の試打結果の平均値を見てみよう。

【堀口のゼクシオXドライバー(10.5度)の試打結果】
HS44.3m/s キャリー232.3Y トータル260.3Y 打ち出し角10.5度 ボール初速63.3m/s スピン量2146.3回転

【中村のゼクシオXドライバー(10.5度)の試打結果】
HS45.7m/s キャリー245.3Y トータル267.3Y 打ち出し角13.5度 ボール初速65.7m/s スピン量2348.3回転

「前作からXシリーズはありましたが、今回は思い切ってだいぶ性能を変えてきましたね。見た目はもちろん、スピン量や球の上がり方も違います。『ゼクシオ12』と比べると打感が軟らかく、ボールをグッと押してくれる感触がありますね。スピン量も『12』と比べると抑えめで、球も強めですね。それでいてちゃんと逃がさずつかまったドローが簡単に打てました」(中村)

堀口も「ゼクシオというとやさしく飛ばすイメージがありますが、『ゼクシオX』に関してはちょっと別モノですね」と評する。

「めちゃくちゃ強い球が出るので、もっと振りたくなりますね。飛び、スピンの少なさ、球の強さがあります。これは幅広いゴルファーに合いそうです。シャフトも手元・先端部にしっかり感があって、ヘッド性能に合わせた仕上がりになっています。クラブとしての総合完成度は高いですね」(堀口)

とはいえ「ゼクシオX」に関しても「ゼクシオ12」と同様、一発の飛びというよりは、楽に打ちながら飛距離も出せるという設計にはなっているように感じました」と中村は評価した。

ゼクシオ12/Xアイアンはどう?

続いては「ゼクシオ12アイアン」を見ていこう。ポケットキャビティ構造を採用した鋳造ボディで、フェースにチタン素材を採用している点は過去モデルと同様。ホーゼルを短く設計し、ソールのトウ側にタングステンニッケルウェイトを配するなど、低重心化と慣性モーメント増大が図られた設計となっている。ロフトは7番で28度とストロングロフト設計だ。

「見た目についてはフェースの長さや高さもあり、ミスヒットに強そうな感じです。面長かつソールが幅広くて平らなので、打ち込むというよりはスッと払うような感じで打つイメージが湧いてきますね」(中村)

画像: ダンロップ「ゼクシオ12アイアン」(写真は7番)

ダンロップ「ゼクシオ12アイアン」(写真は7番)

では「ゼクシオ12アイアン」の7番を両名に試打してもらった結果の平均値を見てみよう。なお、シャフトは純正モデル「MP1200」のSフレックスを組み合わせて試打を行った。

【堀口のゼクシオ12アイアン(7番)の試打結果】
HS38m/s キャリー169Y トータル182.7Y 打ち出し角17.7度 降下角44.5度 ボール初速52m/s スピン量4872.3回転

【中村のゼクシオ12アイアン(7番)の試打結果】
HS37m/s キャリー163.7Y トータル176Y 打ち出し角19.4度 降下角45.4度 ボール初速50.3m/s スピン量4779.7回転

「めちゃくちゃ軽く打ってもボールを飛ばしてくれますね。チタンフェースで若干弾く感じがあるんですけど、前モデルより打感の軟らかさがありますし、打音も軟らかい感じです。ヘッドスピードに対してボール初速も出ていますし、何より弾道の高さがしっかり出ているのがスゴイ。ロフト28度で降下角が平均44.5度あれば、しっかり止まってくれそうです」(堀口)

中村も「飛び系アイアンのなかでも高さはしっかり出せる部類だと思います」と評価。

「飛び系のロフト28度のアイアンって少し低めで強い球になりますが、『ゼクシオ12』はしっかり上がって距離も落ちないですね。しかも曲がらない。直進性が非常に高いです。ボール初速は出ているけど強烈に弾く感じもないから、打感は良いですね。これだけ飛ばしてスピンもしっかり入り高さも出ているからしっかり止まってくれそうですし、ミスヒットへの寛容性も高いですね」(中村)

一方の『ゼクシオXアイアン』は、軟鉄鍛造のボディに高強度特殊鋼を素材にしたフェースを採用し、フェースを薄肉化。

「ゼクシオ12」と同じくポケットキャビティ構造で、7番で29度と「ゼクシオ12」より1度寝ているものの飛び系に相当するロフト設定だが「見た目はコンパクトでスッキリしていて、めちゃくちゃ構えやすいですよ。『ホントにゼクシオなの?』っていうくらい」です」と堀口。中村も「『ゼクシオ12』とはだいぶ形状も違いますね」という。

「キャビティのえぐれ方も変わっていますし、ソール幅も『ゼクシオ12』ほど広くありません。非常にスッキリとした見た目で、アスリートモデルのアイアンをちょっとだけ大きくしてやさしくしたような感覚のヘッド形状です」(中村)

画像: ダンロップ「ゼクシオXアイアン」(写真は7番)

ダンロップ「ゼクシオXアイアン」(写真は7番)

ではゼクシオXの7番を打った際の両名の試打結果の平均値を見てみよう。なお、シャフトは純正モデルの「Miyazaki AX-2」Sフレックスと組み合わせて試打を行った。

【堀口のゼクシオXアイアン(7番)の試打結果】
HS37.3m/s キャリー166.7Y トータル178.7Y 打ち出し角15.9度 降下角38.9度 ボール初速50m/s スピン量4784.3回転

【中村のゼクシオXアイアン(7番)の試打結果】
HS37m/s キャリー167.3Y トータル180Y 打ち出し角17.7度 降下角44.9度 ボール初速52m/s スピン量5394.3回転

「打感は『ゼクシオX』のほうが軟らかく、締まった感じでボールが吸い付く感触があり、打った時の心地良さは勝っています。操作性も『ゼクシオ12』よりありますね。飛距離もしっかり出ています。一方、ロフトは『ゼクシオX』のほうが1度寝ているのですが、『ゼクシオ12』のほうが高さは出ています。それだけ『ゼクシオ12』の球を上げてくれる性能が高いのでしょうね」(堀口)

中村は「見た目通りアスリートモデルのアイアンより少しやさしめのモデル、という感じですね」と「ゼクシオX」を評価。

「『ゼクシオ12』はやさしく飛ばしつつ高さも出せるモデル。一方で『ゼクシオX』は打感の良さと少し操作性も持たせた感じですね。アスリートモデルのアイアンを使っている方で、今よりも少しだけやさしめのモデルを使いたい、あるいは少し飛距離が落ちてきたから見た目を損なわず飛距離性能も欲しい、という方にとって非常に魅力的なモデルに仕上がっていますね」(中村)

さて、ここまでの両者のインプレッションをまとめてみると、ドライバー、アイアンのいずれも、ゼクシオらしさを受け継ぎつつ正当進化させているのが「ゼクシオ12」。一方やさしいモデルを使いたいけど「ゼクシオ12」だとやさし過ぎるというゴルファーや、やさしさも欲しいけどもうちょっと振っていきたいというゴルファーに向けた「ゼクシオX」というシリーズ内での棲み分けがなされているようだ。

とくに「ゼクシオX」については「ダンロップのアスリート志向のブランド、スリクソンのユーザーにも選択肢のひとつになり得る性能です。男子プロで使う選手も出てきてもおかしくないくらいですね」と中村。もちろん「ゼクシオ12」についても「やさしさを突き詰めてしっかり性能が進化しています」(堀口)と評価した。

プロ2名の意見を参考にしつつ、その性能をぜひ自らの手で確かめてみてほしい。

※本記事は2021年11月4日12時0分に公開された元記事の一部を修正・追記し再掲したものです。

画像: “やさしく飛ばす”代表ゼクシオの12代目が登場!「ゼクシオ12」「ゼクシオX」のドライバーを速報試打!性能は? youtu.be

“やさしく飛ばす”代表ゼクシオの12代目が登場!「ゼクシオ12」「ゼクシオX」のドライバーを速報試打!性能は?

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