2021年秋冬に新登場したフェアウェイウッド、ヤマハ「RMX VD」、ダンロップ「ゼクシオ12」「ゼクシオX」、フォーティーン「FX-001」「FX-002」の計5モデルを、プロゴルファー・堀口宜篤が比較試打! それぞれどのような性能になっているのか、たしかめた。

多くの契約プロが実戦投入する「RMX VD」

まず打ったのは、ヤマハのニューフェアウェイウッド「RMX VD」。ボディにチタン、クラウンにはカーボン素材を採用し軽量化を図り、いっぽうでソールに高比重合金を配置。しかも3番ウッドの場合で135グラム、じつにヘッド総重量の約65%もの重量を配することで、超低重心設計に。

また、フェースには高反発で知られるβチタン素材を採用。前述の超低重心設計と組み合わせることで高打ち出し、高初速、低スピンを実現しているという。

すでに男子では谷口徹や藤田寛之、今平周吾、女子でも有村智恵、永井花奈ら多くの契約プロたちが実戦投入しているRMX VDフェアウェイウッド。その見た目は「たしかにいかにもプロモデルという感じです」と堀口。

画像: ヤマハ「RMX VDフェアウェイウッド」(写真は3番)

ヤマハ「RMX VDフェアウェイウッド」(写真は3番)

「フェースも真っすぐで、すごくスッキリした見た目。若干ディープで強い球が打てそうなヘッドデザインだと思います。ライ角は3番ウッドで56度とそこまでアップライトになっていないので、つかまりよりもコントロール性能や飛距離性能を重視した仕上がりと言えますね」(堀口、以下同)

では堀口がRMX VDの3番ウッドを試打した結果の平均値を見てみよう。

【堀口のRMX VDフェアウェイウッド(3番、15度)の試打結果】
HS43.1m/s キャリー228Y トータル257Y 打ち出し角11.4度 ボール初速61.8m/s スピン量2041回転

「打感は吸いつく感じがありつつ弾いてくれるので、かなり強い球が打てますね。つかまり性能は控えめで、パワーがある方が振り切っても引っかけずに打てる仕上がりです。組み合わせるシャフトにもよりますが、ある程度ヘッドスピードが求められるモデルだと感じました」

ゼクシオらしい、やさしいFW「ゼクシオ12」

続いて打ってもらったのはダンロップのゼクシオブランド12代目「ゼクシオ12」。

ドライバーと同様、クラウンに突起をつけることで空力をコントロールしスクエアなインパクトを実現するテクノロジー「アクティブウイング」を搭載。フェアウェイウッドの場合はL字状に突起を配置することで、低重心設計を維持したままフェースの反発性能の向上にも一役買っている。

その他にもドライバーと同様たわみを増大させる「リバウンドフレーム」構造を採用、過去のフェアウェイウッドに搭載されていた、フェース下部の高反発エリアを拡大する「キャノンソール」など、やさしさを高める技術が詰め込まれている。では堀口の見た目の印象はどうだろう。

画像: ダンロップ「ゼクシオ12フェアウェイウッド」(写真は5番)

ダンロップ「ゼクシオ12フェアウェイウッド」(写真は5番)

「シャローで構えたときにフェースが見えるので、非常にボールを拾ってくれそうなイメージがあります。少しアップライトに見えるので、つかまえてくれそうです。ゼクシオらしい、やさしさがありますね。また、クラウンに段差があるんですけど違和感を感じさせない辺り、デザインがしっかりしています」

では、試打結果の平均値はどうなったか。数値は以下の通りだ。

【堀口のゼクシオ12フェアウェイウッド(5番、18度)の試打結果】
HS42.2m/s キャリー207Y トータル226Y 打ち出し角14.2度 ボール初速55.9m/s スピン量2949回転

「ひと言で言うと『非常にラクなフェアウェイウッド』ですね。高さがしっかり出ますし、球の伸びもある。なにより、しっかりつかんでくれます。フェアウェイウッドってつかまえようとしてカット軌道で入ってしまうミスが多いのですが、ゼクシオ12に関しては逃がそうと思ってもつかまえてくれる、くらいのやさしさがあるから安心ですね」

やさしさに加えて球の強さがある「ゼクシオX」

続いて打ったのは、ゼクシオ12の兄弟モデル「ゼクシオX」。ゼクシオ12と搭載テクノロジーは同様だが「見た目の印象は全然違う」と堀口。

画像: ダンロップ「ゼクシオXフェアウェイウッド」(写真は5番)

ダンロップ「ゼクシオXフェアウェイウッド」(写真は5番)

「ゼクシオ12と同様シャローで、ライ角も59度と同じ設定ですが、フェースのカラーリングが黒いぶん構えたときにアップライトではなく、少しフラットに見えますね。やさしさがありつつも、強い球が打てそうなイメージも湧いてきます」

ではゼクシオXについても、試打結果の平均値を確認してみよう。

【堀口のゼクシオXフェアウェイウッド(5番、18度)の試打結果】
HS43.3m/s キャリー213Y トータル230.5Y 打ち出し角10.4度 ボール初速61.2m/s スピン量3425回転

「ゼクシオ12よりも弾かず吸い付いてくれる感じですね。それもあってか、強い球が打てています。やさしさもありますし、つかまり性能もゼクシオ12と同等な印象を受けましたが、ゼクシオXのほうがより前へ強く飛ばしてくれているように感じます。データを見ても、5番ウッドにしては飛んでいますね」

セミシャローな見た目が良い!「FX-001」

4本目はフォーティーンのフェアウェイウッド「FX-001」。フェースとボディはチタン素材、ソールに高比重のタングステン合金を採用した低・深新重心設計のフェアウェイウッドだ。

画像: フォーティーン「FX-001フェアウェイウッド」(写真は15度)

フォーティーン「FX-001フェアウェイウッド」(写真は15度)

そして最大の特徴は「セミシャローフェース」形状を採用している点。これにより、低重心設計のフェアウェイウッドにありがちな、打ち出し角が足りずキャリーが伸び悩むという問題を解消しているという。

「ディープ過ぎずシャロー過ぎず、変なクセがなく非常にスッキリしていてすごく構えやすいです。メーカーが『セミシャロー』と銘打っている通りの見た目と言えます。43.5インチとクラブ長がやや長めなのは、同じフォーティーンの長尺ドライバー『DX-001』からの流れを考えてでしょうね」

FX-001の試打結果の平均値は以下の通りとなった。

【堀口のFX-001フェアウェイウッド(15度)の試打結果】
HS43.7m/s キャリー217.3Y トータル233.7Y 打ち出し角11.8度 ボール初速61.8m/s スピン量3540回転

「クラブ長が長いぶんヘッドスピードも出ますし、そのうえで打ちやすさもあります。弾く感じの打感で、球も上がってくれてキャリーで飛ばせますね。一方で低めのコントロールショットも打てますし、変なクセもなくてかなり好感触。かなりバランスの良いフェアウェイウッドと言えます。長さは若干ありますが、あまり気にせず単品差ししても良いと思える出来ですね」

ショートウッドにUT的要素を加えた「FX-002」

最後に打ったのはフォーティーン「FX-002」。“ライン出しがしやすいユーティリティ型ショートウッド”と銘打っており、実際ロフトラインナップも20、23度とショートウッド相当の2種のみ。今回は23度モデルを試打してもらったが、見た目の印象はどうだろうか。

「ヘッド形状はショートウッドですが、ロフト23度にしてはセミグースだな、という感じはあります。たしかにネックはユーティリティっぽいですね。それもあってつかまえてくれそうなのと、ライン出しもしやすそうな印象は受けます」

画像: フォーティーン「FX-002フェアウェイウッド」(写真は23度)

フォーティーン「FX-002フェアウェイウッド」(写真は23度)

では堀口がFX-002を試打した結果の平均値を見てみよう。

【堀口のFX-002フェアウェイウッド(23度)の試打結果】
HS41.5m/s キャリー180Y トータル196Y 打ち出し角14.1度 ボール初速54.8m/s スピン量4226回転

「弾くような打感で、球の強さがまず印象的でした。セミグースなのもあってちょっとクセはありますが、慣れてくると高さも出ますし結構つかまえてくれますね。ただ、ライン出しのイメージで打つと真っすぐ飛んでくれます。フルショットするのも全然良いですが、オートマチックにつかまえてくれるので、力まず軽く振っていくほうがより球も上げやすくて打ちやすいのかなと感じました」

さて、最新フェアウェイウッド計5モデルを打ち終えた堀口に、最終的な総括をしてもらった。もちろん同ロフト帯にそろえての試打ではないので「計測データは参考値として」と前置きしつつ、まずヘッドの飛距離性能面では「FX-002に関してはショートウッド特化のモデルなので別枠で考えるとして、残り4モデルではRMX VD→FX-001→ゼクシオX→ゼクシオ12の順で強い球が打ちやすいです」と堀口。

「ただし、これはヘッド性能単体で見た話。実際はFX-001のほうがクラブ長が長いので、RMX VDとFX-001の順番が入れ替わるでしょう。一方、高さの出しやすさ、やさしさと言う面で見ると、ゼクシオ12→ゼクシオX→FX-001→RMX VDの順番になりますね」

そしてFX-002に関しては「ユーティリティ的なつかまりの良さがありつつ、ショートウッドなのでクラブ長もあり、しなり戻りによって高さも出していきやすいですね。同ロフト帯のユーティリティより高くボールを上げつつ、つかまった球が打てる性能になっていると思います」と堀口は評する。

アマチュアから絶大な人気を誇るゼクシオ2モデルに、プロも太鼓判を押すRMX VD。そしてダークホースと言って良い出来栄えのFX-001、FX-002と、新作フェアウェイウッドもなかなかに豊作なようだ。もし気になったモデルがあれば、ぜひ試打してみてほしい。

画像: 【新作試打】ウェートを変えただけで激変⁉ヤマハの新作「RMX VD59」を徹底試打!【ヤマハ】【RMXVD59】【ドライバー】 youtu.be

【新作試打】ウェートを変えただけで激変⁉ヤマハの新作「RMX VD59」を徹底試打!【ヤマハ】【RMXVD59】【ドライバー】

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