“飛ばしの雑巾王子”こと武市悦宏プロが、ゴルフ界で囁かれる「コレって本当?」といわれる仮説にズバッと斬り込み検証! 今回は、いわゆる“飛び系アイアン”と“マッスルバック”アイアンの打ちやすさや飛びの違いを調べてみた。

飛び系アイアンは、「プラス2番手の飛び」といったキャッチフレーズで、例えば、従来の5番アイアンと同じロフトと長さを7番アイアンに設定し、ヘッドを低重心ワイドスポットにすることで7番アイアンのやさしさで5番アイアンの飛距離が出るというコンセプトで作られたと考えられることも多い。やさしく飛ばせるというのが最大のウリだ。

画像: 飛び系のゼクシオクロスアイアンの6番(左)とアスリートモデルのスリクソンZフォージドの4番(右)。ロフト、長さともに同じ数値だが、飛距離や弾道はどう変わる?

飛び系のゼクシオクロスアイアンの6番(左)とアスリートモデルのスリクソンZフォージドの4番(右)。ロフト、長さともに同じ数値だが、飛距離や弾道はどう変わる?

いっぽうのマッスルバックは従来型のアイアン形状で、小ぶりなヘッドでシャフトと重心が近いため操作性がよく、打ち方によってスピン量を調整できるなどショットの小細工ができる。その反面、芯を外すと飛距離が落ちるなどミスがハッキリ出やすいシビアさもあり、いわゆる上級者や玄人好みの本格派のモデルとなる。

今回武市プロが試打するのは、飛び系アイアンの「ゼクシオクロスアイアン」の6番アイアンと、マッスルバックの「スリクソンZフォージドアイアン」の4番アイアンだ。番手が異なるもののスペックはロフト角23度、長さ38.25インチと同じ数値となっている。

この同スペックの飛び系の6番アイアンとマッスルバックの4番アイアンでは、やさしさや弾道の出方などにどのような違いが出るのか、武市プロにさっそく検証を行ってもらった。

画像: ダンロップ「ゼクシオクロス」の6番

ダンロップ「ゼクシオクロス」の6番

まず「ゼクシオクロス」を手にした武市は「構えたときに『見ためがやさしい』と感じますよね」との第一印象を口にした。ではさっそく飛距離のデータを見ていこう。

【ゼクシオクロスアイアンの飛距離】
1球目:キャリー194.0ヤード トータル202.3ヤード
2球目:キャリー206.8ヤード トータル215.8ヤード
3球目:キャリー194.4ヤード トータル202.9ヤード

1球目は様子見の感じで打ったという武市だが「うん、普通に打っても200ヤードを超えいくか~」とラクに200ヤードを出せる感触を得た様子。それを踏まえて2球目はやや強めに打つと215.8ヤードが出た。3球目を終えた時点で「ヒジョ~にやさしいですね。間違いなく200ヤードちょいオーバーの飛距離は出るのかなという感じはしますね」として試打は終了。

もっとも気になる飛び系アイアンの打ちやすさ、簡単さに関しての武市の感想はどうだろう。

「『ゼクシオクロス』は重心位置がフェースの下のほうにある低重心設計なので、インパクトのときにあまりロフトを立てて当てる必要はないです。つまりシャローめの軌道でクラブを入れてくれば球は上がってくれるわけで、ココが最大のポイントですね。従来のアイアンで200ヤードの飛距離を打つ場合、長くて立ったロフトのクラブをダウンブロー気味に入れて来なければ球は上がらなかった。これが難しかったわけで、それが低重心ヘッドのおかげで普通にサラッと打って球が上がって200ヤードが打てるんだから、簡単ですよ」(武市、以下同)

画像: 「ゼクシオクロス」の場合、低重心設計のためロフトを立てずシャローな軌道でインパクトしても球が上がって飛距離も出せる

「ゼクシオクロス」の場合、低重心設計のためロフトを立てずシャローな軌道でインパクトしても球が上がって飛距離も出せる

では次に「スリクソンZフォージド」を打ってもらおう。構えた瞬間に「見た目がカッコいい。こういうのをキャディバッグに入れておけば、オブジェとしてもカッコいいでしょうね(笑)」との見た目の感想。試打結果は以下の通り。

画像: ダンロップ「スリクソンZフォージド」の4番

ダンロップ「スリクソンZフォージド」の4番

【スリクソンZフォージドアイアンの飛距離】
1球目:キャリー200.3ヤード トータル209.5ヤード
2球目:キャリー175.2ヤード トータル186.7ヤード
3球目:キャリー194.9ヤード トータル204.5ヤード

1球目を打った後の第一声が「お、意外と打ちやすい」というもの。続けて「なるほどね、コントロールしやすいですね」と、かなりの手応えを感じた様子。飛距離も209.5ヤードとかなり出た。

しかし、2打目は力が入ったのかトップ気味のミスショットで186.7ヤード。「当たりが薄かったですね。マッスルバックはミスるとこういう球が出やすいんですよね」と、ミスがはっきり結果に現れるマッスルバックの特質に納得。3打目は204.5ヤードで試打終了。

マッスルバックは飛び系のアイアンと比べて、打ち方や打ちやすさの違いを武市プロはどう感じたのか。

「マッスルバックは重心位置がフェースの上のほうにあるので、芯に当てるにはダウンブロー気味にヘッドを入れてきて、今流行のハンドファーストのインパクトをしていかないといい球が出ないです。その辺は飛び系アイアンとはインパクトの当て方に違いが出てきて、当然楽なのはサッと打てる『ゼクシオクロス』のほうです。でも、ビシッとインパクトできたときの手応えとか球の止まり方なんかは『スリクソン』のほうでしょうね」

画像: 「スリクソンZフォージド」の場合重心位置がフェース上部にあるので、ハンドファーストでロフトを立たせたダウンブロー軌道でのインパクトができないと、良い当たりにはならない

「スリクソンZフォージド」の場合重心位置がフェース上部にあるので、ハンドファーストでロフトを立たせたダウンブロー軌道でのインパクトができないと、良い当たりにはならない

では最後に飛び系の「ゼクシオクロス」とマッスルバックの「スリクソンZフォージド」の試打を終えて、同じ200ヤードの飛距離を出す2つのアイアンのどちらを選択するべきなのかを、武市プロが解説する。

「僕が感じたのは、マッスルバックのほうがスウィートスポットが小さく、インパクトでの当たり外れが大きいです。つまりスウィングがしっかりしていないとちょっと扱いにくいのがマッスルバックですよね。いっぽうの飛び系アイアンは低重心でスポットも広いので、本当にやさしいです。でもそのやさしさから、もっと飛ばしてやろうとインパクトを強くすると、ちょっと“暴れる”かなという感じはします。じつはココが大事なポイントでして、みなさん飛ばしたい気持ちは分るんですけど、でも『飛び過ぎもミスショット』ということを知っておきましょうね」

武市プロが言った『飛び過ぎもミスショット』という言葉は、「ゼクシオクロス」と「スリクソンZフォージド」、それぞれの2打目の結果に表れていた。この2球目を武市は「それぞれ強めに打った」というが、飛び系の「ゼクシオクロス」は215ヤードと他の2球に比べて13ヤードも飛び過ぎている。これがもし実戦ならグリーンオーバーのミスショットにもなりかねない。

いっぽう、マッスルバックの「スリクソンZフォージド」の2打目は、薄めのオフセンターヒットのミスショットとなり、186.7ヤードで他の2球に比べ20ヤードも飛ばない結果になった。しかしグリーンオーバーからの返しのアプローチに比べれば、ショートして手前からアプローチできるほうがやさしくなるわけだ。

「マッスルバックはミスったときに距離が落ちてくれるので、グリーンの奥には行かないんです。だからスコアメイクには適しているのかなと思います。ただ、月イチのゴルファーの方でとにかく気持ち良いショットをラクに打ちたいと言う人には絶対に飛び系の『ゼクシオクロスです』」

検証の結果、200ヤードを打つアイアンを選ぶときに競技志向を目指すならマッスルバックの『スリクソンZフォージド』を、楽に飛ばしてゴルフをエンジョイしたいなら『ゼクシオクロス』がオススメというのが武市悦宏プロの結論だ。

画像: 【ゴルフ】マッスル4番VS飛び系6番どっちが飛ぶか?!武市悦宏が実践!!【ゼクシオクロス】【アイアン】 youtu.be

【ゴルフ】マッスル4番VS飛び系6番どっちが飛ぶか?!武市悦宏が実践!!【ゼクシオクロス】【アイアン】

youtu.be

This article is a sponsored article by
''.