ウェッジのバウンスを活かして寄せたい、グリーン周りのアプローチのコツを、プロゴルファー・大谷奈千代に教えてもらおう。

以前、ウェッジのバウンスを上手に使うためにはすくい上げないように気をつけて、ニュートラルな入射角をイメージしましょう! とお話しさせていただきました。今回のレッスンでは、いよいよグリーン周りからのアプローチショットについてです。ボールの高さを出すためには、どのクラブよりもロフトがついてるサンドウェッジがおすすめです。

しかし、こんな状況こそダフリやトップが起こってしまうという方が多くいらっしゃいます。その原因はやっぱりすくい打ちにあるんです。すくい上げるとは、つまり入射角が下から上のアッパーになっているということです。

クラブヘッドの入射角を飛行機でイメージしてみましょう。芝の上や地面にあるボールを打つには、飛行機が緩やかに着陸するようなダウンブローの入射角が理想的なのです。しかし、クラブがダウンブローに入ると地面に突き刺さってしまいヘッドが前に進まなくなってしまいます。

その問題を解決するのがバウンスなのです! ダウンブローに打ってもバウンスの効果が発揮されヘッドが前に進んでくれるようになり、クラブが刺さらなくなるので、“バウンスがあると優しい”のです!

画像: イラストA:バウンス角は、クラブが刺さらずダウンブロー軌道で打つことができる入射角の度合いの上限とイコールだという(イラストのようにヘッドが平行移動に近いゆるやかな軌道で動いた場合)

イラストA:バウンス角は、クラブが刺さらずダウンブロー軌道で打つことができる入射角の度合いの上限とイコールだという(イラストのようにヘッドが平行移動に近いゆるやかな軌道で動いた場合)

みなさんのウェッジに書かれている、12や14と刻印されているバウンス角は、インパクトでハンドファーストになりすぎないことなどが前提ですが、じつは入射角の度合いとリンクしているのです。バウンス角14度とは、クラブの入射角が0〜14度まで、インパクトでソールが地面に触れることができるという意味。バウンスが大きいほど、許容範囲が広くなります。

このようにショートゲームでは絶対に下から入らないようにするためのクラブの工夫がバウンス角にはあるのです。

アマチュアゴルファーのみなさんがショートゲームですくい打ちをしてしまっているかどうかは頭の位置とクラブの軌道でチェックすることができます。

イラストBのように、スウィング中に頭の位置が右に傾いてしまうとインパクトではすくい打ちのアッパーブローになってしまいます。これではティーアップされたボールを打つときのドライバーのスウィングになってしまっています。ショートゲームのとき、ドライバーを打つようにスウィングをしてしまうとクラブはアッパーブローに入って、どうしてもすくい打ちになってしまうのです。

なのでスウィング中は頭の位置をキープすることを心がけましょう。大きなすくい打ちの要因は頭の位置で解決できます。

画像: イラストB:ショートゲームのアプローチの典型的なミスはすくい打ち。頭の位置を変えないよう気を付けよう

イラストB:ショートゲームのアプローチの典型的なミスはすくい打ち。頭の位置を変えないよう気を付けよう

それでも当たらない方は軌道がイン・トゥ・アウトになっているかもしれません。イン・トゥ・アウトのいわゆるドローのクラブ軌道になってしまうと、クラブの入るスペースがなくなってしまいます。ショートゲームではフックの軌道はNGなのです。アウト・トゥ・インのいわゆるフェードのイメージでスウィングするようにしましょう(イラストC)。

画像: イラストC:グリーン周りのアプローチではアウトトゥイン軌道が正解。バックスウィングはフェースをオープンに上げることを心がければ、フェースが閉じてロフトが立った状態でインパクトできる

イラストC:グリーン周りのアプローチではアウトトゥイン軌道が正解。バックスウィングはフェースをオープンに上げることを心がければ、フェースが閉じてロフトが立った状態でインパクトできる

それでもまだ上手くいかない人は、フェースをシャット(閉じて)に上げてオープン(開いて)にクラブを入れてしまうことでクラブが立って入ってこないすくい打ちになっている可能性があります。そんな方はフェースコントロールの練習が必要です。フェースはオープンに上げて立てて入れるようなダウンブローを意識してみましょう。

ショートゲームではゆるやかなダウンブローを心がけましょう。大きめのバウンスがあなたのプレーをきっと助けてくれますよ!

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