日常生活、そしてゴルフのプレー中でも、人は頭の中で自分自身との会話=セルフトークをおこなっている。ゴルフにおいて、悪い流れを断ち切るためのポイントもセルフトークにあるというのは、プロも教えるメンタルコーチ・池努。詳しく話を聞いてみよう。

一度、ラウンドの頭の中の独り言をメモしてみる

よくプロゴルファーから「悪い流れを断ち切るためにはどうしたらいいか?」「ミスから切り替えるためにはどうしたらいいか?」と相談されます。ミスが連続したとき、気持ちの切り替えはうまくできていますか?

この解決策は「自分との会話を変えること」です。専門用語ではこの自分との対話のことを「セルフトーク」といいます。人はこの頭の中での独り言であるセルフトークを1日数万回行っていると言われています。そして、ゴルフのラウンド中もあなたはセルフトークを沢山行っていますよね。「よしよし、ここまでは練習の成果が出ている」「なんでいつもコースになると練習でできていることができないんだろう」など。

画像: 悪い流れを断ち切るためのセルフトークのコツを、池氏に教えてもらおう

悪い流れを断ち切るためのセルフトークのコツを、池氏に教えてもらおう

まず、おこなってみてほしいことはラウンド中のセルフトークについて、できれば1ラウンドずつメモをとっていくことです。余裕がなければ前半終了時と後半終了時に自分のセルフトークをスマートフォンのメモに書き出すでもいいです。いいショットを打って「今日は調子がいいぞ」とセルフトークした。フェアウェイが狭いホールのティーショットで「右に曲げたくない。大丈夫かな」とセルフトーク。3パッドして「出だし悪いなー。今日もダメかも」とセルフトーク。

このセルフトーク・メモを取ることであなたがプレーの調子がいいときはどんなセルフトークをしていて調子が悪いときはどんなセルフトークをしているかが一目瞭然になり、自分のセルフトークの癖が理解できるはずです。

そして、このセルフトークは感情に大きく影響しています。「今日は調子がいいぞ」とセルフトークをすればポジティブな感情になっているはずですし、「今日もダメかもしれない」とセルフトークしていればネガティブな感情になります。つまり、セルフトークの質があなたの感情に波をつくったり、高く安定させることにもつながるのです。逆を言えば感情の波が激しいゴルファーはセルフトークの一喜一憂が大きいわけです。

そして、自分のセルフトークの癖を知ったら次にネガティブなセルフトークを変えていくことが重要です。

「なぜ?」「なんで?」 は危険なセルフトーク! 「なに?」を使おう

これまでプロゴルファーを中心にメンタルサポートをしてきて、多くの選手はミスが出たときや流れが悪いとき、「なんでミスするんだろう?」「なぜいつもおれはこうなんだ」とセルフトークします。

「なぜ?」「なんで?」の答えは基本的に自分を責める答えが出てきます。「なぜいつも同じミスをするんだ?」→「学習能力がない、センスがない、本当にダメ」などのセルフトークが続くことでネガティブ感情が増幅し、次のプレーでもミスイメージが出やすくなります。

その対処法として「なに?」を使うことが意識しましょう。

「なにがミスにつながったんだろう?」「今、スウィングのなにを変えればいい?」「次はなにを意識してプレーする?」→「きっと、コースに入ると力んでしまっている、そしてスウィングのテンポが速すぎることじゃないか」というように、「なに?」を使うことで私たちは今の状況を客観視しやすくなり、冷静なセルフトーク、冷静な感情にシフトをしやすくなりますし、次のワンプレーにもつながります。「なぜ?→なに?」に変えるだけでラウンド中のセルフトークは落ち着くんです。

そして、ここまで「なるほど」と思ってもらった方はさらに次の準備をしてラウンドしてみてください。ラウンド前にスコアカードに「なぜ?→なに?」や「なに?  を意識する」と書いてラウンド中にも意識できるようにしておくのです。セルフトークの癖はあなたがこれまで作り上げた思考です。ちょっと意識したくらいでは変わらないことが多いですのでぜひしっかりと「なに?」を意識する仕組みを作って取り組んでみることをオススメします。

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