さて先週末に発売となったカーボンフェースを搭載したテーラーメイド「ステルス」シリーズ。その売り上げはというと、とんでもない記録を打ち立てたらしい。

テーラーメイドの新作「ステルス」が2月4日(金)に発売になった(※アイアンは4月発売予定)。昨年の「SIM2」も非常に好調だったのだが、発売日前の予約の段階で、すでに「SIM2」の数倍の注文が入っていたという。

これほどまでに注目を集めたのは、同社が22年の歳月をかけて開発したカーボンフェースを採用したためだろう。パーシモンからメタル、そしてチタンになったように、これからはカーボンウッドになる、というストーリーは、実際にどうなるかはともかく、なにか新しいことが起きそうなワクワク感をゴルファーたちにもたらしたようだ。

金曜日に発売されたにも関わらず、発売初週の「ステルス」は、過去10年に発売されたドライバーの中で、ダントツの売れ行きだった。発売日初週に限って言えば、日本のゴルフ市場でこれほど売れたドライバーはない。この時点で、「ステルス」はすでに歴史に残る大ヒットドライバーになっている。

画像: カーボンフェースを搭載して登場したテーラーメイド「ステルス」シリーズ。3モデルがラインナップ

カーボンフェースを搭載して登場したテーラーメイド「ステルス」シリーズ。3モデルがラインナップ

もっとも売れているのは、3機種のドライバーの中でいちばん広いレベルにリーチできそうなノーマル「ステルス」。その次に売れているのは、上級者向けでセレクテッドストア限定モデルである「ステルス プラス」だ。このモデルは先だって、タイガー・ウッズがツアー外競技「PNC選手権」で使用していたことが記憶に新しい。

ノーマル「ステルス」と「ステルス プラス」の比率は5:3程度で、ドローバイアスのもう一機種「ステルスHD」の売れ行きは今のところそれほどでもないようだ。この売れ行きの構成比を見ると、情報感度が高く、腕前にも自身があり、興味があるものなら高額商品もいとわないという、コア層の支持を集めているということが伺える。

「ステルス」自体は、低スピン性能が高く、ヘッド体積は460ccながら見た目もシャープに見えて、決してやさしいモデルではない。ボールが上がりきらないゴルファーも多いようで、かつて強烈な低スピン性能で「ロフトアップ」というキャンペーンを展開した「SLDR」のように、賛否の分かれるモデルになるのでは? と意地悪な予測をするギアマニアもいるようだ。

画像: 3モデルのうち、いちばん売れているのはノーマルのポジションとなる「ステルス」

3モデルのうち、いちばん売れているのはノーマルのポジションとなる「ステルス」

しかし、発売日初週の販売実績から言えば、「ステルス」はすでに空前の成功を収めていると言っていい。今後は購入したユーザーの評価やツアーでのプロの使用状況などで、評価が定まって来ると思うが、現時点ではカーボンウッドが新時代をひらくというストーリーが、完全にゴルファーの心をとらえたといっていい。リスクを負って、新テクノロジーを搭載したテーラーメイドの戦略勝ちの感が強い。

これだけ試打やフィッティングが広まっているにも関わらず、ゴルファーは“自分に合ったクラブ”という観点では必ずしもクラブを選んでいないともいえそうだ。興味関心がある、人気・話題になっている、テクノロジーが優れていそう、といったいわばイメージと周辺の状況が、ゴルファーの購買動機に大きな影響がある。

これは“2本の柱”で大ヒットしたキャロウェイ「GBB EPIC」の場合と非常に似ている。単に機能性能が高いだけでは十分ではなく、ゴルファーの関心を強烈に惹きつけるしかけがクラブメーカーに求められているようだ。

※(参考資料)矢野経済研究所「YPSゴルフデータ」より

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