タイガー・ウッズがホストを務めるジェネシス招待に出場しているローリー・マキロイはこれが2022年アメリカ初戦。松山英樹と同組でプレーした初日は2アンダー69と可もなく不可もない平凡なラウンドとなった。彼が語る大会ホストに対する特別な思いと今年の目標とは?

それはマキロイが16歳だから今から16年前(!)の06年。将来有望なアマチュアとして欧州ツアーのドバイ・デザート・クラシックに招待された彼はカットラインに1打及ばず予選落ちを喫した。

落胆したかと思いきや残りの2日彼が嬉々として向かったのはタイガーの組。マスコミ関係者からロープ内に入れるバッジを手に入れると至近距離で憧れの人の一挙手一投足を追いかけた。

その試合でタイガーはアーニー・エルスとのプレーオフを制して優勝したのだがマキロイが「ゴルフ人生を左右するくらい感動した」のが10番パー5のセカンドショット。

「右のラフから5番アイアンで打った球がグリーンをとらえ、そして止まったんだ」と振り返る現在32歳のマキロイ。「ラフからグリーンにあんなにぴったり止められるなんて……。ボールが描いた美しい軌跡が今でも忘れられない」。そのとき彼は我を忘れて完全に観客のひとりになっていた。

16年後、彼は「自分のプレーでこれからプロを目指したりゴルフを始めたりする子供たちにあの時タイガーから感じたインスピレーションを少しでも与えられればうれしいね」と語る。

画像: タイガー・ウッズがホストを務めるジェネシス招待に参戦中のローリー・マキロイ(写真は2020年のWGCメキシコ選手権 撮影/姉崎正)

タイガー・ウッズがホストを務めるジェネシス招待に参戦中のローリー・マキロイ(写真は2020年のWGCメキシコ選手権 撮影/姉崎正)

昨年のCJカップ@サミットで優勝してからしばらく欧州に戻り中東シリーズなどに出場してきたが、およそ2カ月ぶりに戻ってきた米ツアーで戦うに当たって心境の変化もあったようだ。

「昔みたいにシーズン5勝を挙げたいとか年間王者になりたいという気持ちはなくなった。今年はフェアウェイキープ率6割を目指したい。去年は飛ばしを追求して自分のスウィングがわからなくなったりしたけれど、今年はフェアウェイキープの方を重視する。6割を実現できれば自ずとスコアはついてくる」

「アイアンに関しては数年前のほうがよかったので、そのレベルに戻したい。グリーンを狙うショットで少なくとも0.5ストローク、できれば1ストロークゲインしたいと思っている。以前はそれができたし、いまもできる自信がある」

ブライソン・デシャンボーに次ぐ飛ばし屋だからこそ目標をフェアウェイキープ率60パーセントと言えるのだろう。飛距離はじゅうぶん足りている。あとは確実にティーショットをフェアウェイの幅に収めることがミッションだと。

目下世界ランク5位。ナンバー1奪還を目指す立場にしては目標が地味すぎるのでは?

「本音を聞いているの? ならシーズン6勝したい。これまでの自己ベストは年間5勝だからその上を目指したい」。それでこそマキロイ。

かつて自身が見て感動したタイガーのようなショットで少年少女に夢を与え続けてもらいたい。ちなみに当のタイガーは「怪我からは着実に回復しているけれどツアーで戦うレベルに戻るまではまだかなり時間がかかる」と大会前の会見で語っていた。我々の目が黒いうちにタイガー vs.マキロイの真剣勝負が見たいものだが……。

This article is a sponsored article by
''.