すべてのゴルファーあこがれの場所「オーガスタ ナショナル ゴルフクラブ」。「マスターズ」が開催されるこの美しいコースの魅力を写真家・宮本卓が語る

 MAGNORIA LANE マグノリアレーン

ゴルフを愛するものにとって、あこがれの場所といえば、セントアンドリュースのスウィルカンブリッジと並んでオーガスタのマグノリアレーンが挙げられるだろう。マグノリア(モクレン科のタイサンボク)の木に囲まれた並木道を通り過ぎたところにクラブハウスがある。

「メンバーズオンリー」の看板を曲がると、強面のセキュリティが制止を促す。メンバーか、特別の許可を得たものだけが通れるゲート。許可証を見せると白い歯を見せ笑顔で「ウェルカム!!」と迎えてくれる。

 そこから距離にして300メートルほど。1秒でも長くこの気持ちを愉しみたい。恍惚の想いで、この並木道をゆっくり、ゆっくりと車を走らせる。しかし車のスピードとは反対に、鼓動は次第に速くなっていく。

 木漏れ日が車内を照らした。遠くにマスターズのロゴを形取った黄色い花が見えてくる。車内の同乗者は一様に興奮している。それはニクラスやプレーヤーも同じだ。

 マグノリアの大きい白い花びらがあちらこちらに落ちている。ボビー・ジョーンズが初めてこの地を訪れたときから、このマグノリアレーンはあり、クラブハウスはこの果樹園のオーナーのバークマン男爵の邸宅だった。ジョーンズは、このときの印象を大事にしたかった。

 オーガスタを舞台に例えるならばこのマグノリアレーンはまさしく〝レッドカーペット〞。選手は最高の演技をし、観客は万雷の拍手で称える。

 それがマスターズなのだ。

画像: 写真・文/宮本 卓 1957年7月10日、和歌山県生まれ。1987年より海外に活動の拠点を移し、マスターズをはじめとするメジャーの取材だけでも100試合を超える。単にゴルフゲームを追うだけではなく、光と影を巧みに利用し、その奥に潜む人間の真理を表現。全米ゴルフ記者協会会員、世界ゴルフ殿堂選考委員

写真・文/宮本 卓
1957年7月10日、和歌山県生まれ。1987年より海外に活動の拠点を移し、マスターズをはじめとするメジャーの取材だけでも100試合を超える。単にゴルフゲームを追うだけではなく、光と影を巧みに利用し、その奥に潜む人間の真理を表現。全米ゴルフ記者協会会員、世界ゴルフ殿堂選考委員

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