東京の八丁堀駅から歩いて30秒の居酒屋の中にある秘密のゴルフスタジオで、メジャータイトルホルダーの合田洋と調理師免許ホルダーのレッスンプロの卯木栄一が繰り広げるゴルフ談義。今回は、スウィング中に「頭を残す」必要はあるか否かについて話し合った。

――インパクトで「頭を残せ」という教えはレッスンの定番。これにはインパクト前に顔が飛球方向に上がってしまいトップやダフリを誘発するヘッドアップを戒めるため、そして打つ前に頭が前に突っ込むことでスウィング軸が移動してしまいビハインド・ザ・ボールの形が取れなくなり振り遅れのスライスなどが出やすくなるのを防ぐため、というおもに2つの意味合いがあると言われるが、実際のところ、頭を残す動きは重要なのだろうか。二人に話し合ってもらった。

合田:基本的に頭を残すことは大事でしょ。

卯木:まあそう思いますけど……。でも以前、アニカ・ソレンスタムがインパクトの瞬間に顔が上がるの打ち方が「ルックアップ打法」と名付けられて、ちょっと流行ったことがありましたよね。

合田:うん、あったね。ヘッドアップしてもOKとか言って、あれを見て意図的にやっている人もいたよね。

卯木:でも昔から「ヘッドアップをするな」というのはレッスンの定番ですからね。ヘッドアップしてもOKというのはどうなんでしょう。

合田:結局、大事なのは頭の位置を動かさないことなんですよ。アニカの場合は、インパクトでアゴがターゲット方向に持ち上がるので、それで「ルックアップ」って言われていたんだけど、頭の位置は変わっていなかったからね。

卯木:頭の位置を動かさないのはどうして大事なんですかね。

合田:これはね、ゴルフスウィングが頭を中心として足が左右に動く振り子運動であって、この動きができていないと球にうまく当たらないんだよ。この振り子運動をやるためには頭を動かさないことが大事で、頭が動いちゃうと振り子運動が上手くできなくなるんですよ。

画像: 頭を残してインパクトすることで、振り子運動を生かしたスウィングができる

頭を残してインパクトすることで、振り子運動を生かしたスウィングができる

――次に、どうしたら頭を動かさない振り子運動のスウィングができるようになるのかを二人に教えてもらおう。

合田:頭を残した状態でクラブを振るという動作を習得すること、これが大事なんだけど、これがアマチュアの人にはなかなか難しいのかな。

卯木:基本的には、体を動かし過ぎですよね。

合田:そうね。どうしたらいい?

卯木:昔よく言われたのは体重移動は右足と左足の内側ですると言いましたよね。

合田:そうね。体重移動はスタンスの内側で行うものなので、事実かなり小さい動きなんです。ほとんど動かないと言ってもいいかな。

画像: 体重移動はスタンスの内側でおこなうもの。この体重移動が過度におこなわれてしまうと、頭の位置が動き振り子運動のスウィングが行えない

体重移動はスタンスの内側でおこなうもの。この体重移動が過度におこなわれてしまうと、頭の位置が動き振り子運動のスウィングが行えない

卯木:イメージ的には、自分を包む筒を想定して、その筒を破らない、とかその筒に触れないように体を動かしてクラブを振る、ということは言われましたよね。そうすれば頭も動かない状態でクラブを振ることが出来ますよ。

合田:トラディショナルなレッスンだねぇ。でも、これはほんとイメージしやすいし、効果はあると思いますよ。新しい理論も大事かもしれないけど、まずは基本的なことができていないとスウィングは良くならないからね。ぜひやってみてください。

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